嘉納治五郎先生には、心身錬磨ということで本当に学ぶこと多しであります。所詮素人柔道でありますから、多くを語ることができません。知ったかぶりをしていたら笑われてしまいます。されど、嘉納先生の書籍を読むことだけならいかに懶惰なわたくしでもできそうです。毎日、先生の大系本から一冊を手にとっては拝読しています。生きていらしたら、講道館で直接お話をいただきたかったものだとしみじみ思います。わたくしの講道館通いは20歳前後のことでしたから。
先日NHKでハーバード大学の教授の先生の授業を録画した番組がありました。非常に興味を持ちました。「ハーバード白熱教室」という全12回の番組でありました。特に議論の方法が素晴らしい。マイケル・サンデス先生のを見せていただきました。引き込まれます。もっとも、相手をしている学生の質も凄いのでしょう。前半は先生のちょっとしたお話があって、それから始まりました。これが実に凄い。
何を一人で感心しているのかと言われそうです。
授業というのは、討論を志向するということを聞いたことがあります。そうかもしれないと思います。だからです。このNHKの番組に興味を持ったのは。
ハーバードの先生は、対話法に実に長けておられる。事実、ソクラテスなどを例話に出しておられました。うなりました。さすがに、さすがにでありました。こういう議論に鍛えられているアメリカの俊秀たちは幸せであります。ひるがえって日本はどうでしょう。感情論ばかりがはびこっていないでしょうか。これ以上は書きませんが、どうもそんな気がしてなりません。
アメリカはイヌワシのような生き方も許容されるのでしょう。日本はどうでしょうか。困難なことなのでしょうか。
嘉納治五郎先生はどうだったのでしょうか。いろいろなことを想像しています。技は姿三四郎と言われた西郷四郎先生、文献研究を専らにされた富田先生、鬼の横山と言われた横山先生等々。どうも分業体制であったのかとも、あるいは弟子たちの個性を見極めていろいろな指示を出しておられたのかと思います。
実にこのあたりは楽しい想像です。
今の筑波大学の前身を作られた方で、校長先生でもあったわけですから、実に優れた組織マネジメントの実践者であったのでしょうか。今ではもう何とも言えませんが。
またお会いしましょう。