今年は無印良品のレトルトカレーで偲びました
こんばんは。
今年もこの日がやってきました。
もうNOBLEさんが旅立たれてから15年が経ち、そろそろ彼の年齢に追い付きそうです。
現在、新型コロナウイルスの第7波といわれる感染急拡大の状況でもあるので、彼のゆかりのお店には行かずに、自宅で思い出を妻と話しながら夕飯をいただきました。
今回はこちらです。
無印良品のレトルトカレーを買って来ました。
どちらも南インド料理を手本にして製品化されています。
久しぶりに無印良品に行きましたが、今回もびっくりするようなメニューがあり、いろいろ買ってしまいましたヾ(*´∀`*)ノ
ただ、今まであった小さめカレーのレトルトの種類が3種類(国産りんごと野菜のカレー、バターチキン、キーマ)だけに縮小されてしまいました。
製造元のにしきやさんのサイトでも、100gほどの小さなカレーは種類が少なくなったようです。
ちょうどカトリにぴったりのサイズで、自宅で気軽にミールス気分が楽しめたのですが、残念です。
帰宅してご飯を炊いて、いただきました。
小さめカレーではないので、どちらかにしようかと思ったのですが、どちらも選べない…。
どっちも食べたい…。
こんな時、NOBLEさんならどうするか。
もちろん彼なら両方食べますね!ヾ(*´∀`*)ノ
贅沢にあいがけで、いただきました。
左がプラウンモイリー(海老のココナッツミルクカレー)で、右がチキンペッパーフライです。
プラウンモイリーはとてもマイルドなココナッツミルクの風味の海老カレーです。
辛さは少なく、トマトやタマネギ、ショウガなどが時々感じられます。
一方のチキンペッパーフライはガツンとした黒コショウやクローブの刺激と、ローストココナッツのシャリシャリした食感に、大きな鶏肉がゴロッと入っています。
どちらも個性的なカレーで、とてもクオリティが高くておいしかったです。
全国レベルの販路で南インド料理をベースにしたレトルトが普通に販売しているという、本当に幸せなこの状況を、彼と一緒に感じてみたかったものです。
それでは、失礼します。
【永久保存版】地球の歩き方BOOKS・世界のカレー図鑑【地球の歩き方W12】
こんばんは。
今年の春に、マレーシアライターの古川音さんからご厚意でこちらの本をいただきました。
世界のカレー図鑑です!
地球の歩き方が雑誌ムーとのコラボで出版しているのは知っていましたが、これは結構驚きました。
この他にも「世界のグルメ図鑑」「世界の地元メシ」「地球のかじり方 世界のレシピBOOK」など、興味深い出版物があることを知りました。
地球の歩き方は今まで旅行ガイド本として、海外旅行の前に購入していました。
いつも現地の情報量に圧倒されつつ、とても頼りにしていました。
コロナ禍になりもう丸2年半が経つ2022年7月現在、海外旅行もようやく段階的に緩和されてはいるものの、まだなかなか難しいです。
旅行業界が大打撃になる中、当然ガイド本も出版できないよなぁ…と思っていたのですが、このようなアプローチで出版していたんですね。
元々長年積み重ねてきた膨大な情報量がありますから、何かに特化して出版するのも全然アリですね。
前置きが長くなりましたが、今回ご紹介する世界のカレー図鑑、ひいきなしにカレー好きなら永久保存版だと思います。
過去に「旅行人」増刊 アジア・カレー大全のレビューを記事にしましたが、それを超える快著・名著だと思いました。
今回の世界のカレー図鑑では、冒頭にまずカレーの定義から入っています。
これが実は難しく、私も参加しているJapanese Curry Awardsでも「カレーの定義とは何ぞや」という話は度々上がります。
この難問について、世界のカレー図鑑では以下のように記載されています。
「いわゆる日本におけるカレーのイメージとは異なっていても、さまざまな国の多種のスパイスを使用したおかずについても広儀のカレー(スパイス料理)と認め、紹介している」(世界のカレー図鑑・10ページより引用)
これほど明確にカレーの定義をまとめた本は、私は見たことがなかったので衝撃でした。
世界中の国々でスパイスを使った料理があり、現地では特別カレーと思って食されていないかもしれませんが、確かにアリだよなとは思いました。
次にカレーの歴史についても結構なページが割かれていて、これがまたすごいです。
アジア・カレー大全では森枝卓士氏が以下のように書かれています。
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いつからカレーが食べられていたのか?
