能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

ハイデカー「存在と時間」 先駆的決意性でより良く生きる 死は誰もが受け入れざるをえない事実

2013年08月20日 | 学問

マルティン・ハイデガー(1889年~1976年)の主著「存在と時間」。


ナチスへの信奉、死の哲学者等ある意味否定的にとらえられているハイデカーですが、個人的にはとても尊敬する哲学者です。


何も考えないで生きる人を「ダス・マン」と定義。


人間は必ず死ぬという前提条件をしっかりと意識し、残された人生をしっかりと生きる・・・それを彼は「現存在(ダーザイン)」と定義しました。


著作の「存在と時間」は、未完の名著。

第一部1~3編、第2部1~3編が完成型でしたが、第一部の2編で終わってしまいます。

「存在と時間」読破には何回かチャレンジしたのですが、やすらかな眠りにつくには最適な書籍でした(笑)。


しかしながら、晩年の彼の講義、配偶者の見事なフォローで死後、高い評価を受けることになります。

ナチスへの協力でフライブルク大学の総長に上り詰めるものの、戦後は追放状態・・・教え子に手を出し(?)さらにその教え子に救われる・・・というなかなかシビアでダイナミック人生を送った人物ではあります。


死は誰もが受け入れざるをえない事実。

その不安を「先駆的決意性」ととらえ、プラス発想に変えたのが彼の最大の貢献だと思います。


誰しも死を意識すれば、本気になると言われていますが、約8割の人が答を見いだせないまま、人生を終えてしまう傾向があるように思えます。


ハイデカーが探究したテーマは、残された人生を、いかに「よりよく生きるか?」。

出生と死の間を、いかに充実した日々として過ごすか?と理解しています。


ハイデカーからも多くの影響を受けたと言われるサルトルは、実存主義をさらに進化させていきます。

サルトルの主著と言われている書物、それは「存在と無」というタイトルです。


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祝!全日空が20年ぶりにフライトアテンダントを正社員採用に ANAの経営陣の英断

2013年08月19日 | マネジメント

20年ぶりに全日空(ANA)がフライトアテンダントを正社員採用に・・・というNHKニュース。


本当に喜ばしいニュースです。


国土交通省的に言うと、フライトアテンダントの位置づけは航空機の安全管理のための要員。


しかしながら、われわれバナナ世代、オジサン世代にとっては憧れのまと。

旧名スッチャンは、やはりスチュワーデスさん。

永遠の憧れです。

宝塚ジェンヌか、局アナか、それともスチュワーデスか・・・オジサン世代には、それぐらいのポジショニングだったものです。


LCCの登場や契約スチュワーデスの固定化は、空の旅を無機質なものにしていました。

かってのFAのステイタスは、一体どこに行ってしまったのか?・・・涙


今回のANAの経営の意思決定により、優れた人材がANAのFAになっていくことと思います。

契約FAとの葛藤は避けられないということは言えると思うのですが・・・。


それでも、かってのFAさんが搭乗するとなれば、新幹線の旅も飛行機の旅に変わると考えています。

また、ANAブランドもさらに高まることと思います。


今回のANAの経営陣の英断・・・本当に時代をとらえたグッドな選択だったと思います。


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勝つための経営 グローバル時代の日本企業生き残り戦略・・・秘伝のタレを生かせ

2013年08月18日 | 本と雑誌

「勝つための経営 グローバル時代の日本企業生き残り戦略」

畑村洋太郎・吉川良三著 

講談社現代新書 760円+税


失敗学を確立された畑村洋太郎さんは東大名誉教授。

もう一人の吉川さんは、日立製作所を経てサムソン電子常務を10年勤められ、現在東大ものづくり経営研究センター特別研究員。

サムソンの電子の飛躍に大きく貢献された人物です。


同書の腰巻には、「円高・税制は負けている言い訳にすぎない」のコピー。

急速に進展するグローバル競争の中でのサバイバルの方法論を提言しています。


目次

第1部 日本企業を取り巻く現実

第2部 日本企業の浮上を妨げる三つの枷

第3部 これからの世界

第4部 では、どうすればよいのか?


