東京での春休み最後の日、あいにく午後から雨の予報。
しかも桜にはまだ早い。
なので、川歩きの野川(☞野川を歩く1)の続きといきたいが、
雨が降る前に終れる短い寄り道コースにした。
まずは京王線の柴崎で降りて、野川の前回切り上げた地点に行く。
前回気づかなかったが、野川のここから先の数百メートルは工事中で、川沿い(川岸上と河辺上の片側2本の通路)が通行止め。
その部分は迂回して、京王線の線路を渡り、甲州街道を横断して再び河辺(礫地の”河原”に相当)に降りる。
この付近の野川は、川も浅く、また所々狭くなっているので、石伝いに対岸に渡れる(写真)。
河辺沿いの踏跡をすたすた歩き、近くの琥珀神社に立ち寄る。
もうこのあたりは、古刹深大寺の伝説の地。
中央高速道路が野川の上を通る所が、深大寺に最も近いので、今日の川歩きはここで切り上げる(ここまで2km程度)。
すなわち次回の野川歩きはここが再開地点となる。
丁度川沿いに、産直販売の大きな店(調布のやさい畑)があるので、地元調布で作られた「のらぼう」という多摩特産の葉物野菜を買い(今晩食べる)、地元の湧き水をペットボトルに詰める。
深大寺側に向かうと、「深大寺温泉」という日帰り施設がある(湧水だけでなく、温泉も湧いている)。
歩き疲れていたらぜひ入りたいが、今は先を急ぎたい。
南参道伝いに坂を登って畑地を下ると、深大寺の門前に下り立った。
さっそく、深大寺そばの店を物色(気持ちは温泉よりも”そば”だった)。
深大寺は寺としても好きだが、それ以上に門前の深大寺そばが楽しみ。
正直、深大寺に行く目的はどうしても「そば」の方がメインになる。
さすが深大寺は、平日の昼でも観光客がいる。
そばの店はたくさんあるので、毎回違う店で食べたい。
今回は、天せいろが安い「青木屋」。
そば湯も飲んで満ち足りた気分になって、寺に参拝。
ここは本尊ではないが、東日本では珍しい白鳳時代の釈迦如来倚像がある。
なんとその白鳳仏が、今月10日に「国宝」に指定されたばかり。
正直その報せは今日知ったのだが、いいタイミングで深大寺に来たものだ。
この寺はこのような貴重な古仏が拝観できるのに、拝観料を取らず、自由に参拝できる。
今回、野川から離れて深大寺に立ち寄った目的はもう1つある。
それは、私のもう1つの趣味”山城巡り”の対象である深大寺城址。
寺の南東側にある神代植物公園・水生植物園内の西側の高台がそれ(ということは休園日の月曜は行けないのか)。
坂を上がってそば畑(かように深大寺そばは地元産)を過ぎると、大きなケヤキ(武蔵野を代表する木)沿いに土塁が連なっている(写真)。
空堀の上にかかる土橋(写真左)を渡ると主郭で、櫓台(写真左の丘)の麓に城址の石碑がある。
主郭奥の虎口を見て、広い第二郭の建物跡(写真のケヤキ付近の地面のボツボツ)やその奥の虎口、外側の二重の土塁を巡る。
ここ深大寺城址は、戦国前期の扇谷上杉氏の出城で、国指定の史跡になっている。
門前に戻り、バスを待つ間、「鬼太郎茶屋」で時間をつぶす。
鬼太郎の作者・水木しげるは調布に住んでそこに仕事場があった。
そしてわが愛するつげ義春も調布に住