日番を忘れる。
TTスケジュールを間違える。
GENE KRANTZ (FLIGHT DIRECTOR)
Well, we're gonna have to figure it out. I want people in our simulators working re-entry scenarios. I want you guys to find every engineer who designed, every switch, every circuit, every transistor and every light bulb that's up there. Then I want you to talk to the guy in the assembly line who had actually built the thing. Find out how to squeeze every amp out of both of these goddamn machines. I want this mark all the way back to Earth with time to spare. We never lost an American in space. We're sure as hell not gonna lose one on my watch!. Failure is not an option!
出典:Screenplays for You - free movie scripts and screenplays
翻訳:下線部
「私たちは1人たりともアメリカ人を宇宙で失ったことはない。私の担当で失うわけにはいかん!失敗という選択肢はない。」
僕はここの部分を「We'll never lose...」(「私たちはアメリカ人を失う(死なせる)つもりはない」)と思い込んでいた。よく考えれば、lostではない。loseなのだから気がついてもいいようなものなのに。
Apollo 13 (1995) - Failure Is Not an Option Scene(6/11)Movieclips
僕は1995年の公開時本作を劇場では見ていない。TVでも見ていない。VHS(レンタルビデオ)での鑑賞だ。今回、何年ぶりに見たことになるのかもよくわからない。少なくともブログを始める前なので、20年近くになる。’22年、午前十時の映画祭12で上映されることを知り、万難を排して見に行くことに決めていた。
おおよそのものがたりは、わかっている。事前にMovieclipsで11カットを全部見た。劇番のサントラもあるので、6月になって時々聞いていた。はじめてスクリーンで鑑賞した。やはり圧倒された。撮影の裏話(?)も見ているが、13号の船内の様子はすごい。でも、本当に心が揺れたのは、そこで描かれている人々の必死さである。
やっぱり好きなシーン
13号打ち上げ直前、最終確認
Gene Krants: "Apollo 13 Flight Controllers, Listen up..."
listen upという言い方は、同時一緒に働いていたALTも授業などで使っていて、知らない表現ではなかった。
言葉は「文脈・場面」で使い分けられるし、「言い方」「聞かれ方」も違う。この場面は「みんな聞いてくれ」かな。
帰還に向けての作戦会議
John Aaron: "Power is everything."
everythingは電力が確保できなければ、全て無に帰すことを端的に表している。字幕では省略されているが、ジョン(ローレン・ディーン)はその時点での電力消費を続けると、蓄電池は45時間ではなく、16時間でつきることをうったえている。以下の部分だ。
With everything on the LM draws 60 amps. At that rate in sixteen hours the batteries are dead, not 45. And so is the crew.
LM(月着陸船)の機能維持のため、毎時60アンペアを消費すると、16時間で蓄電池は終わりだ。そしてクルーも(死んでしまう)。
下線部は戸田奈津子さんの字幕にない。
本作はラヴェルが主役だが、ヘイズ、スワイガートにもスポットが当たる。そして窮地のクルーを最後の最後で救うのは、麻疹の疑いで打ち上げ直前に交代のマッティングリー(ゲイリー・シニーズ)だ。船長のラヴェルのリーダーシップ、それを支えた飛行主任クランツの存在感も際立つ。単純な感想だけど、みんなかっこいい。
実際は映画よりもっともっと深刻で、ぎりぎりの帰還だっただろう。今から半世紀前の出来事。あらためてよくぞ無事にと感じた。ホントに頭のいい人間の集団が、3人を死なせないため奮闘した。その結果としての生還。何カ所か涙がでた。間違いなく劇場で見るべき作品だ。