第4部では、「戦略で負けるな」「秘伝のタレを生かせ」「やはり決定的なのは人と組織」という三つの提言をして締めくくります。


1.「戦略で負けるな」・・・技術で買って市場で負ける、品質で買ってオーバースペック等、最近のニッポンものつくりの弱点を指摘しつつ、巨大な中間層市場を獲る覚悟の必要性を指摘します。さらに、米国の通った道は日本の通る道ではないと分析、オリジナリティ創造が必須であると説きます。


2.「秘伝のタレを生かせ」・・・差異化の条件である「秘伝のタレ」・・・。なかなか良い表現です。すり合わせ競争からモジュラー戦争になった今、秘伝のタレを持つニッポンのものつくり企業のタレ再発掘が有効と指摘。


3.「やはり決定的なのは人と組織」・・・金太郎アメではなく、組織のクラスター化がイノベーションに必要であることを解説。最終的には、「小魚の大群」のような組織がグローバル競争で強みを発揮するという結論で締めくくります。独立した個+共有知で、環境変化にも十分対応できると・・・。なるほど、そのとおりだと思います。


同書の中で、最も同意したのが、この組織と人の箇所。


リスクをとらない、コンプラ抵触可能性で全て退却、稟議・手続等の膨大な意思決定システム、スピードの遅さ、言われたことしかやらない社員、重要な意思決定を先延ばしする経営幹部・・・確かに、これでは負けるハズです。


同書では、「官僚化」と呼び、1.形式主義、2.数量主義、3.管理主義という三つの特徴を掲げ解説しています。


やたら社内文書が増える、

稟議手続が複雑で重い、

定量化するものの全て数字で意思決定する、

なんでもかんでも管理対象・・・

こういった症状が出てくると、その組織は厳しい将来を覚悟しなければなりません。


しかしながら、すぐに変われないのが人間の悲しい性(さが)。


国家の経済が破たんしIMF管理下に入った韓国、会社更生法の適用を受けたJAL・・・最後まで追いつめられないと、変化を起こそうという意思は出てこないのです。

ただ、一度修羅場を踏むと、その後の当分の間、以前よりパワーアップするいうのは事実です。


二人の著者は言います。

まずは、負けを認めてからだ!再スタートをそれからだ。」


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シブヤ109 釜石プロジェクト 粋な町おこしに感動 渋谷マルキューのソーシャルデザイン

2013年08月17日 | マーケティング

ニュースを見ていると女子中高生のファッションの聖地「SHIBUYA109」が、

期間限定で岩手県釜石市の駅そばで出店するとのこと。


3.11で千名以上の死者、行方不明者が出た釜石市。


地元の女子中学生がSHIBUYA109の管理会社宛に一通の手紙を出し、それを同社の社長が実現させたというストーリーだそうです。

この女子中学生が母親と話していた時、マルキューを釜石に呼びたいけど、とても無理と諦めかけていたとのこと。

これに対し、そのお母さんは「行動に移すべきだ」とその女子中学生をさとし、手紙を出したという事をニュースは伝えていました。


 SHIBUYA109 KAMAISHI PROJECT


8月16日~18日、金曜日~日曜日の三日間、渋谷店のカリスマ店員さんも含め釜石へ派遣。

売上の10%は義援金として寄付されるそうです。

さらに、同地でのファッションショー、地元女子中学生とコラボした商品開発など、なかなか本格的な展開です。

 

