今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

防災体験学習施設

2011年08月31日 | 東京周辺
8月最後の日というより,9月1日の「防災の日」を前にして、
お台場の東京臨海広域防災公園内にある「そなエリア東京」という防災体験学習施設を訪れた。
ここは想定される首都直下型地震の際、「緊急災害現地対策本部」が設置される所。
本部が設置される広大なオペレーションルームには、映画に出てきそうな巨大モニターやずらりと並んだカウンターがある(写真)。
イザという時、心強い。

平時の見学者にとって目玉なのはその震災の「体験ゾーン」。
ここはリアリティあるジオラマの中を、見学者各自、 手渡されたDSでクイズ形式の行動選択をするというもの。
20-30分ほどで終わってしまうが、せっかくならもっと細かく体験したいものだ
(地震体験や煙体験だと他の防災センターとかぶってしまうか)。
なにしろ他に見学に値する所がないから。

お台場エリアは埋め立て地なので、液状化が心配されるが、
ここらの巨大構造物は、地中深く杭が打たれてあるという。
でも道路は液状化でガタガタにならないのかなぁ。
もっともここは空輸と海上輸送の基地になるらしい。
目の前の癌研病院も救急病院に早変わりする。

ここに行くには新交通システムの「ゆりかもめ」を利用したのだが、車窓からの風景はどうしてもなじめない(夜景がきれいなのは認める)。
良く言えば”未来都市”的だが、無機的で雑然としてサイバーシティ的な異空間だ。
できるだけ滞在時間を縮めたいと感じるのは、巨大地震に脆弱そうな土地に対する動物的本能によるものか。
いや、単に里山や”武蔵野台地”的風情が好きなので、その逆の海抜すれすれの地が苦手なだけか。

とにかく新橋の地上に出てホッとした。



惜夏の一日

2011年08月28日 | 時事
8月最後の日曜、子どもたちの夏休みも今週で終わりだ。
往く夏を惜しむ気持ちで、近所の諏方(すわ)神社の夏祭りに、7歳の甥(弟の子)を連れて行った(写真)。
今年は写真にある通り、「東日本大震災復興祈願」が掲げられていることもあり、大神輿は自粛。
「ワッショイ」の掛け声や山車の太鼓の音が一帯に響かないのは寂しいが、それでも出店は例年通りの賑わい。
甥っ子は本殿への参拝も早々に、境内から外の通りにひしめく出店を目ざして、雑踏の中に紛れ込む。
大人はあわててその後を追う。

甥っ子のお目当てはかき氷。
近くの寺の境内に設けられた簡単な縁台に腰掛け、甥っ子は冷たいかき氷を、大人は熱いたこ焼きを頬ばる。
それからも輪投げ・的当、金魚すくいを堪能したので、帰りは、おもちゃのピストルと手錠、それに金魚4匹と荷が増えてしまった(出店の人たちも小さい子にはけっこうおまけをしてくれる)。
帰宅後は、二人してiPadのゾンビ・ゲームに興じる。
甥っ子とこれほどまでに一緒に遊べるのは夏休みならでは。

夜は、弟一家が1ヶ月遅れの私の誕生会を催してくれた(姪の急病のため延期していた)。
昨晩は、1ヶ月遅れの隅田川の花火の音を聞いた(わが家からは音だけなら聞える)。
これで今年の夏も終わりかぁ。

玄関先にアブラゼミが死んでいた。





局地的大雨に遭遇

2011年08月26日 | お天気
図書館からの帰り、地下鉄の西日暮里駅から出たら、ものすごい豪雨。
傘を持っていたので、そのまま歩いたが、
あちこちの道が川状になり、道の合流地点は池状に。
幸い夏用のサンダル履きなので、水の中をジャブジャブ平気で進む。
だが、傘はまったく役立たず。

家の近所は、幸いなことに水は溜まっていなかった。
昔は、よく内水氾濫をおこし、大水になっていたのだが。

家に入ると、「傘持っていかなかったの?」と聞かれた。
それほどまでに、全身ずぶ濡れ状態。
でも夏の雨で、しかも水はけのいい服だったので、不快感はなかった。

さっそくわが「ひぐらし気象台」をチェックすると、
瞬間風速に当たる「瞬間降水強度」はなんと174mm/h(15:26)。
10分雨量でも14mmを越えたので、時間雨量にして、50mm越えるかも。
そうなったら災害が発生しうる雨量である(都心で55mm/h、練馬で90mm/hだった)。
レーダーエコーを見ると、神奈川北部から東京区部にかけて東西に伸びた線状エコー(積乱雲列)が東進しているのがわかる。
マスコミは自分らの造語”ゲリラ豪雨”(気象用語ではない)と騒ぎたてること必至。

