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リタイア後の生活の場をジャマイカに移した007ことジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、平穏な毎日を過ごしていた。ある日、旧友のCIAエージェント、フェリックス・ライターが訪ねてくる。彼から誘拐された科学者の救出を頼まれたボンドは、そのミッションを引き受ける。 |
ずいぶん待たされた、当初は昨年4月公開予定だった。
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ボンドはマドレーヌ・スワン(レア・セドゥ)ど事実婚状態。穏やかな日々を過ごしている。でも、その日々はもろくも崩れる。旅先で行われていた「過去を葬る儀式」にあやかり、ヴェスパーの墓参りに行き、過去を清算してマドレーヌとの新た一歩を踏み出そうとしていた。しかし墓前でスペクターの紋章入りの紙を見つけた。墓が爆破。自分の情報が誰かからもれていると考えたボンドは、マドレーヌを疑う。そして別れを告げる。
前半のクライマックス。爆破シーンは思わずのけぞるほど。
マドレーヌと別れて
誘拐された科学者の救出という任務は、想像を遥かに超えた危険なもの。凶悪な最新技術を備えた謎の黒幕を追うことになる。この最新技術は特定の個人だけを殺害することができるあるもの。それをボンドがどう阻止するかが後半のものがたり。
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最新技術を可能にするためのプラントが、日露間で領有権が問題となっている島にある。第二次世界大戦期に建設された、潜水艦の基地跡という設定。黒幕の居る場所が畳敷き。
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もう一人の007
ボンドの引退後、ものがたり世界では新たな007が任命されている。作品情報公開時にも注目された、黒人女性エージェント・ノーミを英国人女優のラシャーナ・リンチが演じている。
パロマ
ボンドをキューバで支援する新人CIAエージェント。とてもチャーミングで、アクションもきれい。déjà vuがあった。終映後パンフレットを確認-僕は上映前には読まない-したところ、アナ・デ・アルマス。ブレードランナー2049で主人公Kの恋人のホログラム、Joiを演じていた女優さん。Joiの時よりもされにいい。
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フィナーレ、ダニエル・クレイグ版ボンド
15年前にボンド役に選ばれた。前作の感想に、僕はこんなことを書いている。 |
今でこそジェイムズ・ボンドだと思うけど、最初にボンドを演じた時は、昔の007ならばKGBのエージェントのような雰囲気だと思った。
あの時はハッキリ書かなかったのだが、ロシア連邦のプーチン大統領のようだと感じたのだ。
クレイグ演じるボンドは今回がラストである。彼は劇場公開5作とロンドンオリンピック時の短編*と6作品でボンドを演じた。本作が最後なので、覚悟をしていたが、あのような最後だとは、、、予測の範囲を超えていた。
これからどう変わる
過去『ゴールデンアイ』(1995年)で、ジュディ・デンチがMとして起用された。彼女は『007 スカイフォール』(‘12年)までMを演じた。
ベン・ウィショーのQと、ナオミ・ハリスのイヴ・マネーペニーは『007 スカイフォール』で初登場。『007 スペクター』(‘15年)、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(’21年)の3作品に連続して起用されている。ウィショーの演じるQはゲイの設定だし、ハリスのマネーペニーは初の黒人女性である。Mを引き継いだレイフ・ファインズ(「ハリー・ポッター」シリーズのヴォルデモート役)も、『スカイファール』からである。
3人の作り出す相乗効果は、見ていて楽しい。完成された組み合わせだと思う。次作で007のみ交代すると、変化が見えすぎるだろう。3人とも交代のように思える。ラシャーナ・リンチの新007・ノーミは、次作に登場するだろうか。
エンドロールで JAMES BOND WILL RETURN と出ていたが、次作のボンドをボンドと思えるか、不安である。しばらく時間がかかるような気がする。
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*James Bond and The Queen London 2012 Performance