単純に比較対象をするということは実は非常に危険なことであります。
これについては、本当にいろいろな体験をさせていただきました。能力しかり。筋力しかり。美醜しかり。幸いなことに、わたくしはそのどれもが、なんにも無い。これは本当に幸せなことであります。比較する相手がいないからであります。相手にしていだけなかったというのが真相ではありますが。
今日は、来客がありました。午後から、PTAの方々との行事を予定しておりましたので、時間を計算しながらいろいろとお話をさせていただいておりました。人間関係論としては、そういう計算をしながら相手をしていてはいかんのです。わたくしの最も忌み嫌うところであります。
打算を嫌うからです。メリットとか、デメリットとか、マスコミでも十分登場してきますが、そんなものが人間関係の基盤にあるとしたら、いかがなものかとずっと思ってきたからであります。メリットがなければ友人にならないというのでは、これは打算そのものではないでしょうか。
わたくしの基盤にあるのは、在校生諸君のみ。
生徒のために何をすべきか、なにが生徒のためになるかということだけ。
これだけは声を大にして申し上げたい。
だからこそ、県立銚子に進学していただきたいと思っておるのです。
これは、江戸時代の藩校や、私塾、寺子屋の先生方を研究してきたからなのかもしれません。江戸時代の日本は、世界に冠たる教育立国でありました。ですから、日本は教育が最も重要な国家的な事業であるわけであります。
月刊高校教育に本校を紹介していただいて、次の号に、なんと幕末の英才橋本左内を二代目の校長にいただく高校が紹介されました。わたくしは、もっともっとそれだけの価値ある高校にならんといかんとしみじみ思いました。
「学問、健康体力、人間の器量」の向上を本校は訴えております。
この三点があれば、十分世の中で通用する人間になると確信しております。それが、長年にわたるわたくしのささやかな江戸時代の教育を学ばせていただいた結果であります。
来月、ご縁をいただいて、あるところで小学生にちょっとだけお話をさせていただくことになりました。
大分県日田市で、私塾咸宜園を開いて徹底的に教育を行った広瀬淡窓先生について、かれの漢詩について紹介させていただくことになりました。入門者は4,000人以上に及び、高野長英、大村益次郎、清浦奎吾などが門下から輩出しました。あるいは多くの幕末の英雄を育てた方であります。小学生ですからあまり難しく申し上げても、無理が先に立ちます。わかっていただくように、やさしく丁寧に接したいと思いますが、これがなかなか難しい。なにしろ、わたくしは丸坊主でありますし、声も太い。歩き方も良くない。良寛さんのように優しくできないだろうかと常々思っているくらいですから。うえ~んと泣き出されたらこれは困ったことになるわいと、今から悩んでおります。
これもわたくしの不肖なる生き方の結果であります。これから、せいぜい人格改造に取り組むしかないようです。もう遅いのかもしれませんが。
今日も勉強しましたか?
がんばりなさいませ。
また来週!