ノイズキャンセリングヘッドホンはセミに弱かった

2011年08月24日 | 生活
騒音の中でもボリュームを上げずにすむノイズキャンセリングヘッドホンを愛用している。
今日、図書館を出て、公園の蝉しぐれの中、ヘッドホンをつけ、ノイズキャンセリングのスイッチを入れたら、周囲の雑音を消すはずのヘッドホンからザ・ザ・ザという雑音がする。
これは壊れたかと思ったが、なんか雑音のリズムと周囲の蝉しぐれの強弱がシンクロしている気がする。
とりあえずヘッドホンをつけてpodキャストを聴きながら公園の中を進んだ。

近くの木ではミンミンゼミがひときわ威勢良く鳴いている。
するとミンミンゼミのリズムにシンクロするようにノイズが強まり、ほとんど番組が聞こえなくなった。
ノイズキャンセリングヘッドホンは、ミンミンゼミの近くでは使えないことが分かった。

そもそもノイズキャンセリングの原理は、外からの音波の逆位相を発生させるもの。
実際の音にその逆位相の波を合成すると、互いの波が打ち消し合ってゼロ(無音)になるのだ。
(物理的にエネルギーのある2つの同じ純音(正弦波)を、片方を半歩分タイミングをずらして合成すると、たちまち音がこの世から消えてしまう!)。
ところが、セミの音の波形では、少なくとも我がノイズキャンセリングヘッドホンでは、
その逆位相もセミの音質に近いノイズになってしまうらしい。

セミのあのうるさい音は、捕食者の鳥をかく乱する効果があるという。
おそるべし自然の叡知。

(奥)軽井沢につかぬまの避暑

2011年08月23日 | 

毎年利用している"ホテルグリーンプラザ軽井沢"(群馬県嬬恋村鎌原)に、今年は、母と弟一家とを伴って2泊してきた。
私と7歳の甥っ子の柊(しゅう)ちゃんだけは新幹線で、他の4名は弟の車で往復。
普通の客室よりは鉛直に広めのメゾネットルームを2つ取り、あと隣接する「おもちゃ王国」で丸一日遊ぶプランにした。
メゾネットの広さを利用して、柊ちゃんとミニヘリを飛ばして遊んだ。
食事はもちろん朝夕ビュッフェバイキング。
ここのバイキングは、種類も多く、しかも地元の高原野菜をふんだんにつかい、料理もそれなりに凝って、”安っぽさ”がまったくない。
休暇村より数段ハイレベルで、同じグリーンプラザ系列でもハイレベルに属する。
なので初めての弟一家も大満足。
私自身今回初めてなのは、地元産のトウモロコシが生で食べれること。
ホントに新鮮でみずみずしい。

それだけでない。
何しろ浅間山北麓の標高1000mの広大な森の中(おもちゃ王国の観覧車に乗って実感:上写真(クリックで拡大))。
気温は高くて20℃。
もちろんこの気温が心地よく、だから尚いっそう、帰京した時の31℃の熱気を浴びたら、回れ右して戻りたくなった。
なるほど軽井沢(周辺)は避暑地に最適なんだ。
ちなみに、この2晩にiPadで観たレンタル映画は「ジャージの二人」(嬬恋村がロケ地)。

残念ながら、私の短い夏休みはこれで終わり。
明日から、平常モードに戻る。


最後の熱波?

