<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地



装置の概要について色々と説明したあと、
「で、申請等が必要になるんですがどうしますか?」
と訊ねたところ、
「上に訊かないとわかりません」
という答えが帰ってきた。
「で、ご予算に入りますでしょうか」
と訊いても、
「上に訊かないとわかりません」
と。
さらに、
「工事が必要ですけど」
と疑問文でもないのに、
「上に訊かないとわかりません」
と同じ答えが戻って来るのだ。
面白いことに彼らは「上役」でも「上司」でもなくて必ず「上」と呼ぶ。
天の声をもってサラリーマンしているのだろう。
ああ、お気の毒に、と思った。

で、これは10年ほど前、大阪の製薬会社というか製薬会社みたいな名前をした某有名化学メーカーに行ったときの相手の課長だったか係長だったかのセリフだった。
なんだか暗いムードが漂い、商談なのに笑顔が存在しない。
「ご愁傷さまです」
という雰囲気の中の「上に訊かないとわかりません」なのであった。

こういう会社は得てして問題を抱えているものだ。
この会社と打ち合わせをしたときの空気感があまりに変だったので、
「この会社の製品は買わないほうがいいかも」
と思った。
率直に危ないと思ったのだ。

テレビでCMがじゃんじゃん流れている製品の会社だったが、そういう製品が欲しくなった場合は類似した他社のものを買うことにした。

今年になってサプリ製品で問題が露見したこの会社はやり玉に挙げられているのに次から次へと色んな製品スキャンダルが出てくる。
たぶん例によって「上に訊かないと」と所轄官庁への報告ひとつとってもトップダウン。
色々漏れがあっても意見をすることもできなければ、それを単に報告することもできない雰囲気があるに違いない。
今も上に訊かないと何もできない。

そんな「ご愁傷さま」ムードが漂っている、あの雰囲気を思い出しながらニュースを耳にしているところなのだ。


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昨日の月曜日。
新幹線が保線車両の事故で終日運休ということになった。
ニュースを見ていると夏休み最初の月曜ということもあり家族旅行に出かける人、両親の故郷へ旅立つ子供、久しぶりに帰省しようとしている若い人、なんてのかインタビューを受けていた。
ビジネスマンだけでなく多くの人が迷惑を被ったことだろう。

なかでもこの新幹線の予期せぬ運休で最も迷惑したのは、会社に内緒で自宅に帰っていた単身赴任の人たちではないかと私は思っている。
とりわけ会社に内緒で東京から大阪、大阪から東京に戻っていた人にとっては終日悪夢の一日だったんじゃないかと思われるのだ。

単身赴任者はその扱いが会社によって異なっている。
ある会社では月に1度の帰宅を許可しているところ。
また別の会社では2週間に1度の帰宅を許可しているところ。
毎週の帰宅を許しているところ。
などなど。
会社と従業員のパワーバランスでも異なっているに違いない。

私は若いころに務めていたサブコン系の会社では毎週週末の帰宅が会社もち。
一方、8年前まで務めていた会社は月1回が会社持ち。
というような塩梅だった。

この単身赴任は多くの場合、家族に中高生の子供がいるケースがあり、単身赴任のお父さん、お母さんは月1程度の帰宅では子供たちが心配で会社に内緒で実費で帰宅することが少なくない。
私自身はそんな経験はないのだが、そういう得意先の同胞たちが愚痴を言っているのをなんども聞かされたものだ。

「帰宅するのにいちいち会社の許可がいるんですよ」

と言っていたのは大手事務機メーカーの営業マンなのであった。

その許可もなく実費で帰宅して昨日のような新幹線の突如の運休があったらどうなるのか。
朝イチの新幹線で東京に戻ってそのまま出勤するつもりが、

「へへへ、実は今、大阪なんです。」

とは言えまいて。

多くの家族を危機に陥れているであろう新幹線の予期せぬ運休。
JR東海の罪は小さくないのだ。


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書店が絶滅危惧種に指定されそうな勢いだ。
街によっては書店が一軒もないというところがあるらしく、書店に接すことのできない一部地方では書店を自治体が運営を始めているということがあるのだという。
公営書店。
図書館とどう違うのか訪問してこの目で確かめてみたいところだが、書籍や雑誌を読まない人の人口は増えるばかりでこの傾向は止まりそうにない。

そんななかで全国の書店減少率で統計をとると書店の減少率が低いのがトップが和歌山県で第二位が奈良県だという。

この理由はいったいなんなのか。

日本経済新聞によると和歌山では地元の中堅スーパーマーケット「オークワ」の貢献が小さくないという。
オークワは自社が展開するスーパーやショッピングモールに書店を設置。
一部の店舗では24時間営業で夜間は書店員をおかずにスーパーと共同で運営しえいるという。
つまり夜本を買いたくなったり雑誌をみたくなったらオークワに行けば良く、欲しければ買い求めることもできるわけだ。

