今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

最大プレッシャーの時期

2010年10月25日 | お仕事
10月も下旬となり、いよいよ年度内で一番のプレッシャーの時期を迎えた。
2本目の論文の締切が1ヶ月後となったのだ。
これからの1ヶ月間で、今年度最後の論文(仕事)を仕上げなければならない。

ちなみに先月脱稿した1本目の論文は、共同研究の翻刻作業だったので、
原稿を単純に埋める作業だったため、産みの苦しみはなかった。

2本目の今回は、データ分析部分があるのだが、
冒頭の”問題”部分に取りかかっている最中で、分析にはまだ手をつけていない。

分析は、今年は初めて”テキストマイニング”にトライするので、
どう分析していくのかの見通しを立てることから始める必要がある。
これが一番悩む。

しかも今は後期授業の真っ盛りなので、平日は原稿をすすめる余裕がない。
一方、週末も、そのうち2回の土日は推薦入試が入っている。
なので、締切までに自由に使える週末は今後は2回しかない。
その2回の週末が勝負だ。

松阪牛パーティ

2010年10月23日 | 生活
母の誕生会用に、名鉄名古屋駅の”柿安”で松阪牛(+柿安牛)を人数分買って帰った。
秋は先月の松茸パーティに続いて、恒例の松阪牛パーティ。
大人4人だけでなく、6歳の甥も3歳の姪もとろけるような柔らかい肉に舌鼓。

一人で松阪市に行った折り、松阪牛を食べる気がしなかったのは、
食の贅沢って一人でやるより、皆でやった方が楽しいから。

一人での贅沢なら、酒や好物にこだわった方がいい。

もちろん、実りの秋と親族の誕生記念に合わせての感謝祭的祝祭なので、
それ以外の日はつつましく生きる。

時間雨量130ミリの恐怖

2010年10月22日 | 防災・安全
奄美大島・住用町で、20日12時台と13時台の2時間にわたって、
時間雨量130ミリの信じ難い大雨が降った。
とにかくこの雨量(しかも2時間連続)に、唖然とした。

通常、時間雨量10ミリで”ざーざー降り”の「やや強い雨」。
20ミリで”土砂降り”という大雨注意報基準の「強い雨」。
30ミリで、大雨警報基準の「激しい雨」(”バケツをひっくり返したような雨”)。
つまり、30ミリで、被害が出始める。

そして、50ミリで、あたりが白くなる”ゴーゴー降り”で「非常に激しい雨」(私は「轟雨」と名づけている)。
この雨量になると恐怖心が起きる。
防災上の大雨対策はこの雨量を想定する。

そしてこのラインを越えて
60ミリになると、マンホール・側溝が雨を吸収しきれなくなり、道路が冠水する。
つまり対策を越える雨量で、「内水氾濫」の始まり。
新幹線は運転休止。

80ミリになると、「猛烈な雨」で、「記録的短時間大雨情報」というスーパー警報が出され、避難が開始される。

100ミリになると、”滝のような雨”で、もうお手上げで、豪雨災害が起きる(私は「瀑雨」と名づけている)。
いわゆる「ゲリラ豪雨」は狭い範囲ながらこの雨量を記録する。

気象庁を始めとする諸機関が、想定しているのはこれまで。

つまり、130ミリとは、「大雨警報」クラスの4倍以上の強雨で、想定を越えた現象。
私もどんな雨なのか想像できない。
それが現実に、2時間も続いたのだ。
たいへんなことだ。


近場のビジネスホテル旅行

2010年10月17日 | 
週末帰京しない時、名古屋から2泊の温泉旅行に行くのは月1回。
それ以外の時は、名古屋の棲み家にいるのだが、はっきりいって退屈。
本来は研究や教育の仕事をするべきなのだが、家にいるとどうしても集中できない
(東京では都立か国立の図書館に通う)。

そこで、近場のビジネスホテルに1泊して、気分転換をかねて仕事に集中する。
自分の家の近くにあえて宿をとるというのも、
自分が自分でない旅行者(エトランゼ)になった感じで、気分的にもおもしろい。

ただし、ビジネスホテルならどこでもいいというわけではない。
まずは、室内のユニットバスのみではダメで、大浴場があること。
仕事で頭がフラフラになった後は、大浴場で手足を思いっきり伸ばして、大きく息を吐きたい。
温泉であればさらに嬉しく、複数回入りたくなる。

つぎに、夕食が取りやすい環境であること。
ビジネスホテルなので、もちろん館内に食事施設は求めず、近場に手ごろな店があればいいのだが、
知らない土地で店を探すのも面倒だ(観光旅行でないので、日常の夕食にとどめたい)。
何しろ、ビジネスホテルで一番やりたくないのは、近所のスーパーで値引きされた出来合いの弁当を買ってきて、
狭い室内の狭い卓上で食べること(超わびしい気分)。


名古屋市内にも温泉施設のあるビジネスホテルがあるが、仕事ができないくらいの部屋の狭さだった。
逆に部屋が広いホテルは大浴場がなかった。

私的には、チェーンホテルの「ルートイン」レベルなら、大浴場(正確には中浴場)があるので文句はなく、
実際、そこのカード会員になっているくらい。
でもここは風呂が温泉でない点と、いつも泊まる日曜の晩に限って館内のレストランが休業なのが痛い。

そういう私にとって今のところ一番のお気に入りは、小牧市にある「キャッスルイン小牧」。
ここは、風呂と食事で合格。
風呂は何しろ天然温泉。
しかも高張性で浸透性があり、今では日帰り客を入れず、入浴できる時間も温泉宿並に長い
(温泉を謳うビジネスホテルの中には、ヨソから温泉をもってくるため、入浴時間が限定される所がある)。

浴室の造りが銭湯風なので温泉風情に乏しいのは玉に瑕だが、泉質はそこらの日帰り温泉よりいい
(塩素循環なのは致し方ない)。

あとここは大きめの居酒屋が併設されており、夕食メニューが豊富で、ホテル側から気楽に入れるのがいい
(居酒屋って普段は1人では入りにくい)。
もちろん居酒屋だから、料金も手ごろ。
宿泊者には発泡酒の中ジョッキがサービスされるのが嬉しい。
そして、朝食は、その居酒屋でビュッフェバイキングにありつける。