2011年08月18日 | お天気
今日、東京のわが「ひぐらし気象台」は午前11時台に38.3℃に達した。

ここのところ、気温は30℃を越えていても、吹き抜ける風が心地よく、さすが立秋すぎると違うと思っていた。
ところが、今日は、風が熱風となって襲いかかってくる。
外出したくなかったが、お気に入りの木製腕時計を修理するため、午後、外に出た。
日射は日傘で防御するも、熱風には無防備なため、あっという間に汗がしたたり落ちる。

かように外出すべき気温でないから、消費電力も上がり90%に達したようだ。

でも北日本で大雨を降らせている前線が南下するので、秋の気温になっていくだろう。

電磁波を測る

2011年08月17日 | 計測

3軸センサーの電磁波測定器を買った。
何しろ、空気中の”見えないもの”を測るのが大好きで、
温度・湿度・気圧などの気象計から始まり(観測情報は常時ネット配信中)、
手持ち風向計、軍用方位計(遠方の対象の方位がわかる)、UVセンサー、GPS受信器、
そして放射線測定(ガイガーカウンターとラドン測定器)にも手を伸ばした(今年になってこんなに役立つとは…)。
ついでに「お化け探知器」なるものも持っている。

家の中の電磁波を測定してみると、ブラグが複数差し込まれたコンセントの周囲で電磁波(磁場)がかなり強く、軽く0.4μT(危険値の目安)を越える。
ただそこから30cm離れると値が0になるので、コンセントに身を寄せて生活しなければ問題ない。
また同じ液晶でもパソコン用よりテレビの方が画面からの電磁波がずっと強い。

室内を測るのもいいが、測定オタクとしては、世の”パワースポット”なる所の空気を測りに行きたい。
持参するのは、ガイガーカウンター(霊験あらたかな石は自然放射線の値が高いかも)、電磁波測定器(パワーは電場か磁場で捉えられるかも)、そしてもちろん、お化け探知器。


MacOS10.7 Lionでできないこと

2011年08月16日 | パソコン・メディア

最新のMacBookAirを購入すると最新OS(Lion)がインストールされている。
一般的には、OSは進化しているほど使いやすいのだが、逆に切り捨てられる機能もある。
以下の点を、アップルストアのテクニカルサポートに予約して確認した
(ちなみに予約時間に5分遅れたばかりに2時間も待たされた)。

1.一箇前のOS Snow Leopardに搭載されていた PowerPC時代のアプリを動かす機能(Rosetta)が削除されてしまった。
なので昔から使い続けている一部のアプリとそれで作ったファイルが使えない。
個人的には、 Apple Worksのドロー(簡単な作図に便利)が使えないのが痛い。
その他ずっとアップグレードしていないアプリ(Photoshop、 FileMakerなど)も有料アップグレードしないと使えない。

2.OSの再インストールは、再起動して隠しボリュームを選んでできるという触れ込みだが、実際には、アップルとつなげるための無線LAN接続が必要で(LANケーブルの差し込み口は無い)、しかも無線LANならどれでもOKというわけではない。
実際、家で使っている環境では使えない。イー・モバイルなどもダメ。
これは要改善だ。(※USBメモリ版が発売されたそうだ。6200円もするが)

特に1.の点で、私にとってはメインのOSにすることはできない。
最低限過去のApple Worksで作ったファイルをすべて移行しないと…。


脱マウスの流れ

2011年08月14日 | パソコン・メディア

iPad(iPhone)に慣れてくると、パソコンの操作時も画面を指で触りたくなってしまう。
目的の挙動と指の動き(操作)がマッチしている方が”思い通り”なので体感的に快適なのだ。
マウスは、キーボードだけの操作よりはそれに近いが、iPadの操作と較べると雲泥の差。

というわけで、自分のパソコン(Mac)もマウスをやめて、 外付けのマジック・トラックパッドに切り替えている
(ノートパソコンにはすでにトラックパッドがついているが、お世辞にも使いやすいとはいえず、かえってマウスを使っていた)。

新OS(Lion)だと、トラックパッド上での指の操作が豊富になり、操作感覚的にiPadに近づいた。
もともとiPadこそ、(1960年代にアラン・ケイが構想した)パソコンの理想に近い姿なのだから、これからはiPadがパソコン(のユーザ・インタフェース)をリードする位置になろう(電子書籍だけの用途ではもったいない)。
文字入力もiPadの方が古くさいタイプライターのキー配列に縛られないので、携帯電話での文字入力に慣れた人にも楽。
実際、 qwertyでのローマ字入力って、もうとっくに慣れたけど、非効率的であることには変わりない。
もっとも20インチ以上のパソコン画面を指で操作するのもこれまた非効率的(実はマウスも非効率的)。
なので、パソコンにはトラックボール(効率的な操作なので一時、愛用)の後継ともみなせるトラックパッドが適しているだろう。


