あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

シカ!

2012-09-11 23:55:07 | 生き物
 新聞の投書に、「あまりにも低速で走る車は・・・・」というのがありました。制限速度50キロの道を40キロあるかなしかで走るのは、後続車のいらいらを募らせるというものですが、それと同じことがわたしにもありました。

 日曜日、桜三里を通ったときのこと。
 わたしの2,3台前の車が40キロあるかなしかでトロトロと走っています。私の後ろにはすでに10台近くの車の行列ができています。
 道路の制限速度は50キロ、カーブを曲がる度に30キロ台にスピードを落とされたのではねえ~。カーブといっても時速60キロでも曲がれる緩いカーブばかりなんですけど。峠を抜ける10キロメートルばかりの道のりはほとんどが追い越し禁止です。
 こういう車に限って道路脇の空き地によけるということをしてくれません。もう、バックミラーを見る余裕もないのかしら・・・・ わたしのいらいらは募るばかり。

 でも、こののろのろ運転がなかったら、この出会いはなかったかもしれません。

 ああ、あそこによける場所があるのに。と、山際に目をやったとき

 はっ! しか!?

 わたしはとっさにハンドルを切って、反対車線の側にある広場に車を突っ込みました。 そして、いそいでカメラを持ち、今小さな動物がいたところへ歩いて行きました。
 犬でもいのししでもないよね。確かに背中に白い斑点があった、草を食べてた、あれはきっと子鹿にちがいない。

 それはまだ同じ場所にいました。柔らかな毛が、雨に濡れてぼそぼそとかたまっています。まちがいない、子鹿です。

 あ、気づかれたみたい。 



 じっとこっちを見ています。もう少し近づいてもだいじょうぶかな?



 2車線道路の反対側にいますので、これが限界ですね。

 子鹿は逃げるふうでもなく、じっとこちらを見つめたまま動きません。

 あんたはどうしてここにいるの? お母さんはどうしたの? 
わたしはシカの生態をよく知っているわけではありませんが、この小ささならまだ母親から離れる年ではないと思います。そして母親と一緒なら、こんなに人目につく場所に出てこないと思います。それともすぐ近くの見えないところに母シカがいたのでしょうか。

 毎日のように幼い子に接しているばあちゃんとしては、人であれ、動物であれ、大人の保護と愛がなければ生きていけないほどのいたいけな幼子が、一人でえさを食べているのを見ると、もうたまりません。けなげというにはあまりにも頼りなく、かといって哀れという言葉にはふさわしくないように思えました。
 このまま抱き上げて車に乗せたらおとなしくついてくるんじゃないか、でも、野生動物を勝手に飼っちゃいけないのよねえ。

 そこから道に飛び出すんじゃないよ。野良犬に見つからないようにね。大きくなっても、その辺の木に悪さをして人間に撃たれるんじゃないよ。

 わたしは心の中で子鹿に語りかけました。 
 わたしが何もしないことがわかったのか、やがて子鹿はまた草を食べ始めました。



 その間5分くらいだったでしょうか。私の目の前を、何台もの車が猛スピードで走っていきました。子鹿の前も走っていきました。それでも子鹿は動きません。また、通る車はどれも子鹿に気づいた様子はありませんでした。わたしもあのスピードで走っていたら、子鹿に気づかなかったかもしれないし、気づいたとしても、車を停めることはできなかったでしょう。
 のろのろ運転で良かったー生まれて初めて思いました。


おまけの画像
 車に乗ろうとして、ここにもセンニンソウがあるのに気づきました。
 いや? センニンソウとは違うみたい。


 隣にセンニンソウも咲いていましたから、比べるとよくわかります。


 4枚の花びらが長いのがセンニンソウ、葉っぱは山芋の葉のようにつるんとしています。はっぱにきれこみがあって、花びらも短いこの花は?
 

 白い花は全部センニンソウと思っていたのですが、どうも、2種類の花があったようですね。のろのろ運転がもたらしてくれた、もう一つの出会いでした。 



 

  
コメント (10)
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