2本目の論文が仕上がったので、ささやかな慰労として、一泊する温泉宿を探した。
といっても先日恵那峡温泉の和洋室に2泊したので、出費を抑えて最安値クラスであるビジホのシングル(5000円台)を基準とする。
候補になるのは、準定宿の小牧の温泉ビジホ(キャッスルイン小牧)、それに三河安城のABホテル新館。
前者はちょっと予算を超え(しかも夕食は別)、後者は2食付いて(ビジホで夕食付きはうれしい)予算的にはOKだがホンモノの温泉でなく、しかも入浴が16時からというのも不満。
決まらないので範囲を拡げると、浜名湖の弁天島に温泉でバイキングの2食付きで予算に収まる宿(開春楼)があった。
このプランでの部屋は、シングルルームで寝るだけの狭さのようだが、夕食バイキングにカニが入っているのが気に入った。
浜名湖畔のJR弁天島駅前なので、電車で行けるのもいい。
さっそく楽天経由で予約(手持ちのポイントを加えてネット決済)。
さて当日、名古屋の棲み家からは電車で2時間で達する。
浜名湖自体は毎年訪れているので、あえて観光する必要はない。
ホテルは週末でないのに本日は「満室」だという。
駐車場の車のナンバーを見ると、愛知が目につく。
近場の気分転換にいいのか。
ちょっと年季が入った造りの宿で、やたら段差が多い。
宛てがわれた部屋は、どうやら従業員の泊り用か準備室で客室の造りではない。
部屋にトイレはなく、洗面台が壁から突き出て、窓には格子がはめ込んである。
テレビはなんとブラウン管。それが机の上にデンと置いてあるので、ノートパソコンの置き場所がない。
冷蔵庫もないので、持ってきた缶ビールは洗面台に水を溜めて冷やす。
ホントに寝るだけの部屋だ(通常のプランだと客室もまともになるようだが、値段もまともになる)。
持参したMacBookはロビーの(完全に分煙されてはいない)ラウンジのソファに座って使うしかない。
ただし天然温泉入り放題(外来だと800円)+カニ食べ放題で6000円切るのだから、無料の部屋に泊まらせてもらっていると思えばいいか。
夕食は17時からと18時半からの90分2部制で、最初後者を希望したら、後者だと最後の30分は補充がないという。それならと早すぎるが17時からにした。
夕食は開始時刻前には行列ができ、大広間にスリッパを脱いで入る(旧式だなぁ)。なのでまずは入口で渋滞となる。
そしてトレイとバイキング用の小さく仕切られた四角い大皿をとって並ぶ。
案の定、カニの所は殺気立つ。
ここはズワイとタラバが混在しており、タラバの太めの脚を探すが、すでに取られて見当たらない。
だが、さすがにカニは”売り”だけあって、足りなくなるとすぐに補充された。
ただ冷凍を解凍しただけなので、茹でたて・焼きたての味わい・温かみがない。
いくら食べ放題でもカニだけだとつらいが、他にもいろいろあり、揚げたての天ぷらと焼きたてハンバーグ(小片を分けてくれる)、あるいは蒸かしたての焼売などを頬ばる。
カニは幾度も往復するが、ご飯とスイーツには手をつけない。
もちろんカロリーオーバーを避けるため。
最後はお茶と漬物で渋く締める。
酒も生ビール中ジョッキ1杯ですんだのは、食べる方に意を注いだため。
60分で切り上げた。
開始から1時間もすると、カニは、開始直後の殺気はウソのように、山盛りのままになっていた。
ちなみに、後片づけもセルフサービスである(後で知った)。
さて温泉だ。
温泉の浴室は正しく最下階にあるが、エレベータが通じておらず、階段を使うしかない。
内湯からちょっと離れた露天は水着での混浴(なので水着持参)。
泉質は、ナトリウム・カルシウムー塩化物泉。泉温は19℃なので40℃強に加熱している。
内湯は褐色に濁っていて、これだけでも温泉気分。
分析表による源泉の溶存量は5343mg/kgと濃いめだが、浴槽湯口のサンプルによる電気伝導度は1886μS。
源泉に比べて値が低めなのは加水しているからだろうが、温泉の濃度としては充分なので入り甲斐はある。
同じ浜名湖畔で同じカニ食べ放題がある準定宿のグリーンプラザは、温泉でなく、宿代も倍になる。
ビジホ並みの安い料金で温泉らしい温泉に入りたいだけなら、そして夕食もたらふく食べたいなら、この宿もいいかもしれない。寝る以外はロビーにいればいいのだから。