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(2010年3月22日 大分市)
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(una poesia di oggi)
◇ 折節の移り変はるこそ、ものごとにあはれなれ。
季節の移り変わるさまは、何事につけても趣深く感じられるものだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/55/ec10bf0ce538177dfa658b2dc3d81ba7.jpg)
◇ もののあはれは秋こそまされと、人ごとに言ふめれど、それもさるものにて、
物事のしみじみした情緒は秋がもっとも優っていると誰しも言うようだが、
それも一応はもっともなことであるけれども、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/08/274effc70e91ac6f1ee018e5347a08ee.jpg)
◇ いまひときは心も浮き立つものは、春の気色にこそあめれ。
さらに一段と心も浮き立つものは、やはり春の景色であると思われる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/f7/041ec0a29cc5b0a898f6735e587fdc83.jpg)
◇ 鳥の声などもことのほかに春めきて、のどやかなる日影に、垣根の草萌え出づるころより、
鳥の声などもことのほかに春めいてきて、のどかな日の光に垣根の草が芽を出し始める頃から、
◇ やや春深くかすみわたりて、花もやうやう気色立つほどこそあれ、
しだいに春が深まり霞がかかって、桜の花も次第に咲き進んで来そうになる、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/df/ca671429282e82ff610555276a4bec0c.jpg)
◇ 折しも雨風うち続きて、心あわたたしく散り過ぎぬ。
ちょうどその頃に雨や風がずっと続いて、結局は気ぜわしく散ってしまう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/6d/e70088519f1d73dc3eb737fd8ab4381e.jpg)
◇ 青葉になりゆくまで、よろづにただ心をのみぞ悩ます。
桜が青葉になっていくまで、春はすべてに渡ってとにかく気をもませるばかりである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/64/cf1289a8880f0cbca67327a9e4912429.jpg)
(紅葉)
◇ 花橘は名にこそ負へれ、なほ梅のにほひにぞ、いにしへのことも立ち返り恋しう思ひ出でらるる。
橘の花は思い出を呼び戻すということで有名であるが、
それよりも梅の香の方が過去の記憶へと立ち返って、あの日を恋しく思い出させてしまう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/f0/9f1a2a9a7e9b028cb50b94a32e45223b.jpg)
◇ 山吹の清げに、藤のおぼつかなきさましたる、すべて、思ひ捨て難きこと多し。
山吹の花の清らかさ、藤の花の今にも消えそうな姿を見るにつけても、
こうした想いを捨ててしまうことなどできるわけがない。
徒然草 第十九段より 吉田 兼好(1283 ? - 1352 ?)
◇ もうお気づきの方も多いと思いますが、私のブログ・ネーム「折節」は徒然草のこの段からお借りしています。
今年の桜、早くも咲き進んでいます。
さて、明日から出張その他で、ブログの更新をしばらくお休みします。
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(una poesia di oggi)
◇ 折節の移り変はるこそ、ものごとにあはれなれ。
季節の移り変わるさまは、何事につけても趣深く感じられるものだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/55/ec10bf0ce538177dfa658b2dc3d81ba7.jpg)
◇ もののあはれは秋こそまされと、人ごとに言ふめれど、それもさるものにて、
物事のしみじみした情緒は秋がもっとも優っていると誰しも言うようだが、
それも一応はもっともなことであるけれども、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/08/274effc70e91ac6f1ee018e5347a08ee.jpg)
◇ いまひときは心も浮き立つものは、春の気色にこそあめれ。
さらに一段と心も浮き立つものは、やはり春の景色であると思われる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/f7/041ec0a29cc5b0a898f6735e587fdc83.jpg)
◇ 鳥の声などもことのほかに春めきて、のどやかなる日影に、垣根の草萌え出づるころより、
鳥の声などもことのほかに春めいてきて、のどかな日の光に垣根の草が芽を出し始める頃から、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/77/436e8cccdaa4ac11fa3681e725e2ecd6.jpg)
◇ やや春深くかすみわたりて、花もやうやう気色立つほどこそあれ、
しだいに春が深まり霞がかかって、桜の花も次第に咲き進んで来そうになる、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/df/ca671429282e82ff610555276a4bec0c.jpg)
◇ 折しも雨風うち続きて、心あわたたしく散り過ぎぬ。
ちょうどその頃に雨や風がずっと続いて、結局は気ぜわしく散ってしまう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/6d/e70088519f1d73dc3eb737fd8ab4381e.jpg)
◇ 青葉になりゆくまで、よろづにただ心をのみぞ悩ます。
桜が青葉になっていくまで、春はすべてに渡ってとにかく気をもませるばかりである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/64/cf1289a8880f0cbca67327a9e4912429.jpg)
(紅葉)
◇ 花橘は名にこそ負へれ、なほ梅のにほひにぞ、いにしへのことも立ち返り恋しう思ひ出でらるる。
橘の花は思い出を呼び戻すということで有名であるが、
それよりも梅の香の方が過去の記憶へと立ち返って、あの日を恋しく思い出させてしまう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/f0/9f1a2a9a7e9b028cb50b94a32e45223b.jpg)
◇ 山吹の清げに、藤のおぼつかなきさましたる、すべて、思ひ捨て難きこと多し。
山吹の花の清らかさ、藤の花の今にも消えそうな姿を見るにつけても、
こうした想いを捨ててしまうことなどできるわけがない。
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徒然草 第十九段より 吉田 兼好(1283 ? - 1352 ?)
