隣が温かい、

文月二十一日、合歓木―Hypnos
朝、君の寝顔を最初に見れるなら。
そんな願いごと幾夜に消えて今、シーツの波があたたかい。
青くつもる波やわらかな闇、長い睫の底に君が眠る。
「…おやすみ、」
唇こぼれて闇にとける。
カーテンひそやかな光にシーツ波うつ、空も月に雲ゆくのだろう。
あかるい夜ふる青い闇、まどろむ静謐に寝息やさしい。
やわらかな音、あまい小さな香、どちらも君の唇。
「ほんとなんだ、な…」
つぶやいて見つめて、現実に夜は香る。
まどろむベッドに君がいる、かすかな甘い香、シーツの波に黒髪が光る。
波うつ青色なめらかな髪、はえぎわ白い肌あわい紅潮、きれいで鼓動ゆらされる。
「ふふっ…」
笑ってしまう自分の鼓動に、だって可笑しい。
こんなふう毎晩いつも揺らされるのだろうか、そうしたら自分の心臓どうなるのだろう?
こんなこと考える全て幸せなのかもしれない、きっと。
「しあわせ、だね…」
微笑んで寝顔を見つめて、瞼ゆるやかにシーツ埋む。
何もない視界やわらかな音、あまい小さな香、やさしい吐息かすかな風。
今きっと僕の髪にも月はふるのだろう、あわい青い闇ゆれる波間、なめらかな黒髪きっと僕の髪ふれる。
そうして目覚めて最初、君の寝顔に朝を見る。

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7月21日の誕生花ネムノキ

文月二十一日、合歓木―Hypnos
朝、君の寝顔を最初に見れるなら。
そんな願いごと幾夜に消えて今、シーツの波があたたかい。
青くつもる波やわらかな闇、長い睫の底に君が眠る。
「…おやすみ、」
唇こぼれて闇にとける。
カーテンひそやかな光にシーツ波うつ、空も月に雲ゆくのだろう。
あかるい夜ふる青い闇、まどろむ静謐に寝息やさしい。
やわらかな音、あまい小さな香、どちらも君の唇。
「ほんとなんだ、な…」
つぶやいて見つめて、現実に夜は香る。
まどろむベッドに君がいる、かすかな甘い香、シーツの波に黒髪が光る。
波うつ青色なめらかな髪、はえぎわ白い肌あわい紅潮、きれいで鼓動ゆらされる。
「ふふっ…」
笑ってしまう自分の鼓動に、だって可笑しい。
こんなふう毎晩いつも揺らされるのだろうか、そうしたら自分の心臓どうなるのだろう?
こんなこと考える全て幸せなのかもしれない、きっと。
「しあわせ、だね…」
微笑んで寝顔を見つめて、瞼ゆるやかにシーツ埋む。
何もない視界やわらかな音、あまい小さな香、やさしい吐息かすかな風。
今きっと僕の髪にも月はふるのだろう、あわい青い闇ゆれる波間、なめらかな黒髪きっと僕の髪ふれる。
そうして目覚めて最初、君の寝顔に朝を見る。

合歓木:ネムノキ、花言葉「歓喜、胸のときめき、繊細、夢想、想像力」


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