<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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初めて「3D映画」なるものを鑑賞した。
作品はピクサー・アニメーションスタジオの最新作「トイ・ストーリー3」。

昨年から今年にかけての映画の世界は3D。
どういうわけかメガネを掛けて鑑賞する立体(に見える〕映画が流行しているのだ。

メガネをかけると立体に見える映像や画像は新しい技術ではない。
私がガキだった昭和40年代から存在する既存の技術だ。
例えば、小学館の「小学〇〇生」という雑誌には、片方の目に緑色、もう片方の目には赤色のセロハンが貼られたメガネが付属した立体写真が付録についていたことがあるように私は記憶している。
で、そのメガネを掛けて写真を見ると立体に見えるかというと、見えなかったりしたので、その虚仮威しの技術にいささか辟易としたことも記憶されている。

3Dはキワモノ。
という印象は今持って変わらず、そんな気持ちで「トイ・ストーリー3」を鑑賞しに出かけたものだから、驚きはほとんどなかった。
正直、「3Dは飛び出す絵本と何ら変わらない、平坦な絵が幾つも重なった擬似立体」ではないか、という印象が強くなってしまったのだ。

劇場で渡されたメガネはさすがに赤と緑のセロハンではなく、液晶シャッターが内蔵されたハイテク品。
ハイテク品だが、眼鏡のレンズに仕掛けがされているだけに、淡い色がついていて実際に目に装着してみると、サングラスを掛けて映画を見ているような感覚に囚われた。
これは最低だった。

映画のスクリーンはそんなに明るいものではない。
にもかかわらず3D映画はサングラスみたいなメガネを掛けてみなければならない。
正直、立体を追求するよりも明るい画面を追求していただきたいと思った。

さらに、メガネが重い。
私は近視なのでメガネを掛けている。
その普段かけているメガネの上から、新たに3Dメガネを掛けてみると、まるで水中メガネなのだった。
視野は狭くなるし、思いし、暗いし、最低なのであった。

肝心の映画は素晴らしく、「ピクサー映画にハズレはない」というセオリーを今回も踏襲し、最後には涙がポロポロと流れそうになって感動のフィナーレなのであったが、ひとつだけ気にくわないのが3Dの映像なのであった。
ちなみに前作の「カールじいさん」では泣きそうで止めることができず、ヒックヒック泣いたことは以前、このブログに書いたと思う。
中年のおっさんを泣かすとはピクサー映画、恐るべし。

ということで、映画見るなら3Dより2Dで。

立体映像はEMHが実用化してからにしてください。
ホンマ。

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