2017年4月から改修のために休館になっている京都市美術館の内部見学会が4月16日にあったので、普段見られなかったところもじっくり見てきました。
二階ホールの奥、西向き正面の部屋は、当初は貴賓室として作られていたようで、凝った作りになっています。

天井は折り上げ格天井で金の金具で飾られています。


床は組木細工。

ドアにも凝った彫り物があります。


スチームの覆いは細かな金具細工。

貴賓室の近くに特別の手洗い所がありました。
京都市美術館の風格ある外観、独特の意匠、占領の歴史を伝える遺構、等々、改修された後もどうか残されていてほしいものです。
改修前の京都市美術館ウォッチングはこれで終わりです。
いよいよ、通常は絶対に見られない部分へ。
地下室を見学させてもらいました。

地下に続く階段。

地下には使わなくなった展示ケース等、様々なものが置かれていました。

戦後美術館が占領軍に接収されていた時期に、靴磨きの部屋として使われていた部屋のドアには、「SHOE SHINE SERVICE」と書かれていました。

こちらのドアには「IF DOOR IS CLOSED,STAY OUT」と書かれています。

地下から館内に入った時期もあり、下足を預かるカウンターがありました。

一階の三列の陳列室の間には中庭がありますが、空調等の機械でほとんど塞がれていました。

中庭に面したアール状の壁。

一階東面入口の内側には、昔の展示ケースが隠されていました。
木枠にガラスのがっしりしたものでした。
占領時の事物、美術館の来し方を表わす遺品等、必ず残してほしい歴史遺産です。
休館になり、展示品がなくなってがらんとした展示室を見てまわりました。



外光が上方から入りこんで展示品に直接当たらないようになっています。


一階南側の通路。右側に出るといつも閉まっている南面入口があります。

通路の左側には二階に向かう螺旋状の階段があります。
「日本に京都があってよかった」のキャンペーン写真が撮られた場所です。
同じような階段が北側通路にもあります。


階段の下はトイレになっています。

階段の上には二階ホールがバルコニー状に突き出ています。

バルコニーの内側には、

半円状の大理石のベンチが作りつけられています。

その近くの床のタイル。
京都市美術館ウォッチングの続きです。

玄関を入ると重厚な大理石の柱が並んでいます。

玄関ホールの前に、風除け室のように扉で区切られた区画があります。

ホール正面に大きな階段があります。

途中から左右に分かれる階段。




階段室吹き抜け上の天井が見事です。

二階ホール。

そのタイル。

横の方にエレベーターもあるのを初めて知りました。
京都市美術館本館は2017年4月10日から約3年間、再整備工事のため、休館することになりました。
4月16日に、閉館になった美術館の内部を市民に公開し、写真撮影やスケッチもできる「京都市美術館で思い出づくり!」というイベントが実施されたので、美術館ウォッチングに出かけてきました。
先ずは、美術館の外観から。

前面(西面)の表玄関。和風の屋根を取り入れた帝冠様式と言われる造りです。
敷地の西南部分は既に塀で囲われて、文化財発掘調査が行われていました。

1933(昭和8)年に開館。設計は前田健二郎。当初は「大禮記念京都美術館」という名称でしたが、敗戦後駐留軍により接収、1952(昭和27)年に接収解除され、「京都市美術館」に改称されました。

正面玄関の重厚な入口。

南面。

南面屋根近くの装飾。

南面バルコニー角の置物。

東面には和風庭園が広がり、

その奥に低層の新館収蔵庫が隠れています。

収蔵庫の屋上には外部階段から自由に上ることができます。

東面。

東面入口。通常は閉まっています。

東面の屋根も和風屋根です。

北面。