年末の旅行に行き、正月用の買い出しも終え、年始早々に提出すべき仕事も終えた。
あとやることといったら、年末恒例、「今年を振り返る」。
昨年は世相や自然災害も振り返ったが、同じ世間に暮す私があえてやる必要もあるまい。
今回は、「極私的なブログ」にふさわしく、わが一年を振り返ることにする。
これを書くために、今年一年のわがブログ記事を読み返したが、かなりの量で自分でもくたびれた。
読者の皆さんにその労を営ませることがないよう(そんなことをする人はいない)、ここで一目で今年の私がわかるようにまとめる。
ついでに記事にしなかった事も披露する。
活動と出来事と旅の3つに分ける。
【活動】
まず、公的・私的な業務活動。
これはブログにはあまり書かなかった分野である。
一番大事な”研究”活動ではノルマにしている”論文2本”は今年も無事達成。
長年続けている研究は、どうしても重箱の隅をつつく微細な領域になりがちだが、
今回は「心のシステムモデル」という大きな構想が自分の視野を思いきり拡大させた。
自分が新しいステージに達したといってもいいくらい新鮮だ。
このモデルについては本ブログでも概略を記事にしているので、 関心があればご覧いただきたい。→記事
次に対外的活動としては、
10月、信濃毎日新聞に茶臼山で地磁気を計測している写真入り記事が載った。→記事
11月、「談」という雑誌〔104号)に私のインタビュー記事「怖いもの見たさ」が載った。
同月、安城市で武家礼法の講演をした。
11月の2件はブログ記事にはしなかった。
そして、私的活動だが、”計測マン”の進化は、今年もとどまるところを知らない。
2015年は念願の「サーモグラフィ」が装備に加わった。
サーモは環境・生体双方に使える。
箱根で噴気を捉え(5月)、闇夜で野生の鹿を捉えた(6月)。
室内の空調による温度分布を可視化できた(7月)。
本来の購入目的は、被験者の鼻部皮膚温(副交感神経活動の指標)の測定のため。これは卒論で使わせた。
このほか、水質検査キットが増強され温泉の溶存物質量(温泉の濃さ)が測定できるようになった。
また生体計測として、小数点2桁まで測れる婦人体温計〔11月)、それに心拍を常時計測できる活動量計も加わった〔12月)。
このように計測の方向は、環境測定から生体測定に力点が移りつつある。
逆におろそかになっているのは、気象観測。
常時観測している3箇所とも機器が寿命を迎えてまともに機能していない。
交換するには予算が足りない。
【出来事】
2015年わが身に起きた出来事のベスト3を紹介する。
まず第3位!
都立秋川高校開校50周年〔10月)。
今は亡きわが母校の開校記念行事が、OBたちの努力で開催された。
わが母校は物理的・社会的にはすでに存在していなくても、われわれOBの心の中に生きているのだ。
OBと先生たちが一堂に会した式典の後は、もちろん同期(八期)たちで飲んだ。
次に第2位!
長年愛用していたRoverMiniを手放し、FIAT 500S(赤)を購入(12月)。
昨年の東京の新居に続いて、新車購入は大きな買い物だが、 Miniが茶臼山で湯気を噴いたこと(10月)が買い替えを決断させた。
超ローテクなMiniとは大違いの5段マニュアルの500Sにはまだ私自身が”慣れ”運転中。
そして第1位は、迷うことなく、
新幹線放火事件に遭遇(6月)! →記事
現場の1号車の中央部に座っていた私は、まさにその場に居合わせ、必死で逃げた当事者だ。
幸い、大事な荷物を取りに戻る余裕もあり、唯一の損害は席下のコンセントで充電していた充電器だけですんだ。自分自身は「危険でない恐怖」についてかつて論文を書き、それが注目されて講演をし、今年はインタビュー記事にもなったが、本来的な「危険な恐怖」を体験したのは、恐怖感情を研究した者としては貴重だった。この時、事件後停車中の車内(3号車)をタブレットの写真に撮り、それを賀状に載せた(右写真)。
【旅】
2015年一番の遠出は、学生時代の友人たちとの熊野三山巡り(9月)。
名古屋から直通列車があるので前から行きたいと思っていたのだが、三山巡りは地元でレンタカーがほしい。
なので1人では行きづらかった。
温泉も熊野山中の湯ノ峰温泉、海ベの那智勝浦温泉を堪能した。
毎月の温泉旅の中で新しい行き先は、磯部温泉(群馬、3月)、畑毛温泉(静岡、3月)、 湯村温泉(山梨、12月)。
いずれも東京からで、名古屋からはいつもの宿ばかりで、新しいのは岐阜駅前のビジホ(運び湯)だけだ。
温泉はいいとして、長年の第一の趣味としていた登山は一度もやらなかった。
これは山が好きになった中学一年以来、初めてのことだ。
左膝の靭帯が下山時に痛んで歩けなくなるのを恐れたためだ。
もっとも、山と名のつく所で温泉旅などのついでに登ったのは、大仙山(167m、伊豆)、八王子城山(445m)、湯村山(446m、山梨)であって、いずれも恥ずかしくて登山とはいえない。
2015年の最高地点は茶臼山高原〔1230m、愛知・長野)であるが山頂(1415m)には至らず。
その替わり、負荷の低い山城巡りとお寺巡りに切り替わった。
特に山城巡りは自分にとっても新鮮で、城=縄張という視点で曲輪や堀、虎口をつぶさに観察するのだ。
行った先を旧国別に列挙すると、武蔵では滝山城、八王子城、小田野城、片倉城、平山城、勝沼城、菅谷城、杉山城。
上野は磯部城、館林城。下野は唐沢山城、佐野城。相模は新井城。
一方、美濃では岩村城、苗木城、小里城、阿木城、それに岐阜城。尾張は清洲城、小牧城、緒川城、沓掛城。
寺は、伊豆の国清寺、三島の龍澤寺、八王子の広園寺に初めて行き、長野の善光寺、北鎌倉の諸寺や青梅の塩船観音寺は再訪問である。
目的が珍しい旅としては、気温観測の露場の様子を確認するために館林(群馬)を訪れた(8月)。
これで、熊谷、多治見と合わせて問題の三箇所を確認したことになる。
というわけで、危機もあったが結果的には大過なくすごせた。
2016年は新車での温泉旅が楽しみだ。