帰省してしばらくは”夏休み”気分を味わいたいこともあり、
まずは東京での(パワー)スポットを計測したい。
「パワー」があるかどうかは、私が測って確認する。
その測るスポットも私が決めたい。
基準は、政治的あるいは都市計画的意図でなく、
それ自身の論理で建立された寺社。
なので、明治の東京奠都に基づくものはもちろん、
家康公の江戸入府にも無関係な、室町以前からずっとこの江戸の地にあったもの。
その基準で、リストアップされたのは、
山王日枝神社(千代田区永田町)、将門首塚(千代田区大手町)、
神田明神(千代田区外神田)、湯島天神(文京区湯島)、
根津神社(文京区根津)。
浅草の浅草寺もこの基準を満たすが、スポットという気がしないので却下。
結局、すべて我が家から乗り換えなしで行ける千代田線沿線になってしまった。
計測対象は、磁気、電気(電位)、それに霊気だ。
装備する計器は、地磁場計(ミリガウスメーターGU-3001)、電位計(EG ロケーター)、
それにipodtouchのアプリ(ばけたん)☜過去の経験から、意外に信頼できる。
それにハンディGPSと、マルチ気象計も持参。
移動は家から地下鉄一本だから楽。
神社ではいずれも、まずは手水で手と口を清め、本殿で賽銭100円を入れ作法通り参拝をしてから、
計測を開始する。
たとえば磁場を計測する時は、電位計や他の計器をオフにする。
そしてセンサーを腰の高さで地面に垂直に向ける(垂直にしないと、他方向の磁場の干渉を受ける)。
地磁場は、およそ30-35μT(マイクロテスラ)が平常値で、
この範囲内なら、周囲と同じとみなす(以下同単位)。
そうでない異常値を示した場合は、電源を入れ直して3度測り直した(測定誤差を避けるため)。
電位はいずれも変化がなかったので、以下では言及しない。
【山王日枝神社】
永田町と赤坂の境目にある、都心のさらにど真ん中にある神社。
創建は鎌倉初期といわれ、その後、太田道灌が勧請し、徳川将軍の崇敬厚く、維新後は皇城の鎮護を担う、
まさに東京の守護神。
石段を上がって、石段脇の宝物殿の左の玉砂利の空間に足を踏み入れたら、地磁場計の値が19に下った。
玉砂利のせいかと思ったが、神門内の玉砂利では平常値に上がる。
そこで社殿に向かってばけたんを起動し、「探知」を開始すると、「良い状態、守り神を期待してよい」と出た。
社殿に接近すると地磁場の値が下がり、社殿左側で19。
境内には、若い女性の姿が目につく。
社務所の売り場には、「恋愛おみくじ」が売ってあり、女性たちが買っていった(ここのは当たるのだろうか)。
私は、「恋愛おみくじ」ではなく、日枝神社の太玉串を買った。
神社に隣接して築地植むらのレストランがあり、そこで天ざるを食べた。
【将門塚】(写真)
平将門は、坂東人にとってはまさに英雄(大河ドラマにもなった海音寺潮五郎の『風と雲と虹と』を参照)。
その(首)塚は、江戸城(皇居)の真正面、大手町1丁目にあり、
現代に至るまで、祟りがあるため移動できないでいる。
塚の周囲には大きな蛙の陶器が並べてある。
将門の出身地に近い筑波の人たちが置いたのだろうか。
その塚の正面は14。
さらに手を伸ばして石段状の塚本体に近づけると10にまで下った。
この下がり具合でいくと、碑の後ろの塚の塔近傍はもっと低いだろう。
塚の敷地外はもちろん平常値。
ここは何かある…。
正面で「ばけたん」で探知すると、中央位置の「何もない」と出たが、
それが出る直前、直観的に、左右の悪霊と守護神とが拮抗している気がした。
つまり両端の霊気が強いために、中央の0値になったのではないか。
計測位置をちょっと後ろに下って、測り直したら(通常は再探知はしない)、
日枝神社と同じ「良い状態」と出た。
ここは意外にも、参詣する人が後を絶たない。
将門は本来は怨霊であったが、崇敬する人が絶えないので、守護霊に変化しつつあるのか。
追記:2022年12月に再計測した→記事
【神田明神】
ここも将門に由来する神社。
