8月25日、昨日同様学校全体に違和感あり。何だこれ?
It's not the space-time continuum I should belong to.
ここは、僕が居るべき時空連続体に非ず。
8月25日、昨日同様学校全体に違和感あり。何だこれ?
It's not the space-time continuum I should belong to.
ここは、僕が居るべき時空連続体に非ず。
13歳、初恋。2人は遠く引き離された。 21歳、再会。過ぎた時間は取り戻せなかった。 31歳、現在。もし、もういちどだけ、あなたとめぐり逢えたとしたら…。 人は奇跡のような確率で、誰かとめぐり逢っている。 これは、運命に引き離された2人が、再びめぐり逢うまでの壮大な愛の物語。中島みゆきの名曲「糸」に着想を得た映画化作品。 |
僕は平成の最初から最後までを見ています。社会背景はわかるつもりで出かけました。主演の二人の作品を見るのはいつ以来だろう。そんなことも考えながら。
菅田将暉さんの出演作を最初に見たのは、「暗殺教室」(’15-03-27)、その次は「打ち上げ花火、上から見るか? 横から見るか?」(’17-08-23)です。前者は主演でなく、後者はCVでした。それぞれ注目はしましたが、主演で見るのは今回が初です。
小松菜奈さんの出演作は6作目。前回は「さよならくちびる」(’19-06-12)なので、1年以上間隔があります。
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高橋漣と園田葵は、13歳の時に北海道・美瑛の花火大会で出会い、初めての恋をする。二人とも平成元年生まれ。
ある日突然、葵の行方がわからなくなる。彼女が町を出たことを知った漣は、夢中で葵を捜し出し駆け落ちしようとする。だがすぐに警察に保護され、二人は引き離される。葵は母親と一緒に北海道から出て行ってしまう。
8年後、地元のチーズ工房で働く漣は、友人の結婚式に訪れた東京で葵との再会。北海道で生きていくことを決意した漣と、世界中を飛び回り自分を試したい葵。二人は、それぞれ別の人生を歩み始めていた。
10年後、平成最後の年となる2019年。運命はもう一度だけ、二人をめぐり逢わせた。
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漣は初恋の人、葵を守れなかったことをずっと引きずっている。大人になり、葵に再会したものの、二人の住む世界があまりに違うことに絶望する。
美瑛のチーズ工房で働く漣。どこか沈んだ気持ちを同じ職場の先輩の香に感づかれる。二人の交際が始まり、やがて結婚する。ここで、漣と葵の「運命の糸」は切れる。
葵は東京で生きている。生活費や学費のために、キャバクラで働く。そこで出会った水島と生活をするようになる。ファンドマネージャーをしている水島は事業が破綻。彼は沖縄に逃げる。
葵は水島を追いかけて沖縄へ行く。その後葵は水島と別れる。友人の玲子に誘われシンガポールに行き、ネイルサロンで働き始める。玲子と葵は現地で起業、成功したのだが、玲子に裏切られる。葵は会社を清算し日本に帰る。
漣と香は結婚、こどもができる。同時に香に腫瘍が見つかる。香は出産を優先し、腫瘍治療は出産後と決める。長女は結(ゆい)と名付けられる。漣と香と結に、しばらく平穏な日々が続くが、香の病が再発し帰らぬ人になる。
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漣 starring 菅田将暉・南出凌嘉(みなみで・りょうか,15歳)
少年時代の漣を演じているのは南出凌嘉さん。中学生の漣と葵を演じる二人が、ものがたりの行方を左右する。Trailerを見て、そんな予感がしていた。
スポーツマンで明るく元気な漣。葵の境遇を知り、理不尽な大人から葵を救い出すために、漣は葵を連れて逃げ出す。でも、頓挫する。やればできると思っても、中学生にできることは限られている。無力さや、無念さに打ちのめされる漣を南出さんが演じる。
漣は大きな挫折を抱えて大人になる。否応なく北海道に依拠するしかない。毎日を懸命に生きる普通の人を、菅田さんが演じている。
南出さんの演じる漣、いいと思う。きちんと菅田さんにつながった。
葵 starring 小松菜奈・植原星空(うえはら・せら,14歳)
現在、解消しきれない問題である、DV、育児ネグレクト。経済格差の固定化と合わさり深刻である。漣と対局にいるのが葵である。
正直中学生時代の葵の姿はつらすぎる。実母にも養父にも愛されず、成長しても一人で生きていくことしか選択肢がない葵。漣と再会したときには、都会人、洗練された姿になっていた。彼女は古里から自分を切り離し、帰るところがない。その場にしがみつき、懸命に生きる。
大人になった葵を小松菜奈さんが演じている。今回実年齢(24)よりもかなり上の女性までを演じている。強さや、たくましさを感じる役柄だが、弱さを懸命に抑えて生きる姿がよくわかる感じがする。
漣役の南出さんも、葵役の植原さんも初めて見る役者さんだが、二人ともよかった。
香 starring 榮倉奈々
榮倉さんは以前から知っている役者さん。ちゃんと劇場で見たのは、本作が2作目。前作は8年前の「のぼうの城」の甲斐姫役である。
初めは職場の先輩として漣と出会い、妻となる。結を産み、亡くなる役である。
本作の役作りで、病院のシーンのやせ方が尋常ではない。ホントに鬼気迫る感じがした。ものがたりの前半は漣と香を中心にまわる。主演の二人を際立たせるもう一人の重要人物である。
香は強い女性。命がつきることを覚悟し、結を漣に託す場面はずしんと来た。「泣いている人や悲しんでる人がいたら、抱きしめてあげられる人になってね。」と結に諭す。ここは強烈な印象を与えている。
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本作は「糸」に着想を得ている
本作は所々中島みゆきさんの「糸」が流れる。でも、この作品は「糸」の世界観に着想を得て(inspired by)いるが、「糸」に寄りかかった作品ではない。
平成の30年をふりかえる作品
バブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災。日本に住んでいてこれらの影響がゼロの人はいない。漣と香と結の親子、水島、葵や葵の周りの人たち。みんななにかしらこの30年間を生きてきた、日本人の姿を表しているように思えた。
やや重い作品、そして予定調和的な作品。でも、心にしっかりはまる作品だと思う。