室内は広さや設備には文句ない
(細かいことだが、付属の髭剃りや折畳みの櫛もいい製品)。
トイレは洗浄器つき。
ベッドはセミダブルなのでゆったり。
ビジネスホテルなのでもちろんLANが使える(無線)。
上の方の階からは御嶽なども遠望できる。
ただし、部屋によって、床のカーペットから臭いが出るのは困りもの(指摘しておいた)。
以上のサービス(朝食付き)で6800円。

年に二回ほど利用している。

暑い10月

2010年10月13日 | お天気
10月なかばとなるのに、愛知は夏日(最高気温25℃以上)。
しかも快晴。
仕事は半袖ですごし、教室には冷房が入る。

帰宅してドアを開けると、室内から熱気が襲ってくる。
設置してある温度計をみると、なんと30℃。
いそいで窓を開け、暑い空気を外に出す。
いつまでたっても終らない暑さに、
なんだか悲しくなる。

地上の天気図では、移動性高気圧と低気圧が交互する
秋の気圧配置になっているが、
高層天気図をみると、上空500hPaはまだ夏のような状態。
つまり”寒気”がまだ来ない。

でもこんな程度の不快に文句をいえているのは幸せな証拠。
チリで生き埋めになっていた人たちの奇跡の救出劇に祝福を贈りたい。

体育の日のハイキング

2010年10月11日 | 山歩き

十月十一日の「体育の日」。
まぁ、もとより文化的・歴史的根拠に乏しい、取ってつけた休日が、
さらに「ハッピー・マンデー」とかいう、い・か・に・も軽薄で経済優先・文化破壊的な制度によって、
当日ではなく翌日の月曜にその休日が割当てられたわけだが、

先日、無情にも突きつけられた健康診断結果によって決意させられた、
糖尿と動脈硬化と高血圧のメタボ症候群を予防するために、
そして低気圧が通過した後の、あまりに気分のいい晴天が約束された日でもあったので、
この日は、早起きしてハイキングに行く事にした。

といっても、ここんところまったくの運動不足が習慣化し、
今年登った山は、5月の高尾山と、8月の玉川温泉の時に登った秋田の焼山の2つだけ。
それ以外の運動に至っては、最後にやったのはいつか記憶にない。

なので、急に激しい運動は無理そうなので、
上下運動的な”登山”に相当する山ではなく、やや傾斜のある程度の水平運動レベルの軽い丘歩きにする。
あちこち迷った結果、行き先として決まったのは
埼玉県日高市の高麗(こま)にある日和田山(ひわださん:標高305m)。

おっと、東京タワーより低い標高だと知ってバカにするなかれ。
この山、私が山好きになった中学1年の時に、まだ一緒に山に行く相手が学校で見つからなかったので、
家族・親戚連れで初めて行った山(物見山・鎌北湖を経由して17km歩いた)なのだが、
その時の南関東一望の眺めの広さがいまだ忘れられないのだ。
そして雨上がりの快晴が約束された日に、もう一度あの広い眺めを体験したくなったわけだ。

予定したコースは、西武秩父線の武蔵横瀬駅で降りて、
五常の滝を見て、物見山を経由して、日和田山に達し、
山麓の高麗の里の巾着田(きんちゃくだ)に立ち寄る約10kmのルートにした。
幸い、西武鉄道のサイトから、このコースの案内図をダウンロードできるので、
それを印刷して持参することにした(駅にも印刷物として置いてあり、自由に持っていける)。
地図以外の装備関係はリュックに入れっぱなしなので問題ない。
水はペットボトル、昼飯は出がけに駅のコンビニで調達する。

実は、山に出かける時、いちばん面倒なのは、早起きすること。
この歳になっても、相変らず早起きは苦手で(目覚ましで無理やり起こされると機嫌が悪い)、
それを考えると意欲が減退してしまう。
でも今回は、よほど意思が固かったらしく、起床時刻の1時間前にすっきり気分よく目がさめ、
おかげで予定していた電車より早い便に乗れた。

登り口の駅に降り立つと、予報通りの快晴で、
前日までの雨のおかげで空気中の塵がなく、山々がくっきりと近く見える。
ほんとに絶好のハイキング日和だ。

山の中は、たとえうす暗い森の中でも、空気がきれいなせいか、やはり気分がいい。
同じキロ数歩くなら、空気・眺め・雰囲気・道の良さで、街中よりも山がいい。

日和田山の山頂からは、地平線に東京の高層ビル群が一望で、
東京タワーこそ高層ビルの陰で見えないが、
それに代わって東京のシンボルタワーとなる「スカイツリー」が、
明らかに日和田山よりも高く伸びている。
山にとって、人工物よりも低いのは、屈辱だろうな。

少し下った神社前からは、昔と同じ、奥多摩から富士・丹沢までの広い眺めを満喫(上写真)。

里に下り、巾着田に立ち寄ると、そこは秋桜(コスモス)の花畑となっていて(先月は曼珠沙華)、
ピンクの花の間から今しがた歩いてきた山の稜線が見える。

もとより家族向けのコースで、かいた汗も運動よりは暑さによるものだったが、
うさんくさい「体育の日」といえども、この好天下に、いい汗かかないのはもったいない。

今後は、帰省の折りを使って、関東の山歩きを楽しみたいものだ。
早起きさえできれば…


今年の健康診断結果発表

2010年10月10日 | 健康
先月に実施した、年に一度の健康診断の結果が出た。
自分の一年間の摂生or不摂生の結果を、ここに発表!

まずは、メタボ検診関連。
腹囲が標準値から0.2cmオーバーのみで、体重が漸増傾向にあるが、BMIはなんとか標準値内に留まる。
血圧は降圧剤服用のおかげでクリア。

あいかわらず成績が悪いのは脂質関係。
総コレステロール・中性脂肪ともに漸増傾向で、特にLDL(悪玉)コレステロールが漸増傾向で、逆にHDL(善玉)が漸減傾向なのが悪い徴候。
ここ数年間、高脂血症から逃れていたのに…。
コレステロールの中身のコントロールって難しい。
油ものは好きだが、摂らないようにしているつもり。
好物のイカの食べ過ぎがいけないんだろうか。

肝機能では、γGPTが標準値以上だが、漸減傾向なのはいい傾向。
アルコールの摂取量を水で薄めて抑えている効果かな。
尿酸値も標準値に戻って痛風のおそれがなくなった。

いちばんショックだったのは、血糖値。
確かに漸増傾向だったが、今年とうとう標準値上限を突破してしまった。
やってしまったという感じ。
父方にも母方にも糖尿病で死亡した人がいるし、高校の同期も2人糖尿で逝ってしまった。
HbA1cが標準値に納まっているのでまだ安心だが、糖尿と動脈硬化のタブルパンチはなんとか避けたい。
あと、X線検査で、胃の中のポリープが前回(一昨年)が2ヶ所から1ヶ所に減った。
胃のポリープは良性で悪さをせず、脱落することもあるらしい。

