2019年11月16日、京都市美術館をウォッチングした後、西に向かい、御室仁和寺に行きました。
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仁和寺の仁王門のすぐ前、バス道路を隔てた南側に、
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広い空き地があります。ここにホテルが建てられようとしています。
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仁王門から見ると空き地の奥には、兼好法師の徒然草で有名な双ヶ岡があります。
ここにホテルができると、双ヶ岡は隠れて見えなくなってしまいます。
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西側を見ると、西山の山々が並んでいて、ちょうど日が沈むところでした。ホテルができると、この景色も見ることはできまくなります。
仁和寺の北側には御室八十八ケ所霊場の丘もあります。
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空き地の南側は一段低くなっていて、そこには民家が並んでいますが、ホテルができるとこちら側からは仁王門は完全に見えなくなってしまいます。
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この辺りは「歴史的風土当別保存地区」に指定されています。
さらに、世界遺産のバッファゾーンであり、風致地区、特別修景地域、歴史遺産第一種地域に指定され、敷地規模、景観眺望、住環境などに留意するように厳しい規制がかけられてきた所です。宿泊施設であれば延べ3000平方メートル以内しか建設できない第1種住居地域なのに、京都市がにわかに作った「上質宿泊施設誘致制度」の適用第一例にして規制緩和をし、延べ約5800平方メートルのホテルを建てようとしています。事業主は国内外でホテルや寮事業を手掛ける「共立メンテナンス」(東京都)で、地下1階、地上3階建てを計画しています。
景観問題の他にも、静かな住環境の破壊、仁王門前の道路の混雑、渋滞、交通事故の心配、地下水脈が断ち切られることへの不安などが考えられます。
京都市が率先して「上質宿泊施設誘致制度」を導入することで、ホテル業者などの事業者の金もうけが優先されようとしています。兼好法師の時代から受け継がれ、住み続けられてきた、仁和寺周辺の風情あるたたずまいは、一度壊されると二度と取り返すことができなくなります。