山王日枝神社が江戸の権力者向けの神社なら、こちらは江戸庶民の反骨魂を象徴する神社。
随神門を抜け、神殿に向かうと、磁場計の値がどんどん下る。
社殿右側で10。
あと随神門の脇にはる将門公御神輿が飾ってある所で25。
ここは摂社・末社が多いが、それらはほとんど平常値。
ただし魚河岸水神社の左側にある桜の木の周囲(写真)は、27と比較的低く、
ばけたんで探知すると「良い状態」と出た。
この桜、このまま大きくなれば、いずれ”神木”になれるぞ。
あと、祖霊社前も20と低かった。
【湯島天神】
受験生ご用達のここは、
浅草寺と同じ理由で、私の頭のリストにはあがらなかったのだが
客観的なリスト基準には合致し、神田明神から近いので計測スポットに加えた。
道すがら、今までの神社いずれも磁場の値が低い側(S極性が弱い)の異常値だった。
なんで高い側がでないのだろうといぶかった。
そして湯島天神。
狭い境内にあいかわらず人が多い。
もっとも今の時期だから受験生はおらず、またまた若い女性の一群が、おみくじを引いていた。
なんか測る前から平常域から出ないだろうと思ったら、案の定その通り。
ところが、本社の後ろにある摂社の1つ戸隠神社(写真)の右側が45にも上がった。
まさに高い側が出た。
ばけたんの探知では「何もいない」。
【根津神社】
ヤマトタケルに由来するここは、伝説的には今日の神社で最も古い。
ここは家から近く、祭にも訪れる馴染みの神社。
今日は、広い境内に人影がまばら。
それをねらってか、時代劇のロケをやっていた。
ここは平常値だが、全般に高め。
本殿右で39。
ばけたんの探知の結果は「良い状態」。
ここから家まで歩いて帰った。
以上、最初の3ヶ所は、本殿(本体)に近い所が地磁場の値が異常に低いという結果が出た。
ただ、たとえば「左側」の値が低いと言った場合、中央や右側は平常値だったことでもあるから、
地磁場の異常は、神社の敷地全体ではなく、ピンポイントである。
むしろ、地磁場が空間的に変動する場所こそ、「イヤシロチ」といっていいのでは。
ちなみに「イヤシロチ」は、楢崎皐月氏の主著『静電三法』による(とうとうこれを紹介してしまった)。
それによれば、多くの神社がイヤシロチに建てられているという。
実は今回の目的は、東京の古社がイヤシロチに建てられているかどうかを確認したかったのであり、
実際、そうといえそうな結果だった
(厳密には、イヤシロチの物理的根拠となる”電位”での確認はできなかったが)。
将門塚はピンポイントはなく、塚を中心に同心円上に地磁場の値が下っている印象だった
(祟りが怖いので、塚に踏み込んでの計測はしなかった)。
しかもその下り方が他の地よりも大きい。
やはりここは普通の場所ではない。
地磁場計は、磁力という力(パワー)は確かに測っている。
その範囲内でいうと、地磁場の値が低い場所は、普通の地よりもパワー(磁力)が小さいのであるから、
「パワースポット」とはいえず、むしろ「反パワースポット」というべきではないか
(パワースポットと言っていいのは、湯島天神内の戸隠神社だけなのでは)。
ただ、磁場の値が異常なピンポイントが建築物近傍である場合は、
建築構造物内になんらかの磁性体が含まれている可能性がある。
神社の社殿に磁性体が含まれていれば、当然、社殿に近づくと値が変化する。
日枝神社の玉砂利の空間以外は、社殿脇だった。
また将門塚の中央に埋められているのは、強力な反磁性体かもしれない。
そもそも地磁場の値が低いとは、どういうメカニズムでそうなり、人にどういう影響があるのか、
科学的には、わかっていないはずである
(わかったつもりになっているのは疑似科学)。
そして、そこの地磁場の値がどうだからといって、
神社の神威(「パワー」などという通俗的なものとは別格)とは関係ないだろう。
科学は、まずは”測る”ことから出発する(今はこの段階)。
次にすべきことは、計測結果と相関のある別の事象を見つけることだ。