某大手テレビ局の特番で予定している、芸能人に廃虚をお化け屋敷として体験させる番組作りに協力してほしい、
というメールをもらった。
その企画があまりにもつまらないので(特番でやるほどのモノか?)、
”こんなくだらない事にまじめな研究者を使わないでよ”という思いで、表面上は丁寧な断りのメールを返した。
私の経験では、東京MXテレビの取材はまじめな内容なので受け、
私の取材を含めて作られた番組は、
授業の映像教材に使いたいほど完成度の高いものだった。
ところが、大手テレビ局(民放)からくる取材って、あまりに”痴的”で、
協力して名前を出されては不名誉と感じてしまう低俗な企画ばかり。
日本のメジャーなテレビ番組の創造性と知性の無さを、
私なりに絶望的に実感させられている。
ちゃんと学校を出て行いても、テレビ局に入ると、
知性とは正反対の能力しか使わないようだ。
その真の原因は、ハナから視聴者をバカにしている、という点にある。
そもそも、なぜ私に依頼が来たのか。
私のサイトの「研究の世界」に、
「恐怖の現象学的心理学」という論文がアップされているためだろうか。
この論文は、通俗的恐怖観から脱していない心理学の”恐怖”理解に対して、
恐怖体験を現象学的に解読することで、
たとえば不快でない、むしろあえて求められる恐怖体験(お化け屋敷)をも
(ドーパミンという非心理学的単語を一切使わずに)説明する道を拓いた論考だと自負している(☞論文ダウンロード)。
「人が安全な恐怖体験に快を感じるのはどういうわけか」を心理学・現象学的に追求するなら意味があり、
そういう知的問題意識での番組作りなら協力を惜しまない。
いや、知性のかけらもないテレビ局のこと、
そのような学術的な情報を参考にしたと考えるのは買いかぶりすぎだ。
私は「お化け探知器」を愛用していることをブログに記しているので、
どうせ「お化け」と「心理学」のワードの組でヒットしたのが私のブログだったんだろう。