◇ もうお気づきの方も多いと思いますが、私のブログ・ネーム「折節」は徒然草のこの段からお借りしています。
今年の桜、早くも咲き進んでいます。
さて、明日から出張その他で、ブログの更新をしばらくお休みします。
そちらは桜が満開ですね。
折節さんのブログ・ネームはこの段から?
とても素敵なお名前ですね。
私は「徒然草」はわかりませんが、解説とともに咲きほこる桜を拝見しながら、季節の喜びをより深く感じました。
折節さん、とてもお忙しそうですね。
出張、お気をつけて。
まさに、春はそうして過ぎていきます。
花屋の宿命で、彼岸から、卒業式、転勤、退職、発表会などの花ギフトで、ばたばたしているうちに、春はどんどん長けていきます。
そしてメインイベント母の日が終わって、一息つくと、世間は初夏となっているのです。
あと、何度、春とめぐり合えるのだろうと、思った日から、仕事を少しさぼって、花を見にいくようになりました。
「同行二人」良い旅されたことだと思います。
こちらは、さっき帰って来ました。
19時50分までは、私の短い「脚」は東京と地続きだったんですよ。
羽田空港が悪天候のため、出発が1時間も遅れてしまって、いささかうんざりでした。
まあ、飛んでくれただけ良しとしなければ…。
出張が娘のいる本社でしたので(私は工場勤務、同じ会社です)、
お昼は社員食堂で初めて一緒に昼食を取ったりして…。
出張先に娘がいるというのが、とても不思議な感じがしました。
東京も桜が開花したようですが、まだまだ通りの桜はほとんと蕾のまま。
雨でこれだけ冷え込んでますと、なかなか咲き進むというわけにはいかないようです。
春はそうですね、いろんなイベントが目白押しで、
ご多忙さも半端じゃないんでしょうね。
こちらも久しぶりに忙しい年度末を迎えてしまいました。
いくら仕事をしても追いつかないくらいです。
もう腹をくくってます。
明日は息子の結婚式(家族だけの)を控えてまして、
出張先(東京)から最終便で帰る羽目になってしまいました。
おそらく花飾りが彩りを添えてくれるんだと思います。
明日はどんな日になるのか、わくわく、ドキドキ、そわそわ…です。
そして今日は…(^。^*)今頃きっと♪
今、正装した折節さんを想像しています。
うんうん、似合う似合う!カッコイイ!
皆さんお揃いで佳い日ですね。
桜もきっと祝福していることでしょう。
なんだか、ほのぼのとした式でしたよ。
自分の子どもがなんて、信じられないような不思議な感覚がしたり…。
若者の晴れ姿って、いいもんですね。
みんなにこにこして、心に残る一日でした。
まさにこの時季ですね~
>なほ梅のにほひにぞ、いにしへのことも立ち返り恋しう思ひ出でらるる
この一節、同感。
今更ながら、私も吉田兼好と同じくらい情緒深い人間なんだ・・・って思いました^^(笑)
ただ、文才に恵まれないだけ・・・だと思うことにしま~す。
強すぎる感性は時折邪魔することもありますが...(感受性?)
久し振りにお勉強させて頂きました☆
こちらの桜はそろそろ満開に差しかかって来ました。
この「折節の移り変はるこそ」の冒頭は、まさにこの季節を綴ったものですよね。
誰もが良く知っている春色の花達、それがあちこちに散りばめられていて、
大変上品な色彩感覚に満ち溢れる文章だと思います。
高校生の頃、否応なしに丸暗記せざるを得なかった古文の一節が、
不思議なもので何十年もたって、どこか鮮やかによみがえるものです。
花の季節に花にまつわる思い出があるっていうのも、
歩いて来た道のりに彩りを添えてくれると思います。
いつでしたか、最近ホイットマンの詩の一節に触れられてましたよね。
すっかり忘れてしまっていたホイットマンのこと、
思い出せることはほとんど何もないのに、その名前の響きだけで、
若さしかなかった時代のことが目の前を飛び去って行きました。