『人は放射線になぜ弱いか』:書評

2011年08月11日 | 作品・作家評

『人は放射線になぜ弱いか』第3版 1998年(最新刷は2011年4月)
近藤宗平 講談社(ブルーバックス) 980円+税
この本の副題は、「少しの放射線は心配無用」

放射線関係の本で、書店で平積みされているのは”放射線の恐怖”を強調したものばかり。
ただ、それらの著者は原発の専門家かもしれないが、放射線と健康(放射線医学)の専門家ではない。つまりその分野の素人に等しい。
それに対してこの本の著者(大阪大学医学部放射線基礎医学元教授)は、福島第一原発事故発生直後の2011年3月に記された最新刷のはしがきにおいて、「今回の被ばくは生命に危険を与えることは全くありません。本書はその科学的根本をしたためています」と明言している。
そういう立場の数少ない本。

原発問題は単に災害の問題だけでなく、政治問題でもあるので(経済問題・軍事問題を含意している)、私自身このブログではタッチせず、あくまで放射線の数値の評価に徹していた。
数値によって評価が変わるからだ。
こんなのは医学では常識なのだが(毒か安全かは量で決まる)、素人の世界では、放射線は0でなく存在しただけで恐怖の的となっていた。書店に並ぶ本もそれを積極的に後押ししているものばかり。
その”恐怖”の根拠は、「直線しきい値なし仮説」(放射線はどんな微量でも毒があり、安全値は存在しない)というもので、放射線防御の指針として国際的に採用されているのだが、実証的根拠に基づくものではないことは専門家なら知っている(防御の指針として有効なのは確かだが、世間はこの仮説を”事実”だと思い込んでいる)。
この仮説を遺伝学・医学の視点で批判的に扱うこの書は、書店の”福島原発”コーナーには置かれていない(通常のブルーバックスの棚にある)。

実は著者自身、この本の初版時に「(放射能泉である)ラジウム温泉は害ではないのか」と質問され、その場では「害である」と答えたそうだ(直線仮説によればそう答えるのが当然)。
ところがそのような実証データはなく、数百年前から多くの人がその種の温泉に平然と親しんでいる(むしろガンが治ったなどという噂があるのはラジウム温泉だけ)。
それ以来、著者は、低線量放射線の健康についての研究データ収集にいそしみ、その結果、本書を書き改めたそうだ
(私がむかし読んだのはこの本の初版だったと思う。その時はたいした印象に残らなかった)。

この本は、なにせブルーバックスの一冊なので、好き勝手に書き放題の他の新書よりは、きちんと科学的な態度に貫かれている。
放射線の人体への影響や発がんメカニズムがわかりやすい図入りで解説されているので、けっこう理解しやすい(内容はそれなりに専門的だが)。
新たに加えられた最終章(私が読んだ版にはなかった)には、ホルミシス効果に関心がある人ならご存知かもしれない、長崎の被爆者群の方がそうでない群よりも60歳以上の死亡率が低いデータも示されている。
あと放射性セシウムについて、「『これに汚染された野菜や肉を食べると、体内が三〇年間も放射能で汚染される』。これは素人と脅かすのによく使われるつくり話である」として、チェルノブイリ事故の際、一年後には体内のセシウムが漸減に転向したハンガリーのデータを示している。
もっとも著者は、放射線が人体の細胞に傷をつけるのはまちがいないとし、細胞レベルでは「直線しきい値なし仮説」を認めている。だが、細胞レベルで作動する修復メカニズム(これが発見されたのは最近)により、じっさいに障害を起こすことはなく、結果的には低線量でのしきい値(これより以下は無害)の存在を主張している。

このように主張が一貫しているだけに、かえって中立公平な立場とはいいがたい印象を読者に与えるだろう
(いいかえれば、昔の直線仮説を信じて最近のデータを無視する”放射線怖い”だけの書も中立公平でない)。
その点では私の一番の推薦書『放射線と健康』(舘野之男。岩波書店)のスタンスの方が受入れやすい。
また、このブログで最近紹介した『放射線および環境化学物質による発がん』(佐渡・福島・甲斐編著。医療科学社)では、異なる立場間での議論もされ、その中で近藤氏が主張の論拠としているデータの信頼性に疑問が呈されている。

