水泳部、陸上部関東大会出場 その授賞式から始めました たいへんに嬉しいニュースであります
今日は結局下記のようなことを申し上げました。
①成績・・・・もっと頑張るように 特に3年生
②関東大会出場部活を讃える
③ムーミンパパの言っている言葉の大切さ 言葉は自己を規定する マイナス方向に自己を規定しないこと たましいの言葉を大切に 自然との対話を
④健康に注意特に命を大切に 命を落とすことの無いように
以上です。
一学期終業式
・一学期が今日で終わる。しかし、まだまだこれから勉強に、部活動に、自己の課題に挑戦していく生徒もたくさんいるだろう。非常にけっこうなことである。やることも無く、日々無為に過ごすのがいちばん良くないからである。
・成績会議もあって、生徒諸君の成績概要については、若干の不満足を覚えた。生徒諸君はまだまだ伸びるはずであるということを感じた。私は、努力を否定する人間では無い。遺伝子が全てであるという学者先生もおられて、それはそれで正しいのであろうが、どうも努力の必然性を否定されたようで、はなはだ心許ないのである。
・教員をやらせていただいる以上、努力の価値は認めていきたい。すくなくともそれがマナーであると思って三十七年間の教員生活をやってきたつもりである。間違ってはいなかったような気がする。
・だから努力していただきたい。まだまだ不勉強であることを自覚して、自己を律していただきたい。長時間にわたって読書を、あるいはトレーニングをしなくては、ものになるものも、ものにならないと体験上思っているからである。すべてが遺伝子であるとするならば、そんなことも意味がなくなってしまうからである。
・さて、アニメにムーミンというのがある。現代っ子である生徒諸君は全く知らないのであろうか?三年の男子生徒に、聞いてみた。そしたら知っていた。「ムーミン谷のムーミンですよね、知っています」と言われた。安堵したので、さらに書き続けよう。もしかしたら誰も知らないアニメであっては、私だけが浮いてしまうからである。
・なぜこんなことを書くのか。
・それはムーミンの物語は非常にすぐれた「問い」の物語であるからである。かわいいらしいカバのおもちゃだと言って馬鹿にしてはならない。「ムーミンの哲学」という大学教授の書いた書籍まであるからである。
・原作はトーベ-ヤンソンという作者で、文庫本でも容易に入手できる。そちらも好きだが、もっといいのはテレビアニメ版のムーミンである。なぜいいか。言葉というものへの真摯なる問いがあるからである。それが動画になっているのがたまらない。昔から大好きであった。
・たとえば、何作目であったか忘れたが、星々との対話をムーミンパパがしている話がある。まだ寒さが残る季節に、庭椅子に腰掛けたムーミンパパが、夜空を仰ぎ見ながら星に捧げる詩を詠んでいる。そう、詠んでいるのである。つまり声を出して捧げているのである。
・そこにムーミンが防寒具を持って現れる。どうにもムーミンパパのしていることが奇妙でならなかったのである。パパは言う。「どうかねムーミン、星と話をしてみないかね」・・・ざっとこのような会話で成り立っている。
・星を見上げているムーミンは、いろいろな星を見ながら、そこにイルカのような形をしている星々を見つけてしまう。夜空に語りかけていたのである。知らず知らず。彼の心がそうつぶやいた時に、夜空の星々がイルカになってこたえてくれている。彼はその不思議さに驚く。
・ムーミンパパは、感心するムーミンに対して、たった今見えた夜空のイルカについてまつわる天才詩人の伝説を教えてくれるのである。アリオンという詩人である。
・結局、ムーミンパパは何を言っているのかというと、たましいのコトバで作り出された本当の詩であれば、どのような相手でも聞き届けられるということであった。美しいコトバ、たましいのコトバは誰とでも通じ合えるということなのである。星とだってである。
・ここのところがいい。実にいい。
・この話は、海からの返事というストーリーもあって、これもまたいい。過去からの干渉が現在であるというような部分でもある。イルカの部分で紹介された伝説の詩人アリオンもまた、過去に干渉されて現在を生きている。
・まだまだ語り尽くせぬことがたくさんある。結局なにを言いたいのかというと、「コトバ」なのである。たましいのコトバが大事ですよということである。
・やさしいムーミンパパのような父親になりそこねたという思いが愚生にはある。だからこそ、申し上げたい。今学期の締めくくりのコトバとして。
・「勉強なさいませ」