江戸時代創業の酒問屋「小川酒店」は、町家2棟、蔵7棟の大規模な商家で、国の登録有形文化財に指定されています。川に面して蔵が3棟あり、道路を隔てて商店・住宅に続き内蔵を持つ河崎の代表的な建物です。
建物の寄贈を受けて伊勢市が敷地を買収、修復整備を行い、2002年に「伊勢河崎商人館」として開館、「伊勢河崎まちづくり衆」が管理運営を行っています。

河崎商人館の中心施設、母屋の入り口。
1892(明治25)年の建物です。

通り庭部分に帳場があります。

裏千家の茶室、吶々斎を模して造られたという茶室からの庭の眺め。

庭の奥にある洋館(上の写真では真ん中の石灯籠の右側)は大正13年のもので、応接間として使われていたらしく、暖炉がありました。

内蔵資料館の展示品から。
伊勢地方ではお正月のしめ縄を一年中飾っておくそうで、「千客万来」とか、「笑門」とか、「蘇民招来」と大きく書かれた見事なしめ縄です。

二階から向かいの蔵が眺められます。

川に面した3棟の蔵は、1867(慶応3)年から明治後期に建てられたもので、中はアンティークや手作り品のミニショップやミニギャラリー、貸しボックスショップやカフェになっています。

昭和初期にはサイダーも作っていたそうで、サイダーのろ過施設です。
登録文化財のプレートがついています。

酒工場の入り口か?
他にも、伊勢と河崎の歴史と文化を展示する「河崎まちなみ館」・イベント等を行う「河崎角吾座(かどござ)」・古文書や書籍の倉庫「河崎文庫」に使われている蔵やイベントをする石畳の広場など、昔のものが上手に修復活用されていました。
受付でもらった「河崎かわら版」によると、館の展示に皇學館大学の学生の博物館実習が充てられ注連縄の展示とかもされたとか、旭湯で親子で伊勢玩具を作ったりとか、「河崎井戸端会議」という催しで、河崎や勢田川で遊んだ話とか、昔の仕事や祭りの話など懐かしい話をしゃべる会が行われているそうです。市民が中心になってまちづくり運動が元気に行われている様子がわかって、とてもおもしろそうです。