今回のプロジェクトは、一言で言うと、東急モールズディベロップメント社長の鶴の一声が産んだ感動のストーリー。

「ブランドイメージを棄損する」

「店員の勤務シフトをどうする?」

「利益は出るのか?」などなど社内でも反対する勢力もあったと思います。


さらに親会社のウルサ方へのお伺いも必要だったことでしょう。

それをまとめ上げ実現にこぎつけたマネジメント力はなかなかのものです。

近年多いリスク回避、挑戦否定、引きこもり型のニッポンの会社の中で、よくぞやった!という感じです。


オジサンには、理解不能の女子中高生のファッションですが、今回の心温まる話に接して感動した次第です。

今回のケースを活かし、被災地の復興、街づくりに向けて多数の企業の参加に期待しているところです。


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論理哲学論考 天才ウィトゲンシュタインの哲学破壊の世界に戯れる 語りえぬものの前では沈黙

2013年08月16日 | 本と雑誌

学生時代に哲学の教授から教えていただいたルートウッヒ・ウィトゲンシュタイン。


「論理哲学論考」 

ルートウィヒ・ウィトゲンシュタイン著 

ちくま文芸文庫 840円+税


西洋哲学のデストロイヤーとしての存在が魅力的で何度も入門書も読んだのですが、それでも分からない難解さ。

その不可思議で奥深い論理、言語の世界は、とても魅力的なのです。


ルートウッヒ・ウィトゲンシュタインは、1889年オーストリアのウィーンに生まれ。

家は大富豪、兄弟の多い家庭で、その末っ子だったと記憶しています。

かなりの秀才だったらしく、その後、大学で航空工学や数学を学びます。そ

の後、フレーゲやラッセルに哲学を学び、哲学や論理学の世界へ。

「論理哲学論考」にも師匠ラッセルは、文書を寄せています。

理科系をベースにして文系に入った・・・それがウィトゲンシュタイン・ワールドを築いたのです。


「論理哲学論考」は、前期ウィトゲンシュタインの代表作。


前期というのは、同書によって哲学を結論づけたということで彼は哲学の世界から自ら去ります。

語りえぬものの前では沈黙しなければならない。と喝破、歴史ある西洋哲学を全否定するのです。

論理哲学論考の中から、さわりの部分を・・・


1 世界とは出来事たる一切である。

1.1 世界は事実の総体であって、事物の総体ではない。

1.11 世界は事実によって規定されており、また、一切は事実である、ということによって規定されている。

(このあたりから早くも理解不能状態になっていきます・・・)


1.12 なぜならば、事実の総体が出来事たることを規定し、また、すべて出来事ならぬことも規定するからである。

1.13 論理的空間内の事実が世界である。

1.2 世界は出来事へと砕けて事実となる。

・・・・

同書は、こんな感じで進んでいき、中盤~後半では数学の数式が多数出現することになります。

文系の私にとっては全くの理解不能状態に陥ります(笑)。

ただ、数式の持つビジュアル的な美は、なかなか素敵な世界。

バーボンあたりをなめながらペラペラめくるには、ぴったりです(何も分かっていないのですが・・・笑)。

哲学の世界を離れた彼は、ふたたび哲学の世界に帰っていきます。


小学校で教師をしていた彼は、同書の誤りに気付き、ふたたびケンブリッジ大学に帰っていきます。

そこで展開されたのが「言語ゲーム」理論。

言語も使用される状況によって、解釈が異なってくることを哲学的に証明していったのです。

そして、最終的には、「哲学探究」に帰結させ、1951年死去。

62歳の人生でした。

 

訳者は、中平浩司さん(1932~2002)。

高校教員をしながらウィトゲンシュタイン研究を続けたなかな魅力的な人物。

 

哲学の世界に一石を投じた名著。

わずか150ページを、諦めず最後まで目を通す(たとえ字ずらを追っているだけだったとしても・・・)こともなかなか知的エンターテイメントのように思えます。


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有限責任事業組合 LLPという選択 新しいニッポンの会社 Limited Liability Partnership

2013年08月15日 | マネジメント

2005年の商法改正で日本にも導入された有限責任事業組合(LLP)