奈良県の低減少率の理由は書かれていなかった。
私は週に何度か奈良に通っているが少なくともJR奈良駅前には書店はない。
奈良のオフィスの近くには大きな駐車場を備えた書店がありGEOと一緒に運営されており来客は少なくないようだ。

和歌山も奈良も大阪の近郊都市であり、とりわけ奈良県は大阪府と一体にしてもおかしくなく、奈良県民のかなりの数は昼間は大阪で仕事をしていて書籍購入は大阪のターミナルでもできそうなものだが、やはり住んでいるところの書店は大切にされる文化があるのか。
そういえば奈良県広陵町立図書館は20万冊規模の中規模図書館としては日本一の利用者数を誇っているというようなことを耳にしたことがあり、読書=奈良県という文化があるのかもしれない。
なんといっても日本文化が誕生した場所という土壌があるだけに京都をもものともしない強烈な保守的土壌があるのだろう。

読書は知の獲得の第一手段。
ネットのように何時でも書き換えのできる文章は本ブログにも見られるように誤字脱字が溢れているのと比べ、印刷物である書籍は責任出版、内容保証、書き換えできない証拠が残るだけに実に信頼度とクオリティの高いもの。
書店減少。
どのようにしたら軽減できるか。

和歌山と奈良に回答があうのかも。


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米国の元大統領で次期大統領候補のドナルド・トランプが狙撃された。
それも演説中でテレビ中継されるような状況での災難であった。

容疑者は100m以上も離れた警備域外よりライフルで狙っていた。
撃った弾はトランプ氏の右耳をかすって通り越し、その先の観客に命中した。
当然トランプ氏はSPに抱え込まれながらそこにしゃがみこんだということだが、20歳の犯人の狙撃の腕前はなかなかで、もう2cm左に寄っていたら、今頃はもっと大きなニュースになっていたことは間違いない。

テレビのニュースでこの事件を知った私は思わず不謹慎にも、

「お、安倍さんが迎えに来たのか」

と口走ってしまったが、まさにそういうタイミング。
7月の暑い朝(日本時間)の出来事であった。

世界のためを思うとあと2cmを悔やんでいる人は少なくないと思う、残酷で不謹慎な感想を持ってしまうニュースだった。


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東京都知事選が話題だ。
何が話題なのかというと本来は選挙とは全く関係のないことでマスメディアが大盛りあがりと思えてしかたがない。
真面目な都民のコメントは殆ど入ってこず、若い有権者の的はずれなインタビューばかりが目に止まるのだ。
正直、他府県の私たちからすると、

「もうどうでもええやん。ChatGPTにでも都知事をさせたらどう」

と思えてしまう。

自分の意見ばかり述べる自己顕示欲の塊を選ぶよりも、話を真面目に聞いてくれるAIのほうがかなりマシじゃないだろうか。


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テレビでアメリカの大統領選挙関連のニュースを見るたびに
「他に誰かおらんのか?」
と感じる。

共和党候補のトランプ氏。
この強欲を具現化した下品な人物が共和党支持者に人気があるというのは理解しがたいものがある。

また民主党候補の現職大統領バイデン氏。
この痴呆症が少し見られる高齢者が米国大統領としてあと4年も務めることができるのかどうか。
民主党支持者は老人に鞭打って働かせるのがリベラルと思っているのか。

いずれにせよ大統領候補者が他にいないのが不思議だ。

優秀な人は大統領なんていうリスクのある職業に就きたくないのか。
もっと稼げる実業家を目指すのか。
国なんてどうでもいい、と思っているのか。

ま、日本も政治家の顔ぶれを見ていると若者が「政治家になりたい」と思わない原因がわかなくもないけれど、アメリカも同じだなんて、これはいささか困ったことになっているようだ。


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昨日、北陸新幹線が東京方面から敦賀まで開通した。
テレビや新聞は大々的に「便利になる」と伝えているが、関西に住んでいる私には甚だ迷惑な開通だ。
なんといっても大阪からの特急は敦賀止まり。
そこで新幹線に乗換えなければならず、富山あたりまで行くのであれば結構だが鯖江や山代温泉に行くなんて場合は不便極まりない。
今までであれば特急サンダーバードで乗換なしでそのまま行けたのに、鯖江のような敦賀からすぐそこの街に行くためにもわざわざ新幹線に乗換える必要がある。
これは大阪方面から東京へ行くためにわざわざ新横浜から新幹線に乗るのに等しい愚の骨頂なのだ。

で、北陸新幹線開通でのJR西日本のキャッチフレーズ「つながる北陸」。

JR西日本の本社はもしかしたら東京にあるのかも知れない。


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「記憶にございません」
というセリフ。
私が小学生だった時代。
現職の総理大臣が辞任に追い込まれたのがロッキード事件だった。
田中角栄、全日空、丸紅、ロッキード社などを巻き込みながら世間をお騒がせした巨額のお金が動いた大疑獄事件なのであった。
その時に子どもの私が初めて見たのが証人喚問。
で、その席で質問に対して証人喚問に呼ばれた人たちが揃って答えた一言が「記憶にございません」。