総合的に、ランクA(異常なし)とC(要経過観察)のみで、今年もD(要受診)より先はなかった。
ダイエットする前は高脂血症だったので、ランクE(要精検)の烙印が押されていた。
といっても、正常範囲を越えるラインに接近中なのは確か。

脂質代謝・糖代謝それにメタボ対策としては、まずは有酸素運動を増やすべきなのだろう。
今は週一回だけ勤務先(3km先)に徒歩で行くようにしているが、それ以外に運動はまったくもってしていない。

ご飯は一膳にとどめており、野菜はもとより好きで、肉は好きでないので、内容はこのままでいいか。
バランス的には魚を増やし、油が多いスナック菓子は控えるべきか。
酒量は、ワインすら水や炭酸で薄めている
(自称”ワイン通”からは叱責されそうだが、ヨーロッパでは大昔から普通のこと)。

今後は、徒歩通勤を週2回に増やすか。
でもただ歩くって退屈なので、休日は車で温泉ばかり行ってないで、ハイキングに行くのもいいかな。

iPadはこう使う1:パソコン的使い方

2010年10月10日 | パソコン・メディア

(話の流れ順に記事を並び替えた)
鳴り物入りで市場に登場したiPad。
私は”いの一番”に購入したが、
思ったほど持っている人が多くなく、
iPhoneほどの爆発的普及はみられない。
どのようなメリットがあるのかよく分からないため、手が出ずにいるようだ。

iPadは既存のノートパソコンやスマートフォンとどうちがうのか、
それらとは異なる新しいメディアなのか。
このへんが問題だろう。

そこで初期ユーザーの一人として、自分の使用感を紹介してみる。
判断の参考にしてほしい。もちろん、不満点も腹蔵なく述べる。

●マシン(メカ)としてのスタンス
iPadはマシンとしてはiPhoneを、より正確には通話機能のないiPodTouchを、
より大型にしたものにすぎない。
つまりiPadはデバイスとしては”パソコン”ではない。
スマートフォンとの質的差異は通話機能とカメラがない点で、もちろん”電話”でもない。

量的差異といえば、画面が大きく、その点ではノートパソコンに近づいている。
更にバッテリが10時間もつので、ノートパソコンのように電源アダプタを持ち歩く必要がない。
ユーザーにとっては機能の質的差異は代替可能な程度差でしかなく、
むしろ量的差異が不可能を可能にする。
携帯電話にフェリカ機能が必須な私としては、通常の携帯とiPadが両立し、iPhoneがいらない。

ソフトバンクの回線が使える3Gモデルと無線LANのみのWiFiモデルとがあるが、
一万円安く、やや軽量な後者を選んだ。
ただしハードディスク容量は妥協なく最大の64GBにした。
後々、iPadの重量は無視できない問題となることが予想できたから。


1.ノートパソコンとして
そもそも私はノートパソコン(MacBook)を使い倒していた。
常に持ち歩き、勤務先・授業・実家(東京)への帰省・東京での図書館での作業、そして旅先にも。
自宅と研究室・実家では、安価な外付けモニタとキーボード・マウスをつなげてデスクトップとして使うので、
ノート以外にデスクトップパソコンは不要だった。
そのような私がiPadを買ったら、ノートパソコンを持ち歩くことがなくなった(旅先以外)。
その分、鞄が軽くなり、とりわけ実家に持ち帰るキャリーバッグが隙間だらけになった。

室内では情報生産をしているが、室外では既存の情報を参照するだけなので、
入力するにしてもカレンダーに予定を追加する程度だから。
だが、これはiPadが完全にノートパソコンの代替となるという意味ではない。
iPadの購入が私の情報生活のクラウド化を一挙に推進させたからだ(クラウド化については後述)。
iPadが私の情報生活を質的に変化させた。
これが大きい。

まず、iPadをノートパソコンとして使う場合の問題をみよう。
ネット閲覧やメールチェックは問題ない。
flashが使えないが、ネット上のflashはたいていスキップするので私は不便を感じない。
ノートパソコンと勝手が違うのは次の点。


a.ソフト購入
まずネット接続のパソコンのiTunesと繋げて使用可能にする。
最初から入っているソフトは、カレンダー、メモ帳、ブラウザ、ビデオ、写真など限られている。
WiFiの場合、無線LANが使える環境でないとネット情報にアクセスできない。
AppStoreにアクセスして、必要なソフトを購入する。
ダウンロードすればすぐ使えるので、欲しい時と購入する時と使う時がほぼ同時なのはうれしい。
しかもソフトの値段が1000円前後と安く、お小遣い感覚で買えるし、フリー(無料)のソフトでも便利なのが多い。
サイトでは有料・無料を問わず、購入できるソフトが解説や評価コメントつきで確認できるのはパソコンより便利。
購入したソフトのアップデートはAppStoreにアクセスすれば知らせてくれて、アップデート作業も簡単。

b.入力操作
iPadは画面を指で操作する。
しかもアップル社のセンスが光るアナログ的手法(慣れ親しんだ行動・発想を大切にする)なので、直感的。

問題は文字入力。
画面上をタッチして操作するソフトキーボード(以下、画面キーボード)には最初から不安があったので、
BlueToothの折畳みキーボードを同時購入した。
しかし、画面キーボードに操作上の問題は全くなく、敢えて外付けキーボードを使う必要はなかった。
画面キーボードは、画面を横にするとノートパソコンのキーボードサイズに近くなるが、
その代わり画面の表示領域が狭くなってしまう。
私は、以前ポケットサイズの世界最小パソコンLX200を愛用していたので、
iPadを縦画面にして、その時と同じく両手の親指で入力している。
これなら残りの指で本体をしっかり持てるので、iPadを置かずに空中でも入力できる
(対面しての打合せ中に入力できる)。

ただ、一度入力した文字列を修正するために選択したい時、
指での範囲選択がなかなか思い通りにいず、イライラする時がある。
変換した範囲単位でカーソルが移動してしまうからだ。
なので熟語の一文字だけを修正することはできない。
また、句読点の前にも移動できないので、文末の語句の修正は、
句読点ごと必要となるのも口惜しい。
ということで、正しく地道にカーソル移動するための矢印移動キーはつけて欲しいものだ。

