少し前に取り上げた「関西科学」大学(2006.11.24、「関西科学」大学)の、その後がわかった。
関西科学大の設置認可申請を取り下げた学校法人奈良学園は、認可前に指定校推薦で事実上の合格を出していた。大学が開設できなくなったので、合格(内定)者である高校3年生261名に一律30万円を支払うことを決めた。
理由:生徒と保護者に多大な迷惑を掛けたため。
名目:教育支度金…他大学の入学金や受験の交通費に充ててもらう。
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5日付で指定校を通じ生徒と保護者に連絡したそうだが、そもそも、認可が正式に決まる前に指定校推薦の試験を実施したことが一番の問題だ。でも、高校も「指定校」であれば、関知しなかったとはいえないだろう。その危うさは生徒に伝えることができたはずである。認可が下りてから生徒に情報を伝えることだってできたはずだ。でも、指定校推薦の試験が実施されてしまった。僕は当事者ではないので、正確なことはいえないが、おそらく学校説明会などで指定校の話しが受験生に伝えられていたと思う。
「指定校制度を使いたければ、学校の名前を・・・」
生徒が学校の名前を言うと、学校に指定校推薦の内示が文書が届く。で、指定校推薦入試が実施されてしまった。大体こんなところではないか。
この法人が既に大学・短期大学を持っているから、ついつい生徒のことを考えて情報を出してしまったのかもしれない。でも、いずれにしても高校にも責任がある。この大学が、AO推薦で勝手に何かをしていたのならば、大学と受験生の責任だとは思うけど、指定校となると学校にも何らかの責任が発生する。
埼玉県でも10年ほど前、ある大学が、設置認可直前になってストップがかかったことがあった。このときは、まだAO入試がそれほど社会的に認知されていなかったころで、この大学はその方法を使って生徒集めをしていた。勤務校でも「合格者」がいて、その後始末は大変だった。
こんなの、ホントに迷惑な話だ。