パンドラの鐘

20年以上前に豪華キャストで野田演出と蜷川演出があり、一昨年も芸術劇場で観た作品。今最も注目されている杉原邦生が演出。杉原演出はギリシャ神話、現代劇、歌舞伎と観てきている。若い輝く才能だ。

古典芸能の知見も活かし、和洋が上手く混ざり、時空を超えるのを上手く表現。役者も言葉をきちんと発している。

贅沢な役者陣。成田凌は前回は朗読劇で観たが、満を持しての舞台。存在感もあり、声にも張りがあり、良い役者になるだろうなと予感させる。葵わかなも堂々としており、成長が楽しみだ。脇は抜群の安定感の俳優ばかり。

面白かった。

シアターコクーン

作:野田秀樹 演出:杉原邦生

 

出演：

成田 凌　葵わかな

前田敦子　玉置玲央　大鶴佐助

森田真和　亀島一徳　山口航太　武居 卓

内海正考　王下貴司　久保田 舞　倉元奎哉　米田沙織　涌田 悠

柄本時生　片岡亀蔵　南 果歩　白石加代子

新宿梁山泊 第72回公演「下谷万年町物語」

満員であった。熱気が凄い。観客は昔、赤テントに集った団塊の世代と今アラサーの演劇好きの若者が半々で、間の世代はあまりいない。もともと決して分かりやすいとは言えない芝居を3時間半を2時間半にしているので、分かりにくさはある。

キティの蜂谷眞未、陽一の二條正士、文ちゃんの中嶋海央と核の若手三人は身体能力も高く、演技もしっかりしている。

六平の存在感は凄い。大鶴義丹は、原作者の縁故者枠という感じか、（笑）。

東京都 花園神社境内 特設紫テント

作：唐十郎
演出：金守珍
出演：金守珍、六平直政、大鶴義丹、広島光、松田洋治、佐藤正行、宮原奨伍、藤田佳昭、キンタカオ、蜂谷眞未、清水美帆子、紅日毬子、二條正士、宮澤寿、中嶋海央、柴野航輝、田中周平、松嶋健太、本間美彩、河西茉祐、星野李奈、長山知史、北野秀気、佐々木穂高、田中廉、熊木理太

てなもんや三文オペラ

プレヒト作品を鄭が舞台を日本にして再構成。非常に彼らしい芝居となっている。純粋のオリジナルと、リアリティと迫真力があるが、置き換えの作品でも、原作を上手く利用して、彼の世界、主に大阪の庶民が描かれる。

今回は、生田斗真が主演で、見目が麗しくないジャニーズファンが多く駆けつけ、客席は微妙であった。生田はダンスはそこそこで、歌はどうってことない感じ。ウエンツも何ができるのかという感じはした。渡辺いっけい、根岸季衣、福田転球という芸達者が脇を固めた。鄭が表現したかったのは最後のシーンであろう。生田を起用することでジャニーズファンが来ることは想定内で、彼らに戦争とか平和とか歴史を訴えたかったのだろうなあと思った。

作・演出：鄭義信
原作：ベルトルト・ブレヒト
音楽：クルト・ヴァイル
音楽監督：久米大作
出演：生田斗真、ウエンツ瑛士、福田転球、福井晶一、平田敦子 / 荒谷清水、上瀧昇一郎、駒木根隆介 / 妹尾正文、五味良介、岸本啓孝、羽鳥翔太、大澤信児、中西良介、近藤貴郁、神野幹暁 / 根岸季衣、渡辺いっけい
演奏：朴勝哲

六月歌舞伎第二部

結構若い人が多い。染五郎人気だろうか。

信康は、初めて観た。染五郎は熱演ではあるが、憑依しておらず、まだセリフに説得力が今一つというか。現段階では十分の出来ではあろうが、敢えてもっと期待したい。他は、皆、しっかりと脇を固めていた。

勢獅子、梅玉が休演で、演出を変えて、残りの布陣で。獅子の中に入っての熱演は大変だとは思うがよくやっていた。松緑には申し訳ないが、特別の踊り巧者がいるわけでもないのだが、賑やかな演目なので雰囲気で見せる部分がある。

歌舞伎座

田中喜三 作

齋藤雅文 演出

一、信康（のぶやす）

岡崎城本丸書院の場 二俣城外の丘の場 二俣城本丸広間の場

徳川信康 松平康忠 平岩親吉 本多重次 大久保忠佐　 大久保忠泰 御台徳姫 鵜殿又九郎 奥平信昌 大久保忠教 酒井忠次 天方山城守 大久保忠世 築山御前 徳川家康

染五郎 鴈治郎 錦之助 高麗蔵 坂東亀蔵 廣太郎 莟玉 歌之助 橘三郎 宗之助 錦吾 桂三 友右衛門 魁春 白鸚

二、勢獅子（きおいじし）

鳶頭 鳶の者　 鳶の者 鳶の者 鳶の者 手古舞 芸者 芸者

松緑 坂東亀蔵 種之助 鷹之資 左近 莟玉 扇雀 雀右衛門

奇人たちの晩餐会

客席は一階の良いところだけ埋まってる感じで今一つの入りだった。

達者な役者が膨大なセリフを2時間以上にわたりまくしたて、それなりに楽しめた。しかし、文化の違いと言うか翻訳というか、「ばか」とか人を馬鹿にするような趣向とか、あまり馴染めない感じは残った。

世田谷パブリックシアター

作　フランシス・ヴェベール

翻訳　岩切正一郎

演出　山田和也

出演

片岡愛之助、戸次重幸、水夏希、原田優一、野口かおる、坂田聡、大森博史