全英連参加者のブログ

全英連参加者の、言葉やその他諸々についての雑感... 不定期更新です。

GO TO TRAVEL

2020-08-04 04:00:00 | 全英連参加者 2020

 GoToトラベルは文法ミス?
 政府も「英文としては…」

 7月23日付、朝日新聞のウェブサイト記事である。一部引用する。

 「文法的に完全に誤りとまでは言えないが、使われる頻度は極めて低く、英語話者には違和感がある」と分析。
 (関西学院大学神崎高明名誉教授,英語学)

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 まあ、あえて英語の先生がブログに書くことではないかもしれない。でもこれは、中学校英語の頭痛の種になる「英語もどき」だと思う。

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 動詞の「go」は自動詞。目的語は必要としない。

 「I go to *****.」

 *****は目的語ではない。to ******で副詞句(前置詞句)である。

 神崎先生は「Go to travelは完全に誤りとまでは言えない」とのこと。でもほぼ間違いなく誤りでいいのではないか。
 goは自動詞である。中学生が学習するgoの用例としては、先に書いたものと、go homeが定着度が高いと思う。

 I go to school by bicycle.
 (私は自転車で学校に行く。自転車通学だ。)

 We went home.
 (私たちは帰宅した。)

 これらの例文でも、なんで「学校へ」は「to school」で、「家へ」は「to home」ではないのか、理解がなかなか進まない例である。

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 GoToトラベルが世の中に定着すると、生徒たちはこんな作文をするかもしれない。

 We wen to travel to Tokyo Disneyland.
 (東京ディズニーランドに旅行に行きました。)

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 travelは「旅に出る。」という意味なので、元々goの「出かける」「行く」の意味を含む。無理に日本語にすれば、「go to travel」は「旅行に行くために行く」のような感じ。全体で見ても、主語のない命令文なので、やはりもauthenticではないだろう。そんな感じがした。記事に神崎先生の意見が出ていたが、僕の受けた感覚と同じだと思う。

 キャンペーンの担当の意見も出ていたが、go toもtravelも大半の日本人が認知する(知る)という理由で使われたようだ。つまり、「記号」「かけ声」のたぐいである。まあ、目くじらを立てる必要も価値もないレベルと思えばいいのだが、文部科学省の外国語教育担当は一言あってもいいだろう。
 なお、「旅行に...」を辞書で調べると、「go on a trip」がヒットするはずだ。


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