記録にないから記憶に頼らないといけないところだが、記憶にないのでどうしょうもない、という有名なセリフ。
子供でさえ「記憶にございません」は真似したぐらいだ。

あれから半世紀。

あの「記憶にございません」が再び世の中を騒がしそうなのが「歴史は繰り返す」のまさにそれ。
リバイバル「記憶にございません」に大きく注目して、いいのか悪いのか。


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自民党が派閥政治を廃止するのどうのこうの言っているが、そんなことできるのか。
できないであろう。
それになぜ、派閥が生まれるのか?
その部分からしっかりと考える必要があると思うのに、マスメディアは騒ぐだけ。
そしてまともに考えもしない市井はマスメディアの文言に乗っかって愚痴るだけ。
なんなんだ、というところだ。
問題は派閥にあるのではなくてパーティなどで得た収入をナイショにしていたことであって派閥ではないんじゃないかと思う。

学校でだって腕力のある学生を中心に不良グループが誕生したり、イケメンでスポーツマンの学生を中心にファンクラブができたりするものだ。
人間は社会性を重んじる動物で、その結果、グループができる。
だから屁理屈の大好きな人達(とりわけ政治家、評論家)が集まれば同じ思想の人達がグループを形成し、それが派閥となる。

実は自民党の派閥には大きな意味がある。
それは自民党党内における疑似政党なのだ。
自民党という組織の中に派閥という子政党が存在して、その子政党間で議論されることで国の運営が行われてきた。
だから派閥解消は自民党内で「政党政治は止めまっせ」と言っているのに等しく、これは日本の政治形態からすると著しく負の要素を含んでいるのだ。

よくアメリカの二大政党性といって「見習うべきだ」とおっしゃる人も少なくないが、アメリカの2大政党である共和党と民主党は「国家の利益と自由と安全を守るという大きな目的」を共有し「政権運営するために必要な実務能力」をしっかりと持っている。
2党とも保守政党であることも、日本では忘れられがちだ。

これに対し、日本で国家運営の実務能力を持つのは自民党だけである。
第一野党である立憲民主党の前身の民主党が実務能力が無かったこと、そして彼らの発言内容と面々から今もない、ということは国民が広く理解しているところだ。
ついに第二野党となった日本維新の会は大阪を中心とした関西での政権運営については実務能力が自民党より高いが首都圏を含む他の地域では実務担当できるほどの能力はない。
共産党や社民党、れいわ新選組に至っては「あんたらなんで日本に住んでるの?」というぐらいの存在だ。

畢竟、自民党だけが政権運営の実務ノウハウを蓄積してきたわけで、その中でカンカンガクガクする党員が派閥=子政党を作って党内での政策論議を進めていくのは、当然の成り行きといえる。

ということで、私は自民党の支持者ではないけれども、派閥解体を促進する訳の分からない報道の理由をマスメディアに説明していただきたいと思っている。


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元旦早々、能登半島で大震災が発生した。
10日経った現在でもその全容は不明だ。
ほとんどの道路は寸断されインフラの回復の見込みもたたない。

災害で最も厳しいのは「いつ終わるのかわからない」こと。
30年前の阪神大震災のときも、
「悪い夢を見ているみたい」
「いつ元に戻るんやろ」
というようなことを考えていた。
阪神高速道路は通れない。
一般道は大渋滞。
芦屋や灘区、東灘、長田区は景色が一変。
大阪から神戸までは移動するのに6時間から8時間もかかった。
震災後初めて訪れたのが三宮の得意先。
棚やデスクがひっくり返ったその事務所で一人で片付けをしていた得意先の社長の感情を失った表情は今も記憶に焼き付いている。
地震の前と後では、当事者にとって世界が違うことを生で知ることになった。
それだけに4月になって大阪駅で「姫路行」の新快速電車が走り始めたのを見た時はなんとも言えない感慨が巡ってきて泣きそうになった。
大阪に住んでいて直接被害を受けたわけではないものの、神戸や西宮、芦屋のあの惨状を目の当たりにした感覚は今も消えることはない。

能登半島が実際どうなっているのか、テレビのニュースはどれもこれも同じ地域の同じ箇所をレポートし、似たようなことしか言えていないので、参考にならない。
交通が遮断されているけれども、政府が自治体が、どのような支援や復旧活動をしていて、全国民にどのような協力が必要なのか。
相変わらずきちっと伝えることができていないように見えるのは私だけなのか。

阪神大震災でさえオウム事件以降はあまり伝えられることもなく、関西地方の地域の問題になってしまっていたが、北陸の情勢はマスメディアにとってはもっと地方の出来事なのだろう。


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