なので、本書は、”放射能”を無条件に怖がる(非科学的)立場を相対化するための最初の書としては説得力があるが、
さらに冷静中立な立場に達するには、他の2書の方へも手をのばしてほしい。

とりわけ「少しの放射線は心配無用」というが、その「少し」って具体的にどの程度の値なのかについて明言がないのも、読後の不満に残るかもしれない。
もっとも、一般に「低線量」は100mSv以下をいうから、少し=100mSv以下とみなしてよいのだが、個人差(特に年齢差)があるはずの現象において、特定の数値が独り歩きするのを避けたかったのだろう。

ちなみに、その”低線量”放射線と健康の問題に特化した書には、専門向きだが『低線量放射線と健康影響』(独立行政法人放射線医学総合研究所編 医療科学社 2007年)がある(このブログで紹介するのは初めて)。この書も、複数の視点から論じられている。

みなさんも、複数の立場からの(新しいデータによる)論拠をそれぞれ理解して、最後は自分の頭と数値で判断できるようになってほしい。


「東日本大震災、その時企業は」の書評付き

2011年08月10日 | 東日本大震災関連

研究費(大学の教員が個人の研究用に使える予算)で注文していたMacBookAirが届いたというので、慌てて名古屋に戻った。
東京の図書館で仕事するのに、ノートパソコン(MacBook)を持ち歩いていたが、いかんせん重くて、
図書館帰りに秋葉に買物に行く時は特に重くてつらかった。
なので、実用レベルの性能になったMacBookAir新製品が出る今年の夏を狙っていたのだ。

といってもそれを取りに行くのに往復運賃2万も使うのはもったいない。
なので往きは新幹線を使ってあちらの棲み家に泊まり、
翌朝、 Airを受け取って18きっぷでゆっくり帰還。

東海道線で名古屋から戻る時は、いつも浜松で途中下車して、
浜名湖漁協の浜名湖産のうなぎ弁当を買って食べることにしている。

あと中央線経由とちがって、山岳風景に気を取られることがないので、
ずっと読書に集中できる。
6時間もあるので、新書だったら複数読める。
(かつてこの時間を利用して読んだのは『カラマーゾフの兄弟』、『ドグラ・マグラ』、『死霊』、それにフッサールの著作など多数)

今回読んだうちの一冊は『東日本大震災、その時企業は』(日本経済新聞社 日経プレミアシリーズ。¥870+税)。
これからの”防災計画”には、災害後の事業体ごとの”災害復興計画”が重要になるので、
災害後の事業復興の実例を知りたくて読んだ。
33社(メーカー中心)もの実例と経営者のインタビューの構成なので、広く浅い内容だが、それらにけっこう共通していたのは、
●現場の臨機応変な対応力(現場力):本社の指示を仰がずに最適な判断と行動ができる
●震災復興に対する私企業の枠を越えた公共意識:自分たちが被災者を救うんだという意識
●今こそ”恩”を返す時という気持ち:恩というのは、関西企業の場合は阪神大震災で受けた援助の恩であり、他の企業の場合は東北の顧客の日頃の愛顧に対する恩。

確かにこの震災中でも日本人のモラルが健在だったことは、世界が称賛した通り。
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(M.ウェーバー)、いや江戸時代の三河の禅僧・鈴木正三(しょうさん)の勤勉思想を彷彿とさせる倫理観。
日本人にはこのモラルが生きているので、復興は確実であると、グローバルの視点にたつ経営者たちは太鼓判を押す。
日本企業の”現場”の力はかくもすばらしいが、その分、国の指導者のレベルが低すぎなのが残念。
徳川家康のような、スバ抜けたリーダーって出ないものか(こういう人物を輩出するには100年もの戦国乱世が必要なのか…)。


除染手伝います(ボランティア)

2011年08月09日 | 東日本大震災関連
放射線関連のブログ(情報提供)を終了する理由は、今後はひたすら除染しかないと思ったからだが、
コメントをいただいた読者とやりとりしているうち、
その除染作業の手伝いならできることに気づいた。

