よっちゃん農場のドタバタ日記

「よっちゃん農場」の日常。
 ~いち農家から小さなブランド作りの奮闘記~~

高知・白木谷へ。

2018年05月19日 | 農家の風景。


日中は強風だったけれど、夕方山帰りは気持ちいい雨上がりの空。

この空気が一番気持ちよく、好きだ。チョビもご機嫌で畦を散歩。












今週は鬼の忙しさだった。

初めて挑戦した通販向け、生出荷、水煮の出荷ピーク。

時間との戦いでもあり毎日精神的にも痺れる1週間でした。

お世話になった石巻元気商店・佐藤さんのおかげでだいぶ出荷の際の手間を省く体制をとってもらったものの、

初体験のルーキーらしくミスもしてご迷惑をおかけしました。

山の状態も最盛期から峠を越えて終盤。生出荷が間に合ってよかった。

水煮も想像以上に出て未だに一般販売用の在庫がない状態。明日からが勝負です。

振り返ると道の駅を中心とする販売は一昨年の表年と同じくらい。






やはりケモノ害が多くて、他より採れ始めが早かったのに思うように出荷できなかったのは大きい。

待ってくれる他の小売店も、欲しいタイミングの時にケモノも大群で来るので機会を損失してしまった。

しょうがないというのは簡単だけれども考えないとならない深刻さだ。






そんな中でも、努力は裏切らない。と今日はしみじみ。

竹は混みすぎたやぶ状態だと、最初はここ、次はこのポイントと低いところから順々に“点”で盛期のポイントが移っていく。

けれど、ちゃんと手を入れ間伐したところは出るのも早く、この終盤でもまだまだ勢いが衰えずに芽を出してくる。

これはすごい結果だな〜と思う。心折らずに続けようと思う。




そんな筍どっぷりな中、週初めに高知に行ってきました。

昨年、無印良品のレトルト商品を手がけるにしき食品からお話を頂いて手がけた「干しタケノコ」。

今回にしき食品の会長からお声がけ頂き製造現地の視察に同行させて頂きました。

行ったのは高知の南国市・白木谷。














震災後にご縁を頂いて初めて訪れたときに感動したのが「田舎ずし」でした。

寿司というと海のイメージですが、高知では山の山菜や畑の産物も上手に利用して食べる文化があり、

今回の干しタケノコも、長く伸びすぎたものをわざわざ収穫して、というのではなく、

もともと伸びすぎたものの穂先をちゃんと塩蔵して家で食べたりお寿司屋さんに販売したりという文化があっての始まり。

加工の行程もじっくりと見て聞いて話して学べました。気づけばあっという間の4時間の滞在時間でした。

生産現場の方と話すのは楽しいし、一番なんというのかわかりますね。やはり。

視察したのはウン千万かかったという加工場ですが、

もとからタケノコの産地だったのだけれど、若者がどんどん減り、高知は山も急斜面で作業もきつく、

タケノコ掘りをしなくなった。けれど、このままでいいのかと集落で話合いやはり、

ここの魅力はタケノコでしょー!もう一度「関わりたい!」と思ってもらえる地域にしたい!

という想いから後継者の有無に関係なく補助も頂きながら集落のみんなでかなりの額を出資して今の加工場が出来あったという話は、とても腑に落ちました。

なんの商品を作るにせよ、出口の単に「形を整えるだけ」というのは面白くもなんともない。


そういうところを感じられたのがいちばんの収穫でした。



高齢の方も元気で明るく、若い方も今年から混じって楽しい現場視察でした。



四方竹の竹林もお見事。この棘は背中かき作ったらちょうど良さそうなくらい硬い。独特の形です。


今月も終盤。

これから気を引き締めて水煮を作りまくります!まだまだタケノコ続きます!