期末考査での事件～何が起こるか、わかったものではない。

　テスト監督はこんなことを指示する。

　『テストを配布する前の確認をします。机の中は空です。自分の目で見て下さい。机の中に入っていていいのは空気だけです。
　『机の左右のフックにものをかけてはいけません。
　『ケータイ、スマホは電源を切り、カバンに入れイスの下に置きなさい。
　『机の上は筆記用具のみ。筆記用具とは文字を書く道具と、消す道具です。ペンケースはしまいなさい。

　細かいがこれくらい普通である。
　これが全部確認できて、試験監督は初めて問題・解答用紙を配付。チャイムがなるまで、筆記用具に触ることも許さない。

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　試験が始まり、生徒が挙手。何か問題でもと思い、そば歩み寄る。

『どうした？
『シャーペンと消しゴムもしまっちゃいました。
　前後の席の生徒が、笑いをこらえている。
『（はあ？）
『カバンから出していいですか。
『ダメ！　先生が出します。
『お願いします。

　何が起こるかわかったものではない。

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