Music Mania

No Music No Life

ヤスバラジオ(前編)

2018年08月16日 | 音楽
先日、作家の村上春樹のラジオ番組を聞いた。
村上氏本人がDJをして、自らが選んだ曲をかけるというもの。
相当な音楽マニアで知られる村上氏がどういう曲をかけるかということで、放送前からいろいろな予測があったけど、フタを開けてみれば、意外にロックやポップスが多く、どの曲も聞きやすいものばかりだった。
ほとんど知らない曲で、それもそのはず、普段ラジオでは流れないような曲ばかりを流したとのことだ。

こういうのを聞くとついつい自分でもやってみたくなる。
もちろん、僕がラジオに出演なんて出来ないんだけど。
ここでふと気が付く。
僕は自称音楽好きでありながら、基本的にメジャーなアーティストのメジャーな曲ばかり聴いてるせいで、”ほとんどラジオでは流れない曲”みたいなのは知らないのだ、
仕方がないので、約12年間のブログ執筆のなかで、ほとんど取り上げていないアーティストからの選曲としよう。


まずはラヴァーン・ベイカー「I Cried a Tear」
20歳頃だったと思うけど、友人がアトランティックレーベルの古いレコードを集めるのにはまっていて、僕もよく聴いていた。
ほとんど50年代から60年代初めころのレコードだったけど、素敵な曲が満載で、はまる気持ちがよくわかった。
でも、あまりにも曲が多すぎて、誰のなんていう曲なのかが、まるでわからない。
そんななかから、数少ない歌手と曲名がわかったのがコレである。
カセットの1曲目に録音してあったこの曲は、僕にとって「リズムアンドブルースとはこういう曲のことである」というようなナンバーだ。
それが正しいのかどうか今もよくわかってないんだけど、90年代ころJ-POP界にリズムアンドブルースブームが沸き起こったときは、「これのどこがリズムアンドブルースやねん」と思ったものだ。

I Cried a Tear☆Lavern Baker


そのアトランティックレーベルのレコードには、当たり前だけど有名な歌手のレコードもあって、例えばベン・E・キングなんかもそうだ。
ベン・E・キングといえば「スタンド・バイ・ミー」が有名だけど、他にもいい曲はたくさんあった。
その他、ベン・E・キングが所属していたドリフターズというコーラスグループ(ラストダンスは私に、などのヒット曲がある)にもいい曲は多い。
というわけで、ベンのソロからこれをチョイスしてみた。
「ヤングボーイブルース」

Ben E King - Young Boy Blues


次はアーサー・アレキサンダーである。
この名前を聞いてピンとくる人は、ビートルズマニアかストーンズマニア、あるいは超ブラックミュージック好きの人だろう。
この人自身はヒット曲がなく、無名に近い人なのに、彼の曲をビートルズやストーンズがカバーしたことにより世界的に知られているのである。
僕が面白いと思うのは、例えばビートルズが選んだのが「アンナ」という曲で、いかにもジョン・レノンが好みそうな、どこかガールポップの味があるのに対し、ストーンズが選んだほうは、よりブラックなフィーリングがある曲だということ。
こういう些細なところにも、ビートルズとストーンズのキャラの違いで出ている。
では、今日はストーンズがカバーした「You Better Move On」。
ストーンズ版のどこかまだ青く甘酸っぱい味に対し、アレキサンダー版はより大人の味が感じられる。

Arthur Alexander - "You Better Move On" - Stereo HQ


ここから突然雰囲気を変えてみる。
キャラバンである。
プログレマニアや、カンタベリーロックに詳しい人なら知らない人はいないバンドだけど、一般的な知名度は恐ろしく低い。
カンタベリー系というと、やたらと曲が長くて、インプロヴィゼーションが長くて、ポップさの欠片もない音楽のイメージがあるかもしれないけど、これは違う。
名盤「グレイとピンクの地」の1曲目で、すごくほのぼのとして、ポップで聴きやすい曲だと思う。

Caravan - Golf Girl


スリードッグナイトが、ポピュラーミュージック界において、どういう立ち位置なのかはわからない。
日本での人気なんかもわからないけれど、僕よりもうちょっと年上の世代からすると、けっこう知ってる人も多いようだ。
僕がこの曲を聴いたのは中学2年のときで、AMラジオからエアチェックして夏休みの間、毎日聴いていた。
AMなので、モノラルだし、1分くらいしかなかったけど、よく聴いたものだ。

An Old Fashioned Love Song/Three Dog Night


前半はこれでおしまい。
後半につづく。

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