それぞれが個性的になって棲み分けした結果、世界一面白い都市になっている。
●秋葉原
たとえば、秋葉原はラジオ部品から白物電気街へ発展し、それだけで観光名所になった上に、最近ではヲタク街、いやヲタクの「聖地」へと個性を強化。
私が名古屋へ来る前のことだが、知り合いの女の子が家電を買いたいので、秋葉原につきあってくれと言ってきた。
その頃は、地方出の女の子にとっては、秋葉原は若いが女気のない男の街で、女一人で歩きにくい街だったわけ(地元の女の子にとっては普通の買い物圏だけど)。
今では、かわいいメイド姿(もちろん仕事着)の女の子が通りに多く、ヲタク目当ての路上アイドルも増えていて、一種の原宿的華やかさを加えている(でも基本的雰囲気は異様)。
●巣鴨
その秋葉から山の手線で8つ目、巣鴨は一転しておばあちゃんの聖地。
今日4の日は「とげぬき地蔵尊」の縁日で、いつも以上に老老男女でごった返している。地蔵通り沿いには、健康用品・仏具、それに「洋品屋」と名乗るブティック(服はいずれも1000円代)が並ぶ。
食べ物屋はおばあちゃんの行列。
なんでこんなに人気あるのかというと、とにかく地蔵尊の御利益があるらしい。
その噂が広がってか、今では観光バスもやってくる。降りてくるのは還暦過ぎの人ばかり。
どうみてもこの通りを歩くには若すぎる私は、聖地秋葉原では感じなかった「場違い感」に臆しながらも、線香と下帯(褌)を買いに定期的に出向いている。