四国カルストでの大渋滞にもかかわらず、わたしたち機嫌良く帰って来ました。そのわけは、林野庁の森の巨人たち100選に選ばれた大トチを見ることができたからです。そもそもこれが目的で行ったのですから。道を間違えなかったら、大渋滞も避けられたかも?
牧場の中の道を案内に沿っていくと車が数台駐まれる場所に出ました。車道はここで行き止まりです。
「駐車場があって、看板があって、そこからちょっと歩いたところ・・・」
娘の言うとおりでしたが

ちょっと歩く?

駐車場から湧水まで遊歩道で800メートル
そこから山道を1200メートル
合計2キロもある!
ただ、看板には足元が悪いと言うだけで、登山道とは書いていませんでした。わたしは一番歩きやすいウィーキングシューズ、他のものは全員スニーカー。多分行けるんじゃないかな? 片道4キロ歩いた経験もありますしね。
最初っから下りです。(写真は帰り道に見上げたところ)
あの、上の方から下りてきました。

遊歩道というとおり、木の階段が整備されていました。だけど段差が大きくて、これを下りるのはきつい。
どこの森にも苔むした倒木はありますね。朽ちていく姿も美しいといつも思います。

遊歩道と言うだけあって、主な木々には名札がついていましたが、皿が峰でもそうだったように、ひっくり返るほど体を反らさなければ全体を見ることはできません。
ミズメ

クマシデ

ケヤキ

これもケヤキ?

なぜ、こんなこぶこぶができるのでしょう。

木肌だけで名前を覚えるのはむずかしいです。
先先行く子どもたち。生き物を見つけるのが早い。
山のカエルは枯れ葉に似ていました。


赤い蛇もいたそうですが、これは逃げられてしまいました。
湧水に着きました。
小さいT君とママはここで引き返し、車で待ってくれることになりました。お兄ちゃんはわたしたちと行きます。

岩の割れ目から湧き出した水は、パイプを通って下の方に流れ落ちていました。

ここで上から下りてきた中高年の一行とすれ違いました。私とさほど変わらない年格好の女性もいました。皆さん大トチを見てきたと言うことです。完璧な登山装備でした。
あらぁ、わたしたち軽装過ぎるかしら。何しろ「ちょっとだけ歩く」つもりで来たんですから。いやいや、ちゃんとアウトドアにふさわしい格好はしてたんですが、靴だけがー
登山靴ではなくお気に入りのウォーキングシューズでした。
(道のりは)あと半分くらいですよと励まされて、軽装で歩き始めました。結局、登山靴を履くほどの道ではなかったです。
白い石ころの道。石灰岩です。


庭に置いたらきれいでしょうね。


積み上げた石も白

その白い石が見えないほどの苔


生き物にはめざとい子どもたちも、植物は素通りです。
トリカブトかな?

下の方に見えた、テンナンショウかその仲間の実。もちろん子どもたちは素通り。


オヒョウ

岩を抱いている?
サワグルミ

この木の下にいっぱい木の実が落ちていて、中身があまりありませんでした。これってクルミ?と思ったのですが、さすがにこれはちがうでしょう。



一つ拾って帰って調べましたら、トチのみでした。トチのみせんべいをたべたことがあります。これがそうだったのか。たくさんのトチのみが落ちているのを見て、やっとこのあたり一帯がトチの林なのだと気づきました。
この辺りに来ると、笹倉湿原に似た雰囲気になってきました。

空が透けて見えます。下の方から子どもたちの賑やかな声が聞こえてきました。目的地はここを下ったところのようです。行って見ると開けた窪地がありました。その感じが、笹倉湿原に似ていたのです。
結局わたしたち、上ったのか下ったのか? 看板通りアップダウンはありましたが、どちらかというと森の中を下ってきたような気がしました。
まん中に1本の大木が






これが猪伏の大トチでした。愛媛県では唯一この大トチが選定されているそうです。
樹齢600年。
風雪に耐えて生きてきた姿は、本当に巨人のように堂々と、威厳すら感じました。
周囲の木々もまた古木の風格を持つものばかり


わたしたち以外、他に人はおらず、この静けさを堪能して帰路につきました。
2キロの山道というものの上り坂で多少息切れがしたくらいで、ちょうどいいハイキングだったと思います。ただー
靴は登山靴の方が疲れにくかったかなあ。時々ですが、わずかに地面を滑る感触があるのです。そのためか、足の疲れ方が違うと感じました。昔痛めた足首にも、違和感を覚え出しました。
歩き慣れてきた子どもたち、最後にはトレイルランのようになったそうです。わたしは例によってあちこちきょろきょろ。
緑の中に赤い実がきれい。

そして藪の中で鳴いていたこの鳥を写すためにしばらく動かないで粘りました。

これってウグイスなの?
これまで何度か山歩きをして、写真を撮ると意外と時間を食うものだとわかり始めました。が、その立ち止まってシャッターを押す短い時間が、私にとっては小休止の時間。休み休みでゆっくりと歩く・・・わたしはまだそんなレベルなんです。