Music Mania

No Music No Life

ネーナはいいな

2015年01月25日 | 音楽
今年最初のCDは、またしても格安ボックスセットから。
皆さんの予想に反して、今回買ったのはネーナ5枚組だ。



「ネーナ?知らねーな」
という人のために簡単に紹介しよう。

ネーナとは、80年代に「ロックバルーンは99」という世界的大ヒット作を出したドイツのロックバンドである。
この曲はドイツ語の歌であるにもかかわらず、日本を含むあらゆる国でチャートの上位に入り、全米でもトップ3に入る快挙
を成し遂げる。
そして、この1曲のみで忘れらていった世界的一発屋なのだ。
ドイツ本国では一発屋ということではなく、その後もヒット作を出すものの、アルバム4枚で解散。
その後2002年に再結成され、再びシーンに復活し、ドイツ本国では80年代同様の人気バンドとなる。
今のところ、ドイツ語圏以外への進出はないものの、新曲もコンスタントに発表されているようだ。

Nena - 99 Luftballons


80年代当時から、シングルだけでなく、きちんとネーナを聞いていた人は、実は楽曲が非常に優れていたことを知っている。
ではなぜ、彼らは一発屋になったのだろうか?
いろいろ理由はあるが、一番の問題はドイツ語の壁だと思う。
基本的にアメリカでは英語以外の曲は受けない。
今の日本で、日本語以外の曲が受けないのと同じだろう。
しかし、問題はそれだけではないと思う。
当時の最先端のポップシーンに対し、常に遅れをとっていたのだ。
時代をリードするには、今の流行りのサウンドを取り入れていたのではすでに遅く、次のステップに踏み出していなければなら
ない。
主なファン層である若者にとって、「新しいか新しくないか」は非常に重要なポイントなのだ。
それと、もう一つあげるとすれば、彼らの垢ぬけなさ、ローカル感だろう。
紅一点、ボーカルのネーナ・ケルナーの服装、髪型、化粧、どれも当時のトップクラスの女性シンガーと比べて田舎くさいよう
に感じる。
こういうことは音楽とは直接関係ないものの、「売れる、売れない」には影響するのだ。

しかし、そんなことも2015年となった今では関係ない。
素直に彼らの優れた楽曲に耳を傾けよう。

とくに1枚目と2枚目のアルバムは粒揃いだ。
ポップだけど哀愁漂うメロディライン、ヘタウマだけど味のあるボーカル、センスのよいキーボードなど、良い作品だ。

Nena - ?(Fragezeichen)


それに対し、3枚目のアルバムは、ちょっと気合いが入り過ぎてるような気がする。
オーバープロデュースというか、やり過ぎというか、もうちょっと肩の力を抜いたほうがいい。
しかし、曲そのものはいい、さすがだ。
ここでも美しいメロディは健在だ。

4枚目は、産業ロック。
80年代後半にもなって産業ロックか、という時代錯誤はおいといて、出来そのものは悪くない。いや、かなりいい。
フォリナーやボストンあたりが好きな人だと気に入ると思う。
1曲の「Engel der Nacht」という曲は、ドラムがツェッペリン、ギターがU2みたいだ。




ここまでがバンドの作品で、5枚目はネーナ・ケルナーのソロだ。
普通に悪くない。
プロがプロの仕事をした結果、それなりにいいものが出来た、という感じ。

今、日本でネーナを聴いている人はとても少ない。
2ちゃんねるのネーナスレッドは、2004年に開設されて以来、10年以上経過してまだ400くらいしかレスがない。
ただ、このまま忘れられていくには、ちょっともったいない楽曲があるので、興味のある人は聴いてみてほしい。


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