日本経済再生本部「事業環境改善のための関係府省庁連絡会議(第6回)」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/doing_business/dai6/siryou.html
事業環境改善に向けた具体的取組として,
① 法人設立オンラインワンストップ
② 民事訴訟手続のIT化
③ 不動産登記・取引のオンライン化・ペーパレス化
等々が挙げられている。
「法人設立」に関しては,
「テレビ電話等による株式会社の定款認証の状況については,「平成 31年3月~令和元年12月までの利用実績は19件」ということである。このような状況に鑑み,「添付書類のオンライン提出がテレビ電話等の利用条件としてきたが、令和2年5月を目途に、省令を改正して添付書類の原本及び印鑑証明書があらかじめ郵送されている場合にもテレビ電話等の利用を可能にし、テレビ電話による定款認証の利用拡大を図る」
こととされたものである。」
「法務省においては、法人の本人確認のデジタル完結を促進するため、商業登記電子証明書の利便性向上を図るとともに、一定期間無償化の是非も含めて、手数料の見直しや利用機会の拡大の方策などを検討し、2020年中に結論を得る。」
ということも企図されているようである。
また,「不動産登記」に関しては,
「今後、ペーパーレス・オンラインで完結する不動産登記手続を実現するため、以下の取組を行う。
法務省は、手数料の見直しの検討も含めて、オンライン手続の前提である商業登記電子証明書の普及促進に努めるとともに、標準ガイドライン等に準じたAPIの公開についての見直しを通じた民間事業者の活用やソフトウェアの改善など、利用者目線での利便性向上について検討し、2020年度中に結論を得る。
法務省、総務省は、固定資産評価証明書の取得・提出の慣行をなくす観点から、行政機関内の情報連携として、IT総合戦略室が進める土地情報連携の高度化の取組とも連携しつつ、令和2年1月より開始した市町村から法務局への評価額通知のオンライン提供の拡大推進、民間の情報活用として、登記手続等における固定資産税納税通知書の活用などの方策を2020年度中に検討する。 」
「動産担保制度など法的権利に関する制度整備」に関しては,
「今後、2019年3月より開始した法制上の課題に関する検討の中間的な議論の整理を踏まえつつ、動産担保に関する法的枠組み・登記制度の整備について、引き続き検討を行い、見直しの方向性について2020年度中に取りまとめる。その際、更なる制度改善として、将来的な世銀の評価基準の変更も視野にいれながら、法人を対象とした全国統一担保登記簿のデータベースの構築・運用の必要性の有無も含めて検討するとともに、必要に応じて、評価手法の改善提案を行う。」
「少数投資家保護」に関しては,
「世界銀行報告書では、株主総会の招集通知の発送時期、独立取締役及び業務非執行取締役の選任及び役員報酬の開示に関する事項が義務化されているかどうかが評価対象となっている。
法務省、金融庁においては、世銀に対して、他分野における評価根拠同様に、少数投資家保護の分野においても、ハードローでの義務化だけではなく、ソフトローの改革も含め、市場における実効性の観点から評価されるように評価手法(メソドロジー)の改善提案等を行う。
また、金融庁は、世銀だけでなく海外機関投資家などからの評価をふまえて、引き続き、コーポレートガバナンスの強化について検討を行う。」
「民事訴訟に関する裁判手続のIT化」に関しては,
「世界銀行報告書では、裁判手続や判決の執行に要する時間や訴訟提起などの電子化等が評価対象となっていることを踏まえて、民事訴訟手続のIT化を実現するため、以下の取組を行う。」
として,詳述されている。力が入っているようである。
また,
「更なるIT化の実現を目指して、法務省は、法制審議会における民事訴訟手続のIT化の検討も踏まえつつ、令和2年度中に家事事件手続及び民事保全、執行、倒産等の民事非訟事件手続のIT化のスケジュールを検討する。」
という方向であるようだ。