局地的(突発的)大雨(マスコミ用語の”ゲリラ豪雨”)は、
自治体による避難警報が間に合わない現象である。
なぜなら、この現象を把握できない観測網の時間的・空間的解像度の粗さという
技術的・予算的な問題が根本にあり、
さらに被害が発生する箇所が降水地域内のさらに限定された場所であるためである。
なので、(危険地域に自らの意思で住んでいる)住民が自分の命を守るには、
たとえば避難のタイミングを計るには、
自分で必要な情報を得て、それをもとに判断するしかない。
まず、事前に入手しておくべきなのは、「洪水ハザードマップ」
これは自治体(市区町村)のサイトから、ダウンロードできるようになっている
(役所などでも印刷物を入手可能)。
それによって洪水危険地域、あるいは自分の家の洪水危険度をピンポイントで把握する。
また、それと併用するための「土砂災害情報マップ」を入手する。
これは県以上のレベルのソースなので、自分の居住地の地図の有りかはそれぞれ異なる。
首都圏と愛知県に関しては私のサイトにリンクを張ってある→
気象の世界の左窓から「防災情報リンク」へ
(一部、閲覧できるブラウザをIEに限定している愚かな自治体があったので、
非IEユーザーの私が抗議しておいた)。
この地図によって、自分の近所に”急傾斜地崩壊危険箇所”などがあるかどうか把握しておく。もっとも住民なら、その看板を実際に眼にしているはずだが。
次に、大雨時には、ネットで降水の実況を把握する。
気象庁のサイトの「レーダー・ナウキャスト」がおすすめ。
ここは画面上の解像度が低く、自分の居住地を地図上で特定しにくいのが難点だが、
更新が5分間隔と最短なのがいい。
同じ情報のサイトには国交省のサイトもあり、こちらは観測点も多く地図の解像度も高いが、
更新間隔が10分でしかも画面が自動的に更新されないという欠陥がある(自動更新の要望はしてあるんだが)。
→
上のリンク先の左窓の「気象情報リンク(初級)」へ
それらの画面で何を見るかというと、
自分の居住地あるいは河川の上流域に、強い降水域が”停滞”しているかをチェックする。
”停滞”をチェックするには、画面を”動画”にして、降水域の移動速度・方向を確認する。
50ミリ/時以上の強い降水域が数十分間も移動しない場合、災害が発生してもおかしくないと判断。
具体的には、ハザードマップと土砂災害マップにより、内水氾濫や土砂崩れ、がけ崩れなど、
近所のどこでどういう災害が発生するかを予測し、今いる場所の危険性と、そこでない方向への避難を考える。
つまり、気象現象の実況を知ることが必須。
そしてネットを使わないとその実況に常時アクセスできないのだ。