また学習機能は、日本語に関しては携帯電話並みなので、通常の入力には支障ない 。
最近は、辞書登録もできるようになった。
固有名詞はある程度辞書に入っている。たとえば「山根」と入れると、候補に「山根基世」が出てきた。
和文内に英単語を入れる場合、入力モードを英語に切り替えなくても、
日本語キーボードでスペルを打てば英文字で確定できる(実はパソコンでもできるが)。
iPad用のATOKがいずれ発売されるらしいので、それを楽しみにしている
(iPadで原稿を書きたい人には、必須となるだろう)。

以上の若干の不満はあるが、手軽な文字入力マシンとしては合格。
それまで持っていたポメラ(キングジム)を使わなくなってしまった。
それから、iPad用の手書き入力ソフトもあるが、iPadを使う人はキーボード入力の方が早いはず。


c.ファイル表示
今現在はマルチタスクに対応していないので(11月対応予定)、
ソフトが異なるファイル・画面は毎回開き直す必要がある。
もっとも各ソフトはレジューム機能がはたらいて前回の画面が開くので、
ソフトを選ぶ手間だけだが、
英書を読みながら、購入した英和辞典ソフトを引く時などやはりソフトの切り替えの往復作業は面倒。
ソフト内では複数のファイルが選択可能状態となる。

画面を外付けモニタに出力できるのは、Keynoteなど限られたソフトだけなので注意が必要。
これも大いに不満。
他に可能なのは、ムービーと写真のスライドショー(これは使える!、後述)。
Goodreaderで読めるファイルなら、テキストも画像もなんでも外付け画面出力できるのはありがたい。
ただし閲覧専用なので大画面で描画できない。
フリーの手描きソフト"neu.Notes"が外付け画面出力可能なのは貴重。
iPadで講義をしている者としては、フリーソフト”黒板”を画面出力対応にしてくれたら、
まさに電子黒板として使える。


d.パソコンとのデータ互換
iPadはパソコンとの接続を前提としているので、これだけでも”パソコン”でないことがわかる。
パソコン内のデータファイルの読み込みには複数の方法がある。
まずは、iTunes内で特定アプリに対応させる方法。
これがデフォルトだがケーブル接続が必要。つまりちょっと面倒。
”GoodReader”を買うと(230円)、このソフトから無線でつながっているパソコン内にアクセスし、ファイルをダウンロードできる。
WordもExcelファイルもそのまま読める。ただしGoodReader上では閲覧しかできない。
また一番使いそうなテキストファイルは文字化けして読めないので、他のソフトが必要。
GoodReaderで読めたファイルは、そこから別の専用ソフトで開かせる機能があるので便利。

他には、クラウド用のアプリでクラウド内のファイルを直接開くこともできる。
マカー(Macユーザー)の私はアップル社の"Mobile Me"を使っているので、20GB分のファイルにアクセスできる。
私がノートパソコンを持ち歩かなくなったのは、通常使うデータをすべてクラウドに保管してしまったためだ。
実は、研究室にも実家にも、すなわち行き先々に別のパソコンがあるので、
そこからクラウドにアクセスすればいいのだ。
これは贅沢な使い方だが、iPadもなんのハンディもなくそのクラウドにアクセスできるのが便利(クラウド機能については後述)。

iPadで文書作成をしたいなら、フリーのエディタソフト”iTextPad”がお勧め。
この文書もまずはそれで作った(完成はパソコンのエディタでやったけど)。
GoodReaderでは読めないテキストファイル用に必須。
縦書き画面にもできるのがいい(入力は横書きだが)。
タブ登録で複数ファイル(文書)を交互に開ける。
iPadでは、このように1つのソフト内で複数の文書を交互に開ける場合が多い。
これは便利だ。


e.プレゼン
iPadにプレゼンソフトKeynoteを1200円で購入して、
ノートパソコンより手軽なiPadでプレゼン(講義)ができたら楽そうだ、と誰しもが思う。
マカーにはお馴染みのアップル製のプレゼンソフトKeynoteとVGA出力アダプタを付ければ可能。
iPad用のKeynoteには画面を長押しすると赤い点がポインタとして出るので、
レーザーポインタが不要になる。
iPadを片手に持ちながらプレゼンをする姿は見た目にサマになるが、
動きすぎると出力アダプタが本体から外れてしまうので注意(ケーブル部分が短すぎ)。

ただしiPad用のKeynoteはMac用の同製品より機能が少なく、対応していない機能、
たとえばオブジェクトのアニメーション効果など、はすべて無粋な初期設定に勝手に変えられてしまう。
パソコンで凝ったプレゼンを作ったのに、低レベルなものに作り直しを余儀なくされた。
これはクレームをつけたいほどむかついた。

同じソフト間でもこのありさまなので、ましてやPowerPoint、
しかもWindowsとの互換性のなさ、特にフォントの非対応は大変なものらしい
(MacでのデフォルトフォントはiPadと同じヒラギノ)。
動画ファイルも再生しなくなった。
最近アップデートされたので少しは互換性も改善されたが、まだまだ完全ではない。
なので自分でパソコンとiPadのKeynote間の非対応表を作って、
これを確認しながらiPad上できちんと作動するファイルをパソコン側で作るようにしている。

マニュアルを見ると,アップル社ではiPadのKeynoteで一からプレゼン画面を作るものと想定していたようだが、
それはとんだ見込み違いだ。
ユーザーにとってはプレゼン内容を作成するのはパソコンの方がはるかにやりやすいからだ。
iPadユーザーはパソコンをすでに使いこなしているというアップル社自らが想定した条件を、
御自ら失念してしまっているのでは。

f. 他のオフィスソフトとの互換性
同様にマックのスプレッドシートソフトNumbersも、Excelファイルを直接読めない(読む途中でソフトがクラッシュ)。
なのでパソコンでのExcelファイルは、パソコン内のNumbersでまず保存し直している。
KyenoteはPowerPointよりいい画面を作れるが、
Numbersは機能がExcelよりはるかに劣ってグラフ作成以外は使おうとは思わない。
Pagesに至っては買う気も起きない(レイアウトに凝りたい人専用)。
ファイルの閲覧だけなら、GoodReaderで開けばいいが…。
ワープロ原稿はテキスト形式にして上述した無料のエディタソフトを使った方がいい。


