と~ま君の部屋

楽しい老後を送りたいとやっています。所詮人生回り道。修士(人間学、仏教学)。ぼけ防止・脳のリハビリでやってるブログです。

広瀬淡窓先生

2010年06月16日 06時09分33秒 | 先公ごっこ2008年から2012年
 江戸時代の学者という方々は、実に興味深いものであります。

 細井平洲先生がわたくしには一番であります。母校をつくってくださった先生でもあります。もっともこちらの方は上杉鷹山ということにもなりましょうか。また、岩波の日本思想大系でもその著作にふれることができます。教育の根本について言われています。

 吉田松陰先生にも興味があります。茅屋の和室床の間に先生の掛け軸を掲げております。俊秀松陰先生の心意気を学びたいものであります。

 地元では大原幽学先生であります。この方もまたその碩学たるや、雲の上の方であります。

 江戸時代の学者は多く私塾を作っておられる。
 
 緒方洪庵先生の適塾も見に行きました。
 ここで福沢諭吉先生が学ばれたのは有名な話です。
 福翁自伝はなかなか面白い。
 2年前に終業式でその一部を印刷して配布、そのことについてお話をさせていただきました。
 3年生しか覚えていないでしょうけれども。




 最近、博多の親戚に用事があって、その帰途に大分県日田市の広瀬淡窓先生の私塾咸宜園(かんぎえん)に行って参りました。校長から在校生への語り掛け動画でも淡窓先生のことは紹介してあります。

 「人材を教育するのは、善の大なるものなり」とおっしゃっているのです。まったく同感であります。

 淡窓先生は、その生涯を通じて、この「善」という言葉に非常にこだわりをみせています。案内所にあったしおりにいろいろなことが書いてありました。むろん関係の書籍もわたくしは集めて拝読させていただきました。

 例えば、淡窓先生は『万善簿』というものをつけておられた。その日に行った「善行」と「悪行」を帳面に記載する記録でありました。「善行(善い行い)」と「悪行(悪い行い)」を毎日帳面に記載し、月末になると、その帳面につけた「善行の数」から「悪行の数」を差し引いて集計しておられた。

 いわゆる『万善簿』とは、善行から悪行を差し引いた、純粋な善行の数が一万回になるのを目指して行われた淡窓先生独自の業のことであります。常に己の生活を戒めることを忘れなかったのであります。見習いたいことであります。ともすると他者批判ばかりして、自省をすることがおろそかになっていないかと、わたくし自身猛省しなくてはなりません。



 淡窓先生を知ったのは次の漢詩からでありました。

休道他郷多苦辛

同袍有友自相親

柴扉暁出霜如雪

君汲川流我拾薪



道[い]うを休[や]めよ
他郷苦辛多しと

同袍[どうほう]友有り
自[おのず]から相い親しむ

柴扉暁に出[い]づれば
霜 雪の如し

君は川流を汲め
我は薪[たきぎ]を拾わん


(訳)
よその地へ来て苦労が多い、などと言ってはいけない。
仲の良い友だちが出来て、親しみ合うではないか。
朝早く、柴の戸を開[あ]けて外へ出ると、雪のように霜が降りている。
さあ、君は川の水を汲んで来たまえ。僕は山で薪を拾って来よう。


 塾での共同生活の一コマです。塾生同志の暖かい心の通いが、互いに分担して朝の食事の仕度をする場面であります。学ぶことの厳しさが伝わって参ります。

 また、道[い]うを休[や]めよ 他郷苦辛多しと・・・という部分はまったくわたくしの人生の指標でもありましたから。本当に、参上したい史跡でありました。
 
 案内所がありましたので、料金を問うと無料でありました。
 
 そして、案内所におられた謹厳たる古武士のような紳士に案内されて入り口から入りました。
 和室で、なんと正座をしてご説明をいただきました。
 手には、岩波文庫の「大学・中庸」がありました。
 恐縮して、わたくしも正座をしてお話を拝聴いたしました。
 いいものです。
 こういう古武士のような方から、広瀬淡窓先生のことを聞かせていただくのですから。
 私塾咸宜園の教育システムというものをとくと拝聴させていただきました。

 また論語について素読を授けていただきました。
 わたくしの祖父の読み方とちょっと違っていましたので、妙な顔をしていたのがおわかりになったのでしょう。逆に質問されました。参りました。こういうところで知ったかぶりをしてもなにもなりません。他流試合をしにきたのではありませんから、ね。

 日田市の方々は、広瀬淡窓先生を心から尊敬しているのだということが伝わって参りました。世界遺産にもしたいとおっしゃっていました。応援したいものであります。

 タクシーを予約してありました。
 ドライバーが、「ここの説明をしていた前の人がわたくしの叔父なんですよ」とおっしゃっていました。皆それぞれに広瀬淡窓先生のことを誇りにしているのだと気づかせていただきました。ありがたいものでありました。

 歴史と伝統がここにも息づいておりました。
 本当に日本という国はいいものであります。教育を大切にしているという点において。


 本校も頑張りましょう!


 またお目にかかりましょう。


















 
コメント
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光こそ、すべての源という気がするのだが

柔道をやると~ま君

サンスクリット般若心経

高齢\(^_^)/