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No Music No Life

大井

2020年10月11日 | 日常
僕の母方の祖父はもう20年以上前に亡くなってるが、戦時中は旧海軍に所属していて、巡洋艦大井に搭乗していたという。
祖父は自分が巡洋艦に乗っていたことを誇りに感じてたようで、海軍時代の写真をよく見せてくれた。
モノクロ写真の祖父は若者のように若く、セーラー服を着ていた。
どういう経緯かわからないけど終戦前に帰国していて、その後、巡洋艦大井は南シナ海で米軍の攻撃により沈没している。
もしこのとき祖父が大井に乗っていたら戦死していたかもしれず、そうなると僕は生まれていないかもしれない。
あるいは、母から生まれたとしても父は別の人で、今とは全く違う人生を歩んでるはずだ。
(元々祖父は名古屋の人で母は昭和20年生まれである。戦後に焼け野原の名古屋から奈良へ移転している。祖父がいないと奈良へは行ってないだろうから、父とは出会わないことになる)
運命の歯車なんてわすかなことで変わってしまうんだろうけど、戦時中のような常に命の危険にさらされている状況では、運というもこに大きく左右されるものだ。

そんな祖父が生前、古い戦争映画を見ていて、「あれがオレの乗ってた船だ」と言ってたことがあった。
そこには煙突が3本立った軍艦が写ってた。
当時僕は小学生だったけどそのことを覚えていて、ずっと後になってから巡洋艦大井の写真を見たとき、本当に煙突が3本だったので、あれは本当のことだったんだなと思った。
ただそれがなんの映画だったのか、あるいはドキュメント映像だったのか不明である。



巡洋艦大井には、球磨、多摩、北上、木曽という同型艦があり、クラスとしては軽巡といわれるサイズである。
これより大きなタイプの巡洋艦は重巡と呼ばれ、より大型の戦艦に近いサイズになる。
大井は軽巡とは言っても、日露戦争での旗艦、戦艦三笠よりも全長が長く、港などに停泊してるとさぞかし立派に見えたことだろう。
ちなみに戦艦三笠は今も横須賀に現存していて、一度見学したことがある。
小説、坂の上の雲のほか、いくつかの映画にも登場する三笠は、さすがに歴史ロマンの塊で見応えたっぷりだった。
日露戦争での日本海海戦は世界史的に見ても珍しいくらいの完全勝利で、三笠は輝かしい歴史の生き証人みたいなものだと思う。
これがイギリスだと、ナポレオン戦争当時の戦列艦ヴィクトリーが現存していて、やはりこれも、トラファルガー海戦という歴史的海戦時の旗艦として活躍した栄光の軍艦なのだろう。

大井は当時としたは非常に高性能の魚雷発車装置をいくつも備えてたという。
しかし、それが役に立つことはなく米潜水艦『フラッシャー』の攻撃により大破し、後に沈没した。
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