松平忠輝という殿様を調べております。
実に興味深い方であります。『捨て童子 松平忠輝』 作:隆慶一郎という小説を読んでからです。今日、読了しました。
父の家康公に疎んじられて、生き方もあまり幸福とは言えなかった方であります。
しかしながら、安定期の英雄の生き方ということで、実はかわいそうでもあります。
あまり英邁な素質を持っておると、平和の時期には警戒されるようでもあります。
そうした時代に生きることの不幸を背負った方でもあるというように小説には描かれておりました。
なぜこんなことから書き始めたかというと、人間には情勢適応型と言えば格好がよろしいのですが、そういう方が増えておられるということを最近しみじみとマスコミを通して、拝見するからであります。だから何を感じたのか、考えたのかについては書いてはいけませんから、書きません。しかし、ある種の哲学を持って生きることは、非常に重要な気がするのであります。自分自身への戒めでもあります。まだまだであります。
実は時代性の中で生きるということを考えたのであります。松平忠輝という人物は少なくとも、情勢適応型の、右顧左眄する人物ではなかった。ある意味自己の信念に殉じた方であったのかもしれません。伊達政宗を岳父としていたし、西洋文明にも明るかったと書かれています。ラテン語も勉強したそうです。医学もです。武道も相当の腕前であったようです。
非常に興味のある殿様です。
あまりに優秀であったからこそ、安定期の江戸時代に活躍することができなかったのかもしれません。
作者の隆慶一郎先生は、脚本家でもありましたから、話の展開が実に楽しい。
哲学者の鷲田小弥太先生の「人生くねくね道の歩き方」という書籍で、初めて知ったのです。
司馬遼太郎や、池波正太郎も鷲田先生は読みたまえと書いておられますが、隆慶一郎先生の小説もなかなかのものだと言われる。それで注文したのです。そうしたらこれがなかなかおもしろい。こんなおもしろい作家がいらしたことを知らなかったという不勉強を恥じております。
興味を感じた作者は可能な限り他の作品も読み始めます。これがいい。実に、全部を吸収してしまおうと欲張った考えを持っています。おもしろいのですから、ちっとも苦になりません。そしてその範囲がどんどん広がっていく。
こんなことの繰り返しで、とうとうここまで来てしまいました。
今日も寒かったですね。
と思っているのはわたくしだけですかな?
在校生諸君はこれしきのこと、なんのそのと勉強されていたようですから。
明日もがんばりましょう!