暑くなる時期、室内の鉛直温度分布を座った位置から細かく測定したかったからだ。
この温度計のレーザーはあくまで測定先をピポイントで確認するためだが、
肝心のセンサー部分はどこまで届くのか。
他の赤外線温度計(サーモグラフィ)では、雲底温度も測れるらしい。
この計器ではどうかと思い、
頭上の曇天の雲底に銃口のようなセンサー部分を向けて、
引金状のスイッチを押すと、「17.8℃」という温度表示が出た。
ちなみに地上の周囲の気温は21.5℃。
わが私設気象台の露点温度から雲底高度を計算すれば、
地上から雲底までの気温減率が計算できる。
これは楽しい。
雨が明けた今夕。
頭上の青空に放射温度計を向けてスイッチを入れてみた。
すると値は「-45℃」。
「これはすごい!」と思わず叫んだ。
上空12000mの230hPa面近の温度だ(浜松のエマグラムで確認)。
成層圏近くまでセンサーが届いたらしい(ちなみに測定できる低温限界は-60℃)。
これを使えば山麓から山頂の山肌の温度も測れるかもしれない。
火山も測り甲斐がある。
箱根の大涌谷で測ってみたい(測定できる高温限界は500℃)。