斯様にノートパソコンとしては機能不足であることは否めない。
だがiPadをノートパソコンとしてしか使わないのは、本来の正しい使い方ではない。
これではiPadを半分しか生かしてない。
ではどう使うか。「前の記事」に続く。


iPadはこう使う2:余技的使い方

2010年10月09日 | パソコン・メディア

ではノートパソコン以外の使い方とは何か。
まず非本質的な余技的部分から。

a.ゲーム機
ゲーム機としては、少なくともiPhoneよりは画面が大きいだけに見やすく、絵もきれいだという。
ただ操作が指タッチかマシン全体を傾けるかなので、
専用ゲーム機のようなすばやい操作は苦手。
私も初期の頃はいろいろなゲームをダウンロードしまくったが、
基本は自分のひまつぶし用と甥っ子との遊び用。
期待しすぎない方がいい。

b.iPod
パソコンのiTunesの音楽データをiPad内の”iPod”というソフトですべて(あるいは任意の部分)読み込めるので、
iPodマシンの代わりにもなる。
iPadの図体のでかさは、ヘッドホンをブルートゥース経由にして、
iPad本体を鞄に入れたまま使うことで解決している。
もちろん、映像番組ならiPodマシンより見やすい。

マルチタスクには対応していないものの、”iPod”で音楽を流しながら、
他のソフト・画面を起動すること、つまりBGM的使い方は可能。
ということで、iPadを持ち歩く時は、iPodマシンを持ち歩くことはなくなった
(iPodシャッフルとは使い分け可能)。

c.デジタルフォトアルバム
iPadを使わない時は室内に置いてフォトアルバムとして使える。
”写真”というソフトのスライドショーを使うのだ。
写真データはMacならiPhotoからコンバートするのが一番手っ取り早いが、任意のフォルダからも読み込める。
スライドショーはアルバム単位。アルバム内の写真の並びはシャッフルは出来るが変更できない。
BGMがiPod内の一曲しか選べない(繰り返し)のが難点(要改善)だが、
すでに買っていたお気に入りのデジタルフォトスタンドが不要になったのは事実。
なにしろ市販のフォトスタンドより画面が大きいし、さらに大形のテレビに出すこともできる(専用アダプタが必要)から。
大きなテレビ画面をフォトスタンドとして使用するのも、つまらない番組を無理して見るより、環境映像として価値がある。

d.その他
ほかには、専用ソフト(辞書以外はほとんど無料)をダウンロードすることで、以下の道具としても使える。
楽器:キーボード、アコーディオン、ギター、ドラム、パーカッション(管楽器は無理?)。
画用紙・キャンバス:指で描く感覚なので、パソコン上でマウス使うよりずっと描きやすい。
地図:GoogleMap、GoogleEarth(ネット環境下なら現在位置表示、検索ができる)。
電子辞書・事典:英和、国語、法令など
置き時計:デジタル、アナログ
星座早見板:方向に合わせて表示が移動
方位磁石(精度に疑問あり)
電卓
プレゼン(発表)用ベル

そして、いよいよiPadの本来的使い方は、「前の記事」で紹介。


iPadはこう使う3:本来の使い方

2010年10月08日 | パソコン・メディア

iPadのインパクトは、多機能の電子書籍閲覧マシン(ビューワー)であること。
実は、電子書籍ビューワー自体は、すでにいくつか出回っているが、
これらには市場を拡大させる力(魅力と書籍提供力)が不足していた。

逆に言えば、ここにユーザが飛びつかない限り、iPadのインパクトは実現しない。
そして現実に、あまり飛びついていない。
飛びつけないのは、iPadと現行のサービスだけでは不充分だからだ。
電子書籍の供給(販売)だけでは不充分だからだ。

申し訳ないが、ユーザはもう一つマシンを購入する必要がある。
パソコンを買ったら、プリンタも必要になるように。


a. 市販の電子書籍を入手
そもそも電子書籍はどう入手するのか。
iPadにデフォルトで入っている”iBooks”はアップル社が開設している電子書店。
これが便利なら電子書籍はどんどん普及するはずだが、現実はきびしい。
出版点数が少なすぎる。
ジャンルも文学に偏重しており、しかも英語中心。
最近は中国から中国古典の書籍も出てきており、
日本人も漢文感覚で読もうと思えば読める。
日本語の本はまだない。
なので、無料の数点を購入したのみ。

日本語の書籍なら、まずは有料ソフト(800円)”i文庫HD”。
ここはパソコン時代の「青空文庫」で、著作権の切れた小説などをデジタル化し、
縦書きの読みやすい形で無料配布している。

パソコン画面で電子本を読む気はしなかったが、iPadになったのでフルに利用している。
なにしろ、全集を買わないと読めないような一流作家の小品などふんだんにある。
さらには中里介山の「大菩薩峠」などの20数巻の超超大作なんて
紙媒体で買ったら置く場所に困る代物が電子書籍になっているのもうれしい(しかもタダ)。
漱石・鷗外・芥川・大宰らだけでなく、外国作家の翻訳作品もたくさんあるから、
近代文学好きなら、このソフトを使うためだけに買っても損はない。

電子書籍が紙媒体よりすぐれているのは、設置スペースが0になるだけでない。
画面の文字の大きさを変えられるので、
老眼が入りつつある私のような者には、紙の本より読みやすい。
新聞や雑誌も購入できるが、それらも文字を大きくして読んでいる。
欲しい本をその場でダウンロードでき、しかも紙媒体より安価なのもいい。

これが如実に体験できるのは、アマゾンの”Kindle"。
ここは本来はアップルのiPadのライバルなのだが、商売は商売。
敵にも塩を送って売上げを伸ばす。

”Kindle”というiPadに対応したソフトを購入すると、
iPadでKindleのサイトにアクセスして購入できる。
さすがに天下のアマゾンだから、販売されている電子書籍の数はべらぼう。
もちろん英語の本ばかりだが、アップルと違って科学書や学術書がたくさんあり、
その場でダウンロードでき、値段も安いのだから、
洋書になかなか手が出なかった自分も、最近は次々購入している。

ちなみに、ソフトにはレジューム機能があるので、最後に読んだページが次開くと出てくる。
電子書籍には”栞(しおり)”はいらないのだ。
唯一の難点はマーカーで線を引けないこと。
精読すべき学術書にはこれが必要なのだ。
アップルには期待しないが、アマゾンにはお願いする。
(GoodReaderでは下線や印が付けられる)
以上、これらは市販の電子書籍の話。


b.自分で作る電子書籍
では市販されていない書籍はどうするか。
自分で電子化すればいいのだ。
ここでいう電子化とはアドビ社のフォーマットPDF形式にすること。
電子書籍という新たな文明に貢献するのは、まずはアップル・アマゾン・アドビの3A。
それに富士通・キヤノンの日本メーカーも加えてあげよう。

