いい歳をした大人の男が、公の場で自分のことを「ボク」と呼ぶことに違和感を覚える。
少なくとも、彼の出身地は東京ではないだろう。
私が生まれ育った東京では、男の子は幼稚園くらいのときは「ボク」と呼ぶ(周囲の大人からもボクと呼ばれる)。
それが小学校高学年くらいになると、仲間うちでは「オレ」と言うようになり(今小3の甥っ子がまさにそれ)、
まだ「ボク」と呼んでいるようなヤツは、ママから乳離れができていないガキ扱いされはじめる。
中学・高校時代は、一番言葉が粗っぽくなる時期で、この頃、周囲で「ボク」と言ったヤツの記憶はない。
そしてハタチ近くなると、さすがに、人前では「私」を使うようになる。
「私」こそ、公的な自称詞だと思っている。
自称詞にジェンダー(性別)は不要だし。
なので、東京の人間にとっては、「ボク」は半ズボンをはいた小さい男の子の自称詞であり、
少なくとも長ズボンで通す年ごろになれば使わない。
ところが、大学に行った時、中国地方出身の男が当初は「ワシャ~○○じゃけん」と言っていたのに、
1年後は「ボク○○だからさー」と喋っていたのには驚いた。
なるほど、幼い時「オラ」とか「ワシ」とか言っていた人たちが、大人になったら「ボク」を使いたがるのか。
彼らなりに”シティボーイ”を気取っているのかな。
私には”幼い”シティボーイに見えてしまうのだが。