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Pretenderの備忘録

「経済成長」の起源

2024-03-31 20:56:00 | 読書
豊かな国、停滞する国、貧しい国 マーク・コヤマ、ジャレド・ルービン著 草思社2023

400ページの大部の書。
第Ⅰ部では、「世界はどのようにして豊かになったのか?」とうことで、地理、制度、文化、人口、植民地について論じている。因果関係がありそうだが、倫理的に正しいとは限らないとの議論がされる。第Ⅱ部では「真っ先に豊かになった国、それに続いた国、そして貧しいままの国 その違いはなぜ生じたのか?」ということで、北西ヨーロッパ、産業革命、工業化、後発国、世界は豊かであるということで実例が論じられる。

マルクス的な進歩史観なのかなと思うとそうでもなく、左派歴史学者としての見解を取り上げても、やや否定的だったり。また、今後について楽観的で、テクノロジーと成長で問題は解決できるとする。著者の考えが今一つわからない。
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バッハ・コレギウム・ジャパン 第160回定期演奏会 受難節コンサート2024「マタイ受難曲」

2024-03-30 19:42:36 | 音楽 Classic
イースターの土曜日に、マタイ受難曲を。
ほぼ満席。鈴木はチェンバロを演奏しながらの指揮。
歌手陣も充実。
2000円のプログラムを買わないと、進行はよくわからないが、(笑)。

クリスマスシーズンに米国で天地創造を聴いたり、今日みたいにイースターにマタイを聴いたり、やっぱり自分は日本人だなと感じる。感情移入はできない。


出演
鈴木優人(Cond)、ベンヤミン・ブルンス(エヴァンゲリスト)、ハナ・ブラシコヴァ/松井亜希(Sop)、アレクサンダー・チャンス/久保法之(Alt)、櫻田 亮(Ten)、加耒 徹/マティアス・ヘルム(Bas)、バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱と管弦楽)

曲目・J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV244
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ショスタコーヴィチの室内楽

2024-03-29 23:55:27 | 音楽 Classic
なかなか聴く機会がない、特にビオラ。
若手実力派がそろった。
上野は力強く、ちょっとねじ伏せる感じもあるが、緩急つけた演奏。周防、田原は、現代曲っぽいソナタをそつなく。すべてで伴奏した北村が本日のMVPだろう。

東京文化会館 小ホール

出演
ヴァイオリン:周防亮介
ヴィオラ:田原綾子
チェロ:上野通明
ピアノ:北村朋幹

曲目
ショスタコーヴィチ:
 チェロ・ソナタ ニ短調 op.40 [試聴]
 ヴァイオリン・ソナタ ト長調 op.134 [試聴]
 ヴィオラ・ソナタ ハ長調 op.147

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令和6年3月文楽入門公演 「BUNRAKU 1st SESSION」

2024-03-29 18:49:22 | 能・狂言、文楽
回数が多く、キャパがあるというのもあるが、もう少し入って欲しかった。ターゲットの外国人や日本人の文楽初めてみたいな人は少なかった。

いとうせいこうの解説は良かった。広くそこそこ深く、大したものだ。
背景にアニメを使った文楽も良かった。映像が動くので新しい可能性を感じる。コストを考え、SDGSも考慮すれば、こういう方向に行くのではないか。大道具さんの雇用もあるが、減ってきているのだろう。
びわ湖リングで、オペラに映像を使うというのをミヒャエル・ハンペがやって、賛否両論があったが、私は面白かったと思う。

文楽は、背景に映像を使うものと、杉本文楽のように贅を尽くすものに二極化するのかもしれない。




有楽町読売ホール

解説 ブンラク・ワン・オー・ワン
ナビゲーター:いとうせいこう

近松門左衛門=原作
文楽 曾根崎心中(そねざきしんじゅう)
 天神森の段
  脚本・作曲=野澤松之輔
  振付=澤村龍之介
  映像監修=桐竹勘十郎
  映像美術=男鹿和雄
  映像制作=山田晋平
  映像制作協力=でほぎゃらりー

-出演-
豊竹藤太夫
豊竹靖太夫
豊竹咲寿太夫
鶴澤清志郎
鶴澤寛太郎
鶴澤清允

吉田玉助
吉田簑紫郎
吉田玉翔
吉田玉誉
桐竹勘介
吉田玉峻
吉田玉延
吉田玉征
豊松清之助

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メディア/イアソン

2024-03-28 22:24:28 | 芝居・ミュージカル・バレエ
メディアの憎しみをわかりやすくするために、イアソンとの恋の前史をつけて上演するという試み。歌舞伎で有名場面だけやる見取り狂言というのがあるが、前後をわかりやすくするために通し上演というのがあり、それに似ている。まあ異なる二つの作品を繋げるわけで、脚本家は大変だったろう。
ギリシア悲劇に井上芳雄や南沢奈央が挑戦するというのもチャレンジ。たった5人で、他の三名は様々な役を。
井上も南沢も全力投球だったし、ポストトークでそれは確認できた。しかしながら、井上がギリシア悲劇で、嫌な男の役をというのは、やはり無理があるかなあと思った。南沢も、怨念の凄まじい女性というのもなんか違和感。
チャレンジとしては面白いし、二人ともこれを機に幅が広がればいいのではないかと思った。


世田谷パブリックシアター

【原作】「アルゴナウティカ アルゴ船物語」作:アポロニオス 翻訳:岡道男
    「メデイア」作:エウリピデス 翻訳:中村善也
【脚本】フジノサツコ
【演出】森新太郎
【出演】井上芳雄 南沢奈央 三浦宏規 水野貴以 加茂智里

【ポストトーク】井上芳雄 南沢奈央 白井晃
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