パソコンで作った書類をPDF化するのは、電子化ではない。
ここで言う電子化とは、紙媒体の書をPDF化することだ。
印刷物の電子化といえば、スキャナで紙面を読みこんでパソコンに取り込むこと。
基本技術は今でもこれ。
ただ、一枚の紙ならこの作業でいいが、数百枚になる本をこうする気ある?
もちろん人はやる気がおきない。
そこでスキャン側がそれをやってくれることになった。

「ページスキャン」という、スキャナとプリンタが合わさったようなマシンが登場した。
富士通とキヤノンから。
これは多く枚数からなる書類をすばやく読み込んで、自動的にPDFファイルにしてしまうものだ。
その速さたるやスキャンとか印刷とかではなく、コピー機の連続コピー並。
つまり紙資料がどんどんスキャン部分を通過するだけで、一丁上がり。
私は富士通のScanSnapの上位機種を買った。
このマシンには、アドビのPDF編集ソフトAcrobat(無料のReaderではない)が付いてくる。
このソフトを単独に買うだけで1万は出る。

ます仕事先で次々と配布される紙資料。
それらには長く保存すべきもの、期間限定で重要なもの、いろいろある。
ところがどこにいったか行方不明になることが多く、捨てていいかどうか迷うものも多い。
これらがまずページスキャンにかけられる。
ただ、パソコンだと保管するにはいいが、閲覧はやりにくい。
閲覧のためだけにノートパソコンを持ち歩くのも面倒。
iPadはその問題を解決してくれた。
書類の文字を大きくできるし。

研究的に重要な本は、たとえば単語の検索などして、
大事な箇所にすばやくアクセスしたい。
電子書籍にする過程で、OCR機能を追加すれば、
テキストデータと認識されるのでパソコンでの検索が可能になる。
ページスキャンを購入したのは、これをやりたかったからで、
この作業はパソコン上でかまわない。

でも単語検索以上の閲覧作業はパソコンではつらい。
人生で何度も読み返したい重要な本は、
本をバラして、ページスキャンにかけ、電子書籍化した。
こうすればiPadで読める。
読むソフトは、"iBooks"でもいいが、
”i文庫”の方が、横置きの見開き2ページ画面と縦置きの1ページ大画面とを選択できるので便利。
GoodReaderでiPadに読み込んだら、開く専用ソフトとしてi文庫HDなどが表示されるので、その中から選ぶ。
文字の大きさと明るさを自分の見やすいように変更できる点が紙より便利。

キヤノンの製品は、パソコンとのUSB接続で作動するハンディなタイプを買った。
こちらは、スキャン・PDF化の速度は遅いが、
両面・片面、カラー・モノクロ、保存場所など処理パターンを好きな組合せで複数登録できるのがいい。
もちろんOCR機能もついている。

元の製本によっては分解しにくいものもあるが、それ用には勤務先の裁断機を使う。
電子書籍化したいものが個人的に多い平凡社の「東洋文庫」は、分解しやすい作りなので助かる。


c.あらゆる紙媒体がiPad内に
そういうわけで、購入した電子書籍だけでなく、
自前で電子化した書籍と仕事用の重要書類をいつでもどこでも閲覧できるのがiPadの価値。
もちろん自分で作成した文書(資料教材など)も、今では印刷することなく、iPadに入れて講義などに使っている。
自分用に文書を印刷することはもうないだろう。

本も書類もシステム手帳的データもすべてiPadに集約されたことで、自分のオフィス廻りのペーパーレス化が完成した
(一部の大衆雑誌と新聞も可能)。
そう、ペーパーレス化はパソコンではなく(紙を却って浪費するだけで無理だった)、
iPadによって初めて完成されるのだ。

ペーパーレスとは、単に紙資源の物質的・経済的節約ではない。
情報の携行と保管を一元化し、情報利用・管理の飛躍的効率化を意味する。
だからペーパーレス化したらもう以前のペーパー時代に戻る気がしない。
これが新しいメディア・iPadの文明史的存在価値。
正しくは、iPadはその象徴であり、実際にはPDFファイルやページスキャンなどの複数社とのタッグが必要。

しかも何十冊、何百冊入れようが重さが変らない
(真の保管場所はパソコンのハードディスク)。
重さはiPad本体の重量だけ。
そのiPadは厚めのハードカバー並の重さだ。
つまり文庫や新書よりはずっと重いので、長時間の閲覧を考えると本体は軽い方がいい。
WiFiモデルを選んだのは3Gモデルよりも軽いためでもあった。

今まで遠くに出かける時は、ノートパソコン(しかも電源部分も)とiPodと本を数冊携行していた。
これからは、iPadだけになることだろう(入力がもうすこしやりやすくなれば)。

さてiPadのインパクトはこれで終らない。
思わぬインパクトは、情報のクラウド化の促進であった。
これは「前の記事」にて。


iPadが推進するクラウドコンピューティング

2010年10月07日 | パソコン・メディア

iPadの予想されたインパクトは真のペーパーレス化。
そして予想外のインパクトは,パソコンのクラウド化の推進だった。

一台のノートパソコンMacBookを使い倒している間は、ネットサーバにデータを保管するなんて考えなかった。
他人と情報を共有しないためでもあるが、すべての情報が携帯可能な1つのパソコン内に入っているからだ。
だから、他のパソコンを買っても、データが分散されると不便なので、それらはMacBookの予備としてほとんど未使用状態だった。

といってもアップル社の有料サービス”MobileMe”を利用して、大切なデータのバックアップのためにネットサーバは利用していた。

ところがiPadを使いはじめて、ノートパソコンとiPadの二つを持ち歩くことは、
重たさが増し(ノートパソコンだけで限界)、情報的にも重複して、バカらしいと思った。
そのうちの1つを持ち歩くとしたら、当然、より軽いiPadを選びたい。
そこで今までのパソコンの使い方を再考せざるを得なくなった。

私の日常的移動先は、自宅・勤務先の大学・そして東京の実家だ。
いままでその3ヶ所を移動する時、必ずノートパソコン(13インチのMacBook)を携行していた。
電源アダプタこそ各地に置いておいたが、本体自体がそれなりに重いので、
通勤の鞄は頑丈で大ぶりのもの、実家との往復にはキャリングケースを引きずった。

