先週末は大学で業務があったので帰京せず、その代わり日曜から恵那峡(岐阜県恵那市)の温泉宿に一泊し慰労とした。
恵那峡は名古屋から近い(中津川より近い)割に、笠置山や紅岩などの山が迫った風景が独特で転地効果があり、しかも天然温泉が豊富。
近いと午後から会議でも朝風呂を浴びて問題なく帰れるから、気軽な温泉旅として利用しやすい。
その恵那峡の川沿いには温泉宿(ホテル)が3軒ある。
その中で高台に建つ一番立派な「ホテルゆずリ葉」(旧かんぽの宿)、その下の河畔にある「恵那峡国際ホテル」(湯快リゾートチェーン)にはそれぞれ複数回利用した。
前者は客室(和洋室)からの恵那峡の眺めがよく、浴室も浴槽がたくさんあって、滞在宿としては居心地がいいのだが、温泉の濃度が薄く、また私が苦手な鶏肉(恵那鶏)が必須メニューになっている点で使いにくく、最近は利用していない。
後者の恵那峡国際ホテルは”安宿チェーン”なので建物は古く、最安値の客室は狭さに閉口するが、温泉が高張性で抜群(日本有数)に濃く、また安宿的バイキングも質的に向上しているので、客室のグレードを上げて利用していたのだが、最近は強気の料金設定になって”安宿”の範疇から脱しつつあるので、選択肢からも外したくなった。
残った一軒は「恵那峡グランドホテル」。
ここは他の2軒に対する何らかのアドバンテージが見られなかったので、今まで選択肢に入らなかったのだが、温泉は「国際ホテル」と同じく高張性で入る価値があり、また廉価(9900円)な宿泊プラン(夕食が定食)ができたので、豪勢な食事より温泉の質を優先する私としては、選択に値すると判断した。
というわけで、通い慣れた恵那峡だが、初めて泊まる宿にチェックイン。
客室は8畳和室にシングルベッドが2つデンと並んで、和室をほぼ占領している。
そのため和室でくつろぐことは出来ないが、窓側の椅子・テーブル空間が唯一の居場所。
寝るのは布団よりはベッドがいいので不満はない。
窓からの恵那峡は今までの宿とは位置が違うせいで、川の奥まで見渡せ、恵那峡の眺めはこの宿が勝る(写真:ただしこの宿泊プランだと部屋の眺望は約束されない)。
浴室は内湯と露天があり、露天からは恵那峡を見渡せる。
いずれも浴槽の桟が檜なので、そこに頭を載せて体を伸ばして湯に浸かる。
泉質はカルシウム・ナトリウム塩化物泉で、口に含むとしょっぱい。
濃いナトリウム泉なので、湯上がり直後は固有のベトベト感がある。
夕食は、個別の釜飯で炊く栗ご飯がメインで、それに刺身・茶碗蒸し・キノコのお浸し・香の物のセット(おかずは計4皿)。
飯以外はもちろん冷酒のつまみとする。
かように皿数は少ないが味付けご飯が多めなので、空腹は鎮まる(私は寝る前に酒のつまみに菓子をたくさん食べるので、夕食は抑え気味でいい)。
寝る前は、焼酎の寝酒+菓子を口に入れながら持参したノーパソで映画を観るのだが、和室に置かれたベッドには背もたれがない。
室内の布団収納空間に座椅子があったので、それを利用する。
室内のトイレはもちろん洗浄機付きで、冷蔵庫は空。
電気ポットもある。
売店はたいした品がないが、ロビーに電子レンジがあるので、恵那市内のスーパーで弁当を買ってきて温めることができる(これができれば素泊まりでもいい)。
室内ではテーブルを使えないので読書を含む作業はしにくい。
読書ならロビーのソファがあるが、照明が暗いので電子書籍以外は不向き。
なのでベッドに座椅子を載せて、そこでパソコン作業(この記事の執筆も)をした。
朝食は、普通(他の客と同じ)で、鍋もつくし、サラダ・コーヒーも取れる。
すなわちこのプランだと朝食の方が充実感がある。
館内の自販機にはアルコール類がない。
あと、足袋型のソックスが支給される(グレーなので白よりもありがたい)。
食事は質素でも貴重に濃い湯を味わう目的に絞れば、この宿で充分かな。
ちなみに恵那峡に来たら、遊覧船に一度は乗る価値がある(奇岩ひしめく恵那峡の景観)。
あと乗船場近くの奇勝・笠岩も一見の価値あり。
かくも恵那峡はいい所で、観覧車付きの遊園地もあるものの、観光整備が一押し足りない、勿体無い所だ。