GoToトラベルは文法ミス?
政府も「英文としては…」
7月23日付、朝日新聞のウェブサイト記事である。一部引用する。
「文法的に完全に誤りとまでは言えないが、使われる頻度は極めて低く、英語話者には違和感がある」と分析。
(関西学院大学神崎高明名誉教授,英語学)
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まあ、あえて英語の先生がブログに書くことではないかもしれない。でもこれは、中学校英語の頭痛の種になる「英語もどき」だと思う。
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動詞の「go」は自動詞。目的語は必要としない。
「I go to *****.」
*****は目的語ではない。to ******で副詞句(前置詞句)である。
神崎先生は「Go to travelは完全に誤りとまでは言えない」とのこと。でもほぼ間違いなく誤りでいいのではないか。
goは自動詞である。中学生が学習するgoの用例としては、先に書いたものと、go homeが定着度が高いと思う。
I go to school by bicycle.
(私は自転車で学校に行く。自転車通学だ。)
We went home.
(私たちは帰宅した。)
これらの例文でも、なんで「学校へ」は「to school」で、「家へ」は「to home」ではないのか、理解がなかなか進まない例である。
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GoToトラベルが世の中に定着すると、生徒たちはこんな作文をするかもしれない。
We wen to travel to Tokyo Disneyland.
(東京ディズニーランドに旅行に行きました。)
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travelは「旅に出る。」という意味なので、元々goの「出かける」「行く」の意味を含む。無理に日本語にすれば、「go to travel」は「旅行に行くために行く」のような感じ。全体で見ても、主語のない命令文なので、やはりもauthenticではないだろう。そんな感じがした。記事に神崎先生の意見が出ていたが、僕の受けた感覚と同じだと思う。
キャンペーンの担当の意見も出ていたが、go toもtravelも大半の日本人が認知する(知る)という理由で使われたようだ。つまり、「記号」「かけ声」のたぐいである。まあ、目くじらを立てる必要も価値もないレベルと思えばいいのだが、文部科学省の外国語教育担当は一言あってもいいだろう。
なお、「旅行に...」を辞書で調べると、「go on a trip」がヒットするはずだ。