幸い、研究室にはデスクトップのiMac、実家にもより新しいノートパソコン(MacBookシルバー)。
ただデータのバージョンがばらばらとなり、最新のファイルはどこの場所のパソコンに入ったものかわからなくなりそう。
データをUSBメモリに入れて携行するのも面倒だし、メモリ自体いずれかに置き忘れたら仕事に支障をきたす。

理想は、ある場所のパソコンで作業したら、”自動的に残りの場所でも”最新の状態でデータが使えるようになること。
しかも、東京では公立図書館で作業するので、ネットに繋がっていなくても最新データを使える必要がある。
実にわがままな要望だ。

ところが、オンラインストレージサービスを使うと、以上の要望が難なく実現できることが分かった。
このサービスで一番有名なのは、 無料で2GB使えるDropbox。
ただ、たった2GBではデータ全部は入らないので、
ここでは、実際に利用しているアップル社のサービス”Mobile Me”(20GB使える)を例にする。

いわゆる「クラウド」(”雲”という意味)とは、複数のパソコン間から共通してアクセスできるクラウドサーバ(ネットサーバ)が中心となるシステムで、
本来は、パソコン側にはデータファイルは不要なのだが(情報の安全性のためでもある)、
本記事では、ネット環境外でも同等のデータ環境を実現するために、各地のパソコンに自動的にデータがコピーされ、
それを自由に扱えることまであえて拡大解釈する。
ビジネスで使われるクラウドは”複数のユーザ間”での共有が目的だが、私は”複数の場所”の自分のパソコン間での共有のために使いたい。
その場合は業務情報だけでなく私的情報も共有する必要がある。

サーバとパソコン内のデータファイルは、ネット接続中、随時同期される。
もちろん、サーバとパソコンとのうち更新が新しい方のファイルによって上書きされる。
パソコン内のコピーがあるから、ネット環境からはずれても同期された最新のデータを使える。
そしてネット環境のない図書館で最新状態に書き換えられたファイルは、
帰宅してネットに繋げた途端、サーバに同期される。
そして、他の場所のパソコンは、サーバから最新部分が同期される。
つまり、同じデータの集合(ボリューム)がサーバ+同期しているパソコンの数だけ存在することになる(私の場合は1+3=4つ)。

このようなデータの重複的分散は、大切なデータのバックアップとしてはフェイル・セーフ(「失敗しても大丈夫」システム)を実現するので心強い。
つまり、パソコンのどれかが突然壊れても、あるいはネットサーバがトラブっても、どこか一箇所が大丈夫なら、最新のデータが使え、それをまた残りに同期できるのだ。
いままではデータのバックアップは外付けハードディスクにしていただけだが、ハードディスクというのはいつ壊れるのかわからない消耗品なのだ。
しかも壊れる時は突然やってくる。

一方、ネットサーバは責任ある企業管理なので個人のハードディスクよりは故障は少ないだろうが、
ネット上なので別のセキュリティ上の危険がある。
といっても、クラウド上のファイルのバックアップも忘れてはならない。
クラウド上では最新のものに自動更新されるので、
最後におかしくなったファイルをそのままにしておくと(不具合は開いてみないと気づかない)自動更新されてすべてに行き渡ってしまう。
そこで以前のバックアップがあれば、おかしくなる前のファイルを復元できる
(実際、それで助かったことがある)。

当然、このクラウドにはiPadも加わることができる。
iPad上にはボリュームのコピーは作られないが、ネットサーバにダイレクトにアクセスして最新のファイルを開くことが出来る
(GoodReaderを経由する必要がない)。
あとiPadのカレンダー(予定表)もMobileMe sync経由で自動同期されるので、他のパソコンと更新を共有できる。

ただ、大学の長期休業時など、大学のパソコンをしばらく同期させないでいると、
同期だけで膨大な作業となり、それでトラブってしまうことがあった。
そこで、パソコンのスケジュール機能を使って、定時に起動・終了するよう設定した。
そうすれば、毎日自動更新され、すべてのパソコンが最新状態のデータとなる(これはバックアップとしても重要)。

だが、実際に起動しているか気になるもの。
そこで、”LogMein”というフリーソフトを使って、ネットで繋がれているパソコンを遠隔操作することにした。
これを使えば、起動している遠方のパソコンのカーソルを動かして、クリック操作もできる(アップデートなどを遠隔で実行できる)。
これらの作業すべてがパソコンからだけでなく、iPadからもできるのがうれしい(LogMeinのiPad版を使用)。
むしろiPadからの方がIDとパスワードが自動で入るのでアクセスが楽なくらい。

というわけで、最新のデータをパソコン間で共有し、あるパソコン画面を他のパソコンで操作するという、
空間的に遠く離れたパソコン間をシームレスにつなぐ便利で安全な環境を実現したのだが、
それを推進させたのが携帯性にすぐれながらパソコンと同様のネットアクセス力のあるiPadなのだ。

iPadはペーパーレスを実現する革新的電子書籍ビューワーでありながら、クラウド化を推進する最も軽いネット端末でもある。
電子書籍に特化したKindleや書類の閲覧に不向きなノートパソコンでは(ミニノートはなおさら)、結局両方持ち歩くはめになってしまう。
iPadのメディアとしての絶妙なスタンスこそ、革新的なのだ。

iPadの真のライバルは実はKindleやミニノートではない。
iPhoneとiPodtouchである。
これらのユーザは、大きさが違うだけで機能が同じiPadを一緒に持ち歩く気はしないだろう。

最後に、iPad購入時に買った方がいい周辺機器を論評する(「前の記事」で)。


iPadに必要な物

2010年10月06日 | パソコン・メディア

iPadを購入する時、同時に買っておいた方がいいのは、画面フィルタ。
頻繁に持ち歩くだけにパソコン以上に画面に傷がつきやすい。
画面に傷がついてからでは遅いので、とにかく同時購入をすすめる。
フィルタの光沢か非光沢かは趣味の問題(私は自分の顔が映るのを見たくないので非光沢)。

それから、本体カバーだが、やはりアップル純正(Apple iPad Case¥3,980)のものをすすめる。
理由は、横置きに対応していることと、背面だけでなく前面のカバーがついていることと、
前面のカバーを後ろに折り畳むと三角形になって画面が傾くので画面の閲覧がしやすいこと。
映像系のソフトは横置きのみに対応しているのをはじめ、縦置きより横置きの方が画面が大きくなって実用的なのだが、
縦置対応のみのカバーやスタンドが多いので注意が必要。