カレーの定義も難しいし、想像するしかない部分もあるが、稲作を始め、土器を作るようになった時期には、カレーのご先祖様と呼べるようなものが作られていたのではないかと思う。
(中略)
その時代、肉や魚などを煮る際、スパイスの類を加えてみたら、より美味しくなった。食べてから体の調子が良かった。しばらく、そのまま置いておいても、腐らなくなった。そのような経験即から、あれこれスパイスの類を加えてみることをして、カレーと呼べるようなものが出来上がったのではないか、ということだ。
(「カレーの正体」森枝卓士氏・21ページより)
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これ自身も素晴らしかったのですが、世界のカレー図鑑はそれを上回ります。
世界史から大航海時代の交易に伴うスパイスの流れについての紹介はもちろん、カレー&スパイス年表としてまとめています。
(以下引用します)
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紀元前7000年頃に現在のメキシコでトウガラシが食べられていたことを示す証拠
紀元前6000年頃に現在のメキシコでトウガラシの最古の「栽培」の痕跡
紀元前4000年頃にエジプトでミイラの防腐剤・防臭剤にシナモン、クローブ、アニシード、クミンなどが使用され(以下略)
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何これすごすぎぃ!(;゚д゚)ポカーン
もう笑うしかないほどに、バカ真面目に取り組んでいる姿勢には冒頭の20ページ弱で圧倒されました。
そしてここから世界中の国々のカレーをエリアで分けて紹介していきます。
その地域の料理だけでなく、歴史や言語なども紹介されています。
やはりいちばんページが多く割かれているのはアジアの地域で、全体の約半分を占めています。
インドだけでも東西南北に分かれていて、とても勉強になりました。
マレーシアを含めた東南アジアの一部を古川音さんが執筆されたようで、マレーシア料理の紹介ページやコラムを読みながら、以前マレーシア料理教室でこの料理を習ったなぁ、とか様々な思い出が蘇りました。
2006年に漫画「華麗なる食卓」でミャンマーのオーノカウスウェーが紹介されたときから、料理の見た目と味、揚げ麺のトッピングといい、タイのカオソーイと似ているなと思っていました。
ミャンマーとタイが隣国で、カオソーイとカウスウェーで語感も似ていることから、どちらかの国から伝わったのではないかと予想していました。
それが世界のカレー図鑑:89ページのミャンマーのページにオンノウカウスエと紹介されていて「タイのカオソーイのルーツとも」と紹介されていました!
長年の疑問が氷解して、とても嬉しかったです。
ところで、本書を読みすすめるまではこのアジアの地域だけで十分レビューできると思っていました。
しかし、アジア以降の後半のアフリカ、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニアについては私自身不勉強で馴染みがなかったので、むしろ後半の方が興味深かったです。
世界中でビリヤニ・ピラフ・プラウ的なスパイス入り炊き込みごはんが食べられていること、
マダガスカルにマレー・インドネシアの先住民がいたこと、
ナイジェリアやトーゴなどの国ではメロンの種子を乾燥させて粉にして調理すること、
南アフリカにマレーの方々が奴隷として連れて来られ、そこで食文化が発展したこと、
ケープタウンにはペナン島が由来のピエナン・カリーという料理があること、
メキシコにモレというスパイシーカカオソースがあり、過去にカレーつくろうずでいただいたことがあったこと!
↓
ビターチョコのような、でもピリッとする不思議なソースだったな、とその時の記憶が蘇りました。
これらのことは本当にびっくりしました。
スパイスの交易には当時のとても辛い出来事があったことも忘れてはいけないことだと思いました。
最後は日本のカレーについて、日本式カレー、スープカレー、カツカレー、カレーパン、カレーうどん、カレーそばなどの紹介で締められています。
読破はしましたが、とても一度だけでは内容が頭に入り切りません。
これから何度も読み返して、世界のカレーやスパイス料理について勉強していきたいと思います。
繰り返しますが、本当に快著だと思います!
音さん、素晴らしい本との出会いを本当にありがとうございました!
おまけ:2022年7月、新たに出版されたこちら。
欲しいと思ったときには、既に行動している!
買うではなく「買った」なら使っても良い!
もちろん即ポチリましたヾ(*´∀`*)ノ
それでは、失礼します。