一定頻度で必ず発生してしまう、自宅で車を出し入れする際に、歩き出したばかりの幼児を轢き殺してしまう事故。
せっかく歩けるようになったばかりの幼な子の運命も不憫だが、愛する我が子を自ら殺(アヤ)めてしまった親の悲しみと自責の念も計り知れない。
毎日、足代わりに車を使うからこそ、安全確認に”馴れ”が生じてしまう。
そこが危険な落し穴であることを肝に銘じたい。
まずは、なぜ、この事故が起きやすいのか、考えてみよう。
●歩きはじめた幼児は、親(特に母親)を 追いかける(出かけようとすると泣いて追いかけてくる)。
●幼児は背が小さいので、運転主からは車の陰になって見えない。
以上から、幼な子は、自分から車の死角に入ってくることがわかる。
だからこの種の事故がよく起きるのだ。
ということは、運転主以外の在宅の大人(成人でなくてもよい)がそれを阻止するしかない。
在宅の大人がいない場合は、幼な子を家に置き去りにするわけにはいかないので、
運転主自身が幼な子を先に車に乗せてチャイルドシートに固定するはず。
家族総出で出かける場合も、幼な子をまず乗せて固定してから、家族が乗って発車するはず。
だから上の事故は発生しない(はず)。
そこで問題となるのは、運転主以外の大人と幼な子が家に残る場合であり、
その大人が幼な子にどうかかわるかにかかっている。
事故が起きた家では、この時の任務遂行ができていなかったようだ。
幼な子は一人ででも親が乗っている車の所に行ってしまう。
なので在宅の大人は、その子が車に近づかないようしっかりおさえておかなくてはならない(抱きかかえるのが一番)。
そして、人が乗って、エンジンがかかっている車に対しては、その子も大人自身も、
車の前面と後面には絶対に立たない。
斜め後ろも運転主の死角になるので立たない。
必ず、車の横に立つ(バイバイと互いに手を振りやすい)。
真横が無理でも、とにかく車の動線から離れた位置に立つこと。
この立ち位置は、アクセルとブレーキの踏み違えによる暴走の犠牲にならない位置でもある。
大人なら、自発的にこういう位置に立てるが(大人のくせにそうしない人もいる)、
親を追う幼な子は、自ら死角(かつ動線)に入って行くから、大人がそれを力づくで阻止しなければならないのだ。
在宅の大人の任務をしっかり自覚してほしい。