また多くのiPad用カバーは背面だけのものが多いが、
鞄の出し入れ時に、画面フィルタ自体を傷つけることがあるので前面カバーもあった方がいい。
純正の黒いカバーはデザイン的には不満だが、機能的にはこれが一番なので勧める。
なぜ不満かといえば、この黒い両面カバーをしていると、”iPadを持っている”ことを周囲にアピールできないから。
だから逆にそういう”イヤみ”を出さないでさりげなく使うにはいいのかもしれない。
機能よりデザイン(iPadのアピール)を優先する人はいろいろある他社製でいい。

プロジェクタにつなげてプレゼンする人は VGAアダプタ(¥2,980)が必要。
アナログモニタに出したい人はコンポーネントAVケーブル(¥4,800。iPodにも使える。音声も出せる)を使う。
これを使うとテレビがBGMつきの巨大フォトスタンドになる。

屋外でiPadで音楽を聞く時は、ブルートゥース対応のヘッドセット(数千円)を使えば、
とiPadの間は無線状態でいいので、かさばるiPadをバッグにいれたままヘッドホンで聴ける。
私は Jabra Clipperを使っていて、ヘッドホン部分は、以前から愛用している Audio-Technica のノイズキャンセリングヘッドホンをつなげている。
Clipper部分は胸ポケットにしまえる。
もちろんヘッドホンケーブルが長ければ、直に繋げればいい。
とにかくデータ的にはiPadはiPodそのものなので、両方持ち歩く必要はない。

部屋で使う時のスタンド(立て掛ける台)は、上述の理由で縦置き・横置き両方できるものがいい。
純正品やさまざなの対応品があるが、縦置きのみ対応は不便。
100円ショップのイーゼル型の木製品で充分。
縦置きにして、パソコンモニタの横に置き、 有料ソフト”Air Display”を使えば、
パソコンモニタの延長画面として使える。

あと充電用のグッズだが、
電源ケーブルは、同梱されている電源ケーブル以外に、
持ち歩き、あるいはパソコンとの同期(充電されない)専用としてもうひとつあった方がいい。
純正品もあるがもっと割安のもので充分。
一番いいのは、USBケーブル(ハーフ口(くち))とiPod用のアダプタの組合せ(iPadの差し込み口はiPodと同型)。
ハーフ口(くち)のUSBケーブルはパソコンの他の周辺機器と併用できる汎用性がいい(すでに持っている可能性あり)。
それにつなぐiPod用のアダプタ部分は、ショップ99の安物でも使える(同じ99のUSBケーブルの方は充電に使えない)。
これにUSBケーブルを電源コンセントにつなげる500円ほどのタップ(500ミリAではなく1A)を購入すれば、どこでも充電できる。

そしてなんといってもiPadでペーパーレスを実現する「ページスキャナ」
これはパソコンの周辺機器なので正しくはiPadの付属品ではないが…。
富士通・キヤノンいずれも安いものでは一万円台で買える(詳しくは「iPadはこう使う3」)。

逆に意外に不要なのは、外付けキーボード。
つなげる手間があり、そもそも画面キーボードで済んでしまう。

iPadシリーズはこれでおしまい。


中津川温泉でラドンを測りたい

2010年10月05日 | 計測

後期授業開始の疲れを癒すため、
この週末は定宿の中津川温泉・ホテル花更紗に3泊してきた。

連休の前の週で、紅葉もまだのためか、
宿は比較的空いていて、大浴場はたいてい1人だった。

実は今回、大浴場でラドン測定をするのをねらって行った。
というのも、前回利用の7月、浴室の露天風呂にある岩が意外に高い放射線量を示したので(1μSv)、
ぜひ自宅に設置してるラドン測定器を置かせてもらって、実際のラドン量を測りたかった。
ただ、ラドン測定器は移動平均の計測値が出るまでに3日かかる。
今回は3泊するから、滞在期間中ずっと置かせてもらえれば値が出るのだ。

受け付けのカウンターで、上の趣旨を話し、3日間露天風呂の所に置かせて欲しいと頼んだ。
一番の懸念は電源で、露天風呂の所に電源コンセントが1口あるのを知っているのだが、
掃除などに毎日使用されるとなると、計測値の算出が中断されてしまう。

カウンターの人は、スタッフと相談して後で連絡すると言った。
客室で休んでいるカウンターから電話がかってきた。

私が心配した電源に関しては支障はないのだが、浴室は日ごとに男女入れ替えるので、
つまり私が入れない日があるので、盗難などにあっても対処できない。
なので、代わりに成分表を渡すという。

それを聞いて、浴室が男女入れ替えなのをまったく気にしていなかった自分に気づいた。
ただひたすら計測したいという一念で、その支障となるのは電源だけだと思っていたが、
得体のしれぬ機器を女性の入る露天風呂の近くに設置させてくれという要望は、
いかにも問題がある。

少なくとも女性客がその機器を見つけて不審に思ってもおかしくない。
そう思うと、私の申し出は断られて当然で、断らない方が無防備で心配なくらいだ。
私は、素直に返答に従った。

そしてラドン測定器を客室内にセットした。
3日目、やっと値が出た。
111Bq/m3
名古屋宅のおよそ二倍だ。
やはりそれなりにラドンが出ている。
う~ん、やっぱり浴室内を測りたい…。


災害伝言ダイヤル

2010年10月02日 | 防災・安全
大きな地震災害があった地域は、いろんな理由で電話が使えなくなる。
でもその地域にいる知人の安否確認をしたい。
そこでNTT(東西)では、「災害伝言ダイヤル」なるものを設けて、
それぞれの家庭が自宅の安否情報を録音して、外部の人がそれを確認できるようにしている。

もちろん、災害時にのみ開設されるサービスなので、平時は使えない。
となると、いざ災害時になっても、その存在を失念したり、使おうと思っても手間取ったりしてしまう。

そこで毎月一日は災害伝言ダイヤルを試しに使えるようにしてある(他にも防災週間などで使える)。

後期に防災の授業をしているので、10月1日に受講者に体験を指示し、レポートを書かせる。
もちろん、私自身も実家との間で、試用してみた。

はっきり言って、マニュアルを見ながらでないと使いにくい。
マニュアルを印刷して電話のそばにおいて置くことをお勧めする。
マニュアルはNTTのサイトにある(PDFになっているのは東日本)。

未体験の人は、来月1日に体験をしてみよう。
災害伝言ダイヤルの番号は、「171」(イナイ)
もちろん携帯電話からでも使える。