いつしか、
文月十八日、万寿菊―prediction
白い蝶、花に燈る。
「…盂蘭盆も終わったのに、なあ?」
オレンジ色ゆれる花壇、その名残に蝶が留まる。
それだけの風景、けれど君の花壇だから想い見つめてしまう。
もう盂蘭盆も終わった、その残骸まだ足もと燻るみたいで。
「送り火とっくに焚いたのになあ…」
ひとり微笑んで下駄の先、苧殻の消し炭に陽が光る。
細やかな黒ちりばめる朝陽、もう2日を過ぎた炎に追いかけたい。
「…未練だって笑うかな、おまえは?」
ほら話しかけてしまう、君の花壇のせいだ。
だってオレンジ色に朝陽が揺れる、一昨日の炎みたいだ。
君を送りだした小さな焚火、ちいさくて、けれどこの心ずっと去らない。
去らない、それだけ逢いたいもう一度。
「あいたいなあ、」
ほら声になる、呼んでしまいたい.
もう一度もっと、もう何度でも君を呼べると想っていた。
想っていたから送り火の残骸まだ片付けない、このまま君を留めて傍にいて?
「…逢いたいよ?」
願い腕を伸ばして指さき伸ばす。
爪ふつり、オレンジ一輪ふれて摘んで花が光る。
君が愛した花壇に咲いた色、その炎ひとつ、無言の残骸に花おちる。
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7月18日の誕生花マリーゴールド
文月十八日、万寿菊―prediction
白い蝶、花に燈る。
「…盂蘭盆も終わったのに、なあ?」
オレンジ色ゆれる花壇、その名残に蝶が留まる。
それだけの風景、けれど君の花壇だから想い見つめてしまう。
もう盂蘭盆も終わった、その残骸まだ足もと燻るみたいで。
「送り火とっくに焚いたのになあ…」
ひとり微笑んで下駄の先、苧殻の消し炭に陽が光る。
細やかな黒ちりばめる朝陽、もう2日を過ぎた炎に追いかけたい。
「…未練だって笑うかな、おまえは?」
ほら話しかけてしまう、君の花壇のせいだ。
だってオレンジ色に朝陽が揺れる、一昨日の炎みたいだ。
君を送りだした小さな焚火、ちいさくて、けれどこの心ずっと去らない。
去らない、それだけ逢いたいもう一度。
「あいたいなあ、」
ほら声になる、呼んでしまいたい.
もう一度もっと、もう何度でも君を呼べると想っていた。
想っていたから送り火の残骸まだ片付けない、このまま君を留めて傍にいて?
「…逢いたいよ?」
願い腕を伸ばして指さき伸ばす。
爪ふつり、オレンジ一輪ふれて摘んで花が光る。
君が愛した花壇に咲いた色、その炎ひとつ、無言の残骸に花おちる。
万寿菊:マンジュギク、フレンチマリーゴールドの和名。花言葉「予言、嫉妬、絶望、別れの悲しみ、可憐な愛情、勇者」
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