日本の会社は、株式会社、合名会社、合資会社、そして会社法改正で導入された合同会社があります。

以前、有限会社という形態もありましたが、現在ではその多くが特例有限会社として存続しています。


有限責任事業組合(LLP)は、合同会社の発展型。

会社法ではなく、「有限責任事業組合契約に関する法律」で規定されています。


有限責任事業組合はイギリスで生まれ米国経由で日本に入ってきたとのこと。

LLP=Limited Liability Partnershipです。

社員は出資額を限度とした有限責任、配当なども構成員の中で意思決定することができるという優れモノです。


有限責任事業組合(LLP)は、非法人として扱われます。

最低人数は2名以上。有限責任社員のみによって構成されます。株式会社への改組は不可となっています。


このLLPの最大の売りが、構成員課税。

最大で出資額まで有限責任事業組合における損失を個人の利益と合算することが可能になるということです。

会社法の中で定められた合同会社は、この構成員課税が見送られたため、合同会社設立は、それほど多くはないようです。

設立数は、LLPは約4,000社、合同会社は約5,000社といったところです。


比較的小規模、経営陣に高いスキルが求められる専門性の高い業務であれば、

一度検討してもよい経営形態だと思います。


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博報堂生活総合研究所 生活者というキーワードを定着化しませんでしたが・・・生活者発想は大切!

2013年08月13日 | マーケティング

博報堂生活科学研究所が、設立されて32年。

当時の博報堂は、「マーケティングエンジニアリング」を標榜し、同社のフラッグシップとしてのシンクタンクを設立しました。

広告コンセプトやマーケティング戦略を策定する上で差異化要因となるマーケティング調査機関としての位置づけだったように思います。


現在も、定点観測、未来年表など興味深い取り組みを続けており、定性分析の草分け的なプレゼンスを示しています。

設立時は神田だったと思いますが、いまは赤坂のBizタワー。

生活とは少し場所的距離がある立地です。


同社が打ち出した「生活者」というキーワードは、30年たってもなかなかマーケティングの世界に定着しなかったように思います。

「消費者<生活者」という定義なのですが、どうもしっくりこないまま今になってしまいました。

以前あった「売り場」ではなく「買い場」という消費者目線のとらえ方も、生活者というカテゴリーによく似ています。

3.11の1年前に出版された「生活者発想塾」博報堂生活総研著・日本経済出版社刊は、なかなか素敵な本で、従来のマーケティングの概念に対し新しい切り口を与えてくれます。


「広告は人間学」という導入から始まり、

生活者発想を「兆しの見方」「声の見方」「数字の見方」「場の見方」「波形の見方」という観点から解説していきます。

 

「兆しの見方」のポイント・・・気になるを集めよう・・・事実有根

 

「声の見方」のポイント・・・人は上手く語れないから・・・点で見つけて系を掘り起こす

 

「数字の見方」のポイント・・・数字は偉大な表現者・・・生きるとは数字を生産すること

 

「場の見方」のポイント・・・真を写すから、写真・・・写されたものが映していることを見る

 

「波形の見方」 のポイント・・・時系列データは雄弁である・・・YTTの視野(YTTとは、昨日、今日、明日のこと)

 

そして、生活者発想を暮らしに活かすための心得として3つを取り上げ、まとめとしています。


日々の心得1 創造性を暮らしの実利に。


日々の心得2 分かち合って太る。


日々の心得3 明転の精神。


まさに、そのとおりだと思った次第です。

これから、インターネット、IT、グローバル化、価値観の多様化など、マーケティングがますます難しい時代となってくることは明らかです。

博報堂生活総研も過去の延長線にとらわれず、

ビッグデータやグローバル、高齢社会といったキーワードで新しい境地を切り開いていただきたいものです。


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青猫とともに過ごす都市の熱帯夜 萩原朔太郎詩集 ふらんすへ行きたしと思えども ふらんすはあまりに遠し