除染にはマンパワーが必要なのだが、まず業者は嫌がり、ボランティアも集りにくい。

むしろ私のような立場の人間なら、自分で危険を判断できるし、防護対策でもできるので、臆せずにお手伝いできる。
ただ、マンパワーとしては、年相応の筋力と素人レベルの技能なので、屋根上の作業などは勘弁願いたい。
地面付近を一緒になって作業するレベル。
それでも、どこをどう除染したらいいかは、少しはアドバイスができそう。
ただし、個人ができる除染作業は、そうすごい効果は期待できないので、効果を保証するものではない。

幸い、夏休み中なので(9月4日まで)、日程に融通がきく(ただし、8/19-23の間は不可)。
もちろん対象は福島県で、空気中の線量が1μSv/hを上回っている地域。

当方の都合をいうと、車がないので福島まではJRで行く。
マスクやゴム手袋(+ガイガーカウンター・昼食)など個人装備は持参するが、デッキブラシやビニール袋などは必要とあれば用意してほしい。

希望者はまずはこのブログのコメント欄か、下記にメールしてほしい。
yamaneich@gmail.com

放射線関係の記事終了

2011年08月06日 | 東日本大震災関連
名古屋のテレビ局のテロップで、そして京都の大文字焼きの燃料の松の選定で、
岩手が放射能汚染地と思われていたことがわかった。
もともと西日本の人にとっては、東北地方は十把ひとからげで、岩手も宮城も福島も区別がつかないふしがある。
外国人が”福岡”産も危ないと思ってしまうようなものだ。

私は原発事故以来、ずっと具体的な放射線量にもとづいて議論する必要性を強調してきたが、
事故から5ヶ月になる今になっても、世間は放射能の”影”を見ただけでも恐怖におののく状態のまま。

なぜ、放射線(の人体への影響)の科学的知識を得られる新書レベルの本すら読もうとしないのか。
結局は他人事で、周囲と一緒になって怖がっていればそれで安心なのだ。
(線量計を買った人は、自分の生活圏の線量を測り続けてみてほしい。
我々はnSv/hレベルの放射線とともに生きていることがわかるから)

原発事故に関する放射線の問題については、書きたいことはほとんど書いた。
多くの人の助力で細かな線量マップはできたが、もうその段階は終わった。
μSv/hレベルの所で除染が進まない状態では、あらたに測定する意味がない。

なので、放射線関係の記事は終わりにする。

本当は、読者の皆さんと安堵の喜びを分かち合って終わりにしたかったのだが、
それはとうてい無理だということがわかった。

この数ヶ月間、ご愛読ありがとうございました。

18キッパー中央線を走破

2011年08月05日 | 
名古屋からの帰京に「青春18きっぷ」を使うのだが、
5回のうち1回は、東海道線ではなく、中央(東・西)線を使いたい。
名古屋からなら、東濃・木曽路を経て塩尻で乗り換え、諏訪から甲斐路を経て高尾で乗り換える。
木曽路の「薮原」と八ケ岳山麓の「富士見」付近の2箇所で標高900mを越える高原の旅だ
(写真は車窓から撮った木曽川の奇勝・寝覚ノ床)。
夏では無理だが、冬なら中央アルプス・御嶽・北アルプス・八ヶ岳・南アルプス・富士と、最高の山岳展望の旅となる。
その間、車内では読書とハンディナビによる車窓の情報チェックを交互にする。
東海道線と違い、接続がよくないのが玉に瑕で、塩尻で1時間近く待つ。
その間、改札を出て信州そばを食べる。
合計9時間もかかり、さすがに疲れた(ただ座っていただけなのに)。

ただ、この旅のメリットは、もちろん新幹線(2時間)より8000円もお得なのと、
あまりに長時間の電車旅行だったため、この夏、もう旅行は満腹となる点にある。

前期完全終了

2011年08月04日 | お仕事
昨日は補講を3コマ(4時間半)やって、
夏期休業初日の今日は、残った実習の採点と、全ての担当科目の成績つけを終えた。
八月に入ってからの夏期休業は最近の大学ではめずらしくない。
昔より授業がぎっしりなのだ。

採点を終えたということは前期授業の作業を全部終えたことになる。
会議もない。
これから約一ヶ月は、ほぼ完璧に自分の時間となる。
もちろん、大学人だから、自分の研究に没頭できる貴重な時間を意味する。
自分の本来の”仕事”に集中できる期間だ。

帰宅してエビスビールで祝杯。