久しぶりに歩きたくなった。
陽気がいいので、里山歩きといきたい。
里山歩きといえば、狭山丘陵にひろがる「トトロの森」周辺が思い浮かぶ。
先週から、狭山湖と多摩湖の間にある山口観音に行きたくなっていた。
山口観音は昔に行った覚えがあるのだが、狭山湖・多摩湖は観光地ではないので、いつ、何のために、どのルートで行ったのか覚えていない。
それがために、尚更心にひっかかっていた。
地図を見ると、山口観音に隣接して狭山不動尊というのもあり、堂塔がひしめいているらしいので、ますます心引かれる。
そして、トトロの森1号地が近くにある。
狭山丘陵に点在する「トトロの森」は、公益財団が、ジブリ映画『トトロの森』の舞台となった狭山丘陵の自然を守るべく、土地を購入して、保全している森のこと。
今まで、多摩湖の東側と狭山湖の北側に行ったが(→トトロの里を歩く2),
記念すべきこの1号地には行ってない。
ということで、以上を含む狭山湖の東縁を歩くことにした。
日曜なのに試合のない「西武球場前」に降り立ち、道をわたってファミマでおにぎりと飲料を調達。
昼食をちゃんとした地元の食堂でとりたいとも思ったが、
アウトドア派の私としては、せっかく狭山湖に行くので、湖畔で湖面を見ながらおにぎりを食べたい。
道沿いに進むと、すぐに狭山不動尊(狭山山不動寺)の境内に入る。
丘陵の上にいろいろな堂塔が点在している。
不動尊というが天台宗の別格本山で、山上にある比叡山を思い浮かべる。
不動尊の境内を抜けて更に南下すると、山口観音(金乗院放光寺)の境内に入る。
こちらも堂塔が山中に点在し、真言宗だというので、高野山を連想。
かように両寺を訪れることで、なにか得した気分になる。
この山口観音に白馬の木像があり、これが以前訪れた時の唯一の記憶だった〔写真)。
それは新田義貞の愛馬を模したものという。
新田義貞は、鎌倉責めの時、この当りから多摩川にかけて(今の東京都を南北に横断して)北条氏の幕府軍と戦い、かれらを撃破したのだ。
なので狭山丘陵周辺には義貞の史跡や古戦場が点在している。
境内から出て、自動車道路に沿った遊歩道を進むと、狭山湖の堰堤に出る。
埼玉県の狭山湖と東京都の多摩湖は、ともに狭山丘陵中央に造られた人造湖なので、たとえば狭山湖はその東縁が直線上の堰堤になっている。
堰堤手前の四阿に腰掛けて、西方の奥多摩の山を眺めながら、おにぎりを頬張る。
堰堤の東側、すなわち湖の反対側を下って、道路に出る。
ここから少し奥に入ると、民家の庭先に、トトロをかたどった植木があるのだ。
観光地ではなく完全な民家なので、遠慮がちに写真を撮る〔写真)。
ここからさらに東の平地を歩き、北の丘陵地帯に方向転換すると、
「生きものふれあいの里」という自然が残された谷地になる。
そこにトトロの森3号地がある。
すると、突然、胸からさげていた「ばけたん霊石」(霊の探知器)が、赤と緑の点滅をし始めた。
赤は良くない霊がいるというアラート(警報)だ!
ばけたんは、スイッチをいれなくても、自ら何かを検知すると、こうして自発的に光るのだ。
ただ、今回はどうも反応がおかしい。
道を更に進んでも、赤と緑の点滅が止るどころか、いっこうに止らない。
さらに奥のトトロの森1号地にはいっても、ほんらいはのどかな里山なのだが、
ばけたんは狂ったように点滅をやめない。
ボタンを押してても、点滅が止らなくなった。
悪い霊の接近を探知した場合、本来なら、ボタンを押してバリアを張るのだが、
制御不能になってしまった
実は、ばけたんがここに来てアラートを発したのには、心当たりがある。
というより、その心当たりのために、こうやってばけたんを装着してきたのだ。
私が、この地を歩きたくなったのは、先週末、この地を地図で見たからだ。
なぜ地図でこの地見たかというと、
5月30日に、埼玉県所沢市上山口の山林で、キャミソールを着けた白骨遺体が発見されたのだ。
その地名の山林ということろが気になり、その地名を地図で探したら、トトロの森1号地があった。
さらに、その地周囲を見て、そういえば、このあたり前から行ってみたかったことを思い出したのだ。
そういうことで、本日、自分自身は、狭山不動と山口観音をお参りして不動明王と観音菩薩の守護を得たつもり。
そしてばけたんを胸からさげて、警戒していた。
すると案の定、ばけたんはそこに達して強力な警報を発した。
すでに遺体は、この地にないのだが、
ばけたんが制御不能になるまで、強いアラートを発したということは、
その地にばけたんが探知できる”何か”がまだ残っているのだろう(遺体は数年間そこにあったのだから)。
この地は、きちんとお祓いをした方がいいと思う(私はピンポイントの場所がわからない)。
1号地から森の中を道伝いに行くと、堀口天満天神社の道と合流する(写真:左の土の道が1号地からの道)。
現地から一番近い寺社であるこの神社で改めてお祈りをした。
さらに北上して、藤森稲荷神社を詣で、全徳寺とその観音堂を詣で、
最後に小手指の鎮守たる北野神社(ここも新田義貞ゆかりの地)を参拝した。
ここまですれば、私自身も浄められたろう。
気づくと、ばけたんはいつの間にか、点滅をやめていた。
というより電池が切れていた※。
前日、新しい電池に入れ替えたばかりなのに。
北野神社には、藁で作られた神馬があった(絵馬の元型という)。
神社前から西武バスに乗り、小手指駅前の「ぎょうざの満州」で、餃子を肴にグラスビールで咽喉を潤した。
帰宅して、一応、湯で体を浄めた後、仏前で陀羅尼を唱えた。
※夕食後、ばけたんの電池を確認したら、電池切れではなかった。
ただ、通電すると、相変わらず、赤と緑の点滅が止らない。
あの地で、突然回路が故障してしまったわけである。
赤と緑の点滅は、赤(悪い霊)と緑(正常化)とのせめぎ合いと解釈できる。
ばけたんが身を挺して、私を守ってくれたのかも…。
長年(全世代)のばけたん愛好者として、初めての事象。
後日、今年発売された、ばけたんの最新バージョン(霊石kai)を購入した。