2013年08月12日 | 本と雑誌

暑い都市は、色気がありません。

熱い夏、むしろアフリカの砂漠の方が、心ときめきます。


猛暑の中での最高の贅沢・・・。

小職の場合、シャワーを浴び、エアコンの効いた書斎で読書すること。

木製のデスクと人間工学に基づいたアームチェアが必須です。


中でも、朔太郎や中也の詩篇がメインディッシュ。

中学時代から、心を遊ばせる趣味です。


旅上


ふらんすへ行きたしと思えども

ふらんすはあまりに遠し

せめては新しき背広をきて

きままなる旅にいでてみん。


汽車が山道をゆくとき

みずいろの窓によりかかりて

われひとりうれしきことをおもはむ

五月の朝のしののめ

うら若草のもえいづる心まかせに。


萩原朔太郎は、1883年に前橋に生まれ、子どもの頃は秀才。

第5高等学校へ進学するが落第。

第六高等学校も落第、慶大予科中退・・・という波乱の学生時代・・・。

そうした中、彼は都会の中で数々の名作を生み出します。

1942年に肺炎で死去。教科書的には、「日本近代詩の父」と呼ばれているようです。

 

「純情小曲集」「月に吠える」「青猫」「氷島」などの詩集。

十代には、マンドリンにはまったり、カメラに熱中したりと、好奇心のかたまりのような存在だったようです。

東京での作家、文学者との交流、近代化の進むTOKYOでの生活が朔太郎の作風を決定づけたように思います。

 

早く涼しくならないかなあ~。

都市を歩くことが大好きな私にとって、猛暑はまさに敵です。

エアコンの効いた部屋で、朔太郎とともに、心遊ばせたいと思います。


群衆の中を求めて歩く


私はいつも都会をもとめる

都会のにぎやかな群衆の中に居ることをもとめる

群衆はおほきな感情をもった浪のようなものだ

どこへでも流れていくひとつのさかんな意思と愛欲とのぐるうぷだ

ああ ものがなしき春のたそがれどき

都会の混みたる建築と建築との日影をもとめ

おほきな群衆の中にもまれていくのはどんなに楽しいことか

みよこの群衆のながれていくありさまを

ひとつの浪はひとつの浪の上にかさなり

浪はかずかぎりなく日影をつくり 日影はゆるぎつつひろがりすすむ

人のひとりひとりにもつ憂いと悲しみと みなそこの日影に消えてあとかたもない

ああ なんというやすらかな心で 私はこの道を歩いていくことか

ああ このおほいなる愛と無心のたのしき日影

たのしき浪のあなたにつられて行く心もちは涙ぐましくなるようだ。

うらがなしい春の日のたそがれどき

このひとびとの群は 建築と建築との軒をおよいで

どこへどうしてながれ行こうとするのか

私はかなしい憂鬱をつつんでいる ひとつのおほきな地上の日影

ただよふ無心の浪のながれ

浪の行方は地平にけむる

ひとつの ただひとつの「方角」ばかりさしてながれ行かうよ。


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30年後、消える仕事・残る仕事 コンピュータ、ロボットに仕事を取られないために 機械化されないスキル

