ぶらり途中下車というか日帰りの街歩きの旅シリーズの今回は、
千葉県の佐倉。
ここは佐倉藩の史跡(幕府の老中堀田氏関係)と堀田氏が奨励した蘭医学の順天堂が残る。
そして何より、歴史博物館の総本山「国立歴史民俗博物館」が佐倉城趾の森に鎮座しており、
ここを見るだけでも行く価値があるというもの。
そのほかに佐倉といえば、義人佐倉宗五郎だが、その史跡はちょっと遠い。
あと藩校の伝統をひく佐倉高校には現代の伝説・長嶋茂雄の展示物もあるという。
せっかく初めての街を訪れるのだから、地元ならではの昼食をとりたい。
ネット検索の結果、房州屋の「とろろそば」(700円)に決定。
佐倉は総武線よりも京成特急の方が所要時間も短く安くて散策路に近い。
昼前について、まずは駅前の観光案内所で観光地図(これは必須)をもらい、房州屋に直行。
運悪く昼時なので、満席で、さらに待っている人が十名弱。
でもせっかくなので待ち行列に加わる。
秋葉にやってくる地方人が「じゃんがらラーメン」に並ぶようなもんだ(地元東京の人間は他の店を使うが)。
30分ほど待って、印旛沼の船を模したざるに盛られた蕎麦を地元産のとろろのたっぷり入った蕎麦つゆですする。
満足して店を出る。
この店は丁度市内の中央地点なので、散策ルート上では最初に寄るべき所ではないのだが、腹時計との関係で最初の訪問先とした。
さて、歴博を目指す、悲しい伝説のある姥が池を通り、博物館へ。
特別展もやっているが、時間の節約上、常設展だけを観る。
縄文・弥生、そして古墳時代と見ているうちに頭痛がしてきた。
長時間見すぎたためかとおもって、平安以降は急ぎ足、近世以降はオミットして、
どうしても外せないミュージアムショップに急ぐ。
全国各地の歴史博物館の特集冊子が販売されている(東京低地中世史の特集を購入)。
また非売品の平田鉄胤(篤胤の養子)の復刻書があって、
しかも値札の5割引だったので購入。
あと埴輪の人形に、信州尖石考古館にある「縄文のビーナス」のレプリカがあったので、その小型を購入。
貧乏な頃は、こういう所では”絵はがき”くらいしか買えなかったが、
今では数千円のものも迷わず”大人買い”できるのが我ながらうれしい。
外に出て、ハンチングを取ると、頭痛が消えた。
頭痛は伸縮性のあるハンチングのせいだとわかった(たいていの帽子は小さすぎなので)。
公園化している佐倉城趾をぐるっとまわって、三軒並ぶ武家屋敷に直行。
関東で武家屋敷が残っている所って珍しい。
そして手持ちの地図と持参したハンディーGPSをたよりに近道して堀田邸に。
まぁ、民家って、どんな豪邸でも、たいして見る物ないが。
さらに順天堂記念館では、幕末の頃の手術道具などの展示をみる。
ここでは華岡青洲の麻酔は副作用が強いということで、患者の生命力を頼りに麻酔なしで手術したという
新選組を蔭から支えた松本良順もそういえば順天堂の佐藤家の一族(松本家に養子)で、彼の筆による扁額もある。
ここを見たところで、夕方になり、タイムオーバー。
今日は、あわよくば、さらに京成に乗って宗吾祠堂と成田山にも詣でようと目論んでいたが、
やはり歴博を見ると無理。
堀田氏類代の墓所(甚大寺)を足早に見て駅に戻った。
今回は徒歩で通したが、効率的にまわるには、駅前の案内所でレンタサイクルを借りるか、
1時間おきの観光巡回バスを利用するといいようだ。
今度来る時があれば、歴博のレストランで”古代米”のカレーライスを食べてみたい。