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美術展のために広島に来た大学生・久能整(菅田将暉)は、犬堂我路(永山瑛太)の知人だという女子高生・狩集汐路(原菜乃華)と出会い、ある相談を持ちかけられる。それは彼女の家系・狩集一族の遺産相続を巡るものだった。狩集家では遺産相続のたびに死者が出ており、汐路の父親・弥(滝藤賢一)も8年前に交通事故で他界していた。 |
1日に「令和5年秋からの映画鑑賞計画」をアップしたが、その中には含まれていない作品。やっぱり菅田将暉の整くんは見たいと感じた。16日MOVIXさいたまに出かけた。
僕はTVドラマはほぼ見ていない。原作は未読である。
Trailerでは「犬神家の一族」と対比させている。ある程度の年齢の映画ファンならば、1976年の角川映画(石坂浩二さんの金田一)の犬神一族の血塗られたあらそいは思いつく。ものがたりの枠組は古典的。出てくるキャストもいい。予定外だが見ることにした。注目は...
久能 整(菅田将暉)
本作の主人公。
狩集 汐路(原菜乃華)
本作のヒロイン。
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狩集家の当主、幸長は8年前実子4人を事故で亡くしている。幸長死去に伴い相続が発生する。汐路の他の相続候補者は以下の3人。
狩集理紀之助(かりあつまり りきのすけ, 町田啓太)
幸長の孫。父親が幸長の実子。
波々壁新音(ははかべ ねお, 萩原利久)
幸長の孫。母親が幸長の実子。
赤峰ゆら(あかみね ゆら,柴咲コウ)
幸長の孫。母親が幸長の実子。
この人たちの間で血みどろのあらそいが...起きるわけではない。相続をめぐりいざこざはあるが、彼らが命を落とすことはない。
無理矢理相続問題に巻き込まれた整くんが、謎解きをすすめて、解決するまでのお話しである。
本作、最後の方にやや無理な感じがする部分があるが、非常に面白い作品である。
菅田さんの整くん
ホントによくしゃべる。頭脳明晰で理路整然という感じだが、わかったことを話さずにはいられない感じ。見ていて楽しい人物である。
原さんのヒロイン
汐路は遺産相続のたびに死者が出ていること、自分の父親の死に不審を強く抱いていることなど、難しいキャラクターである。ネタバレになるので詳細は避けるが、自分の大切な人にも裏切られるつらい立ち場である。そんな高校生役。
原さんのことは、「すずめの戸締まり」の主役CVの時から注目していたが、「ついに来た」感じがした。
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1976年の「犬神家...」では金田一耕助登場後、相続にかかわる人物の死亡が続く。彼は事件を止められない。本作の整くんは巻き込まれ形の主人公である。そもそも積極的に「相続」にかかわる気はない。その彼が全力で謎を解いていく。幸長の実子4人は全員死亡したが、彼が登場してから、死者はでていない。その分ハッピーエンドな感じが心地よい作品だと思う。
秋の1本にお薦めだ。(文中一部敬称略)