2013年08月11日 | 本と雑誌

日経ビジネス2013.8.12号の特集は、「ロボット vs 職人社長」。


サブタイトルが、「30年後、消える仕事・残る仕事」。

IT化、コンピュータ化、ロボット化の波は、まさに現代の産業革命・・・いやはや大変な時代になってきました。

昔であれば、ラッダイト運動(機械打ちこわし運動)やストライキなどの抵抗の手段がありましたが、

いまは会社側の「ファイア!(クビ!)」の一言でジ・エンドの時代です。


わたしが広告代理店に新卒で入社した頃、タイプ室というのがありました。

お客さんに提出する請求書や文書を、タイピストが写植のように一字一字拾ってきて組み合わせて印字するという職人芸。

年配の女性が担当しており、先輩のパシリとしてタイプ室に頻繁に出入りしていた私をかわいがっていただきました。

当時は、富士通オアシスのワープロが出始めた頃、しかも親指シフトというガラパゴス的シロモノ。

コンピュータは、メインフレームがあり、IBMのPL-1という言語で動いていました。

タイプ室のこの女性。

自分の仕事がなくなるという危機感の中、空き時間を見つけてはオアシスのマスターに取り組んでいました。

その真摯さ、真剣さに「自分の仕事」という概念を強く意識したことを覚えています。


今回の日経ビジネス誌は、五人の職人と五台のコンピュータが戦うというもの。

「人間」代表は、一風堂の創業者、星野リゾート社長、投資家ジム・ロジャース、宮大工、そしてジャパネット高田社長。

職人が5勝ということで一安心ですが、これから先のことを考えると結構深刻です。


弁護士でさえ、判例分析ソフトや債務整理ソフトで職域が狭まったり、中高の先生もiチューンUなどの出現で人数が減少してくるかもしれないということなのです。

将棋の世界でもプロの棋士がコンピュータに負ける時代・・・。ホントーに大変な状況です。


同誌では、数十年後も「残る」仕事として、四つのカテゴリーに分けて例示しています。

それは、

「ロボットに代替が難しい仕事」

「自動化のニーズがない仕事」

「機械化社会の維持に必要な仕事」

「ロボットがやってほしくない仕事」です。


1.ロボットに代替が難しい仕事

ラーメン職人、パン職人、ソムリエ、映画監督、工芸家、お笑いタレント、金型職人、すし職人、医師、作家、宮大工、落語家など 「職人芸」を極められる仕事。


2.自動化のニーズがない仕事

経営者、政治家、プロスポーツ選手、アイドル、冒険家など いわゆる「人気商売」で人生のアップダウンが激しい仕事。


3.機械化社会の維持に必要な仕事

コンピュータ技術者、ロボット技術者など。コンピュータ、ロボットの開発やメンテナンスに携わる仕事。


4.ロボットがやってほしくない仕事

美容師、理容師、医師、歯科医、看護師、保育士、俳優、キャビンアテンダント、介護福祉士、ケアマネなど 「人間味」ある仕事。


こういった時代の流れを受けて、われわれが意識し行動しなければならないこと・・・。

それは・・・

経営者は、自動化、ロボット化を可能な限り進めることと、ロボットには出来ない業務に人的資源を集中すること。


そして、個人は、どんな職業であれ、機械化されないスキルをひたすら磨き続けることが必須という結論で同誌は結んでいます。


生涯学習が生涯現役に直結する・・・

そんな厳しくも、働き続ける人にとってはヤリガイのある時代になったと考えた次第です。


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東京・銀座 ブランドストリート 世界に誇る魅惑のファッション&アーキテクチャ The GINZA

2013年08月10日 | まち歩き

「銀座」と名がつく地名は、全国に約500か所あるとのこと。


ブランドには、ほとんど縁のない自分でも、世界の著名ブランドが軒を並べる銀座は、魅力的な街。


歴史をたどってみると、1612年に銀貨を鋳造する銀座役所がここに出来たことが起源とされているようです。

明治までは、新両替町と呼ばれており、明治2年に銀座となったようです。

文明開化を象徴する街として、大正時代に入るとモボ、モガが闊歩するストリートに変身。

カフェやダンスホール、柳にガス灯・・・モダンに磨きをかけていくことになります。

銀座三越、松屋、松坂屋のショーウインドが目を楽しませます。


素敵なディスプレイ、見事なプロモーションです・・・ヴィトン

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ファサードが物語を語ります・・・まるでNYにいる錯覚。

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猛暑の中、すでに秋モードに・・・。

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ファッション ファッション ファッション!

シャネル

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資生堂パーラー 素敵なグルメ&ファッションビルです 下は資生堂本社 

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銀座は、建築家がその機能美を競うアーキテクチャの街でもあります。

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アルマーニ 1階では、よくファッションショーをやっています

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機能美とプレゼンスの両立!

資本主義社会の一つの帰結である銀座ストリート。

世界でも、これだけの商業集積エリアは、ないと思います。

たまの銀ブラ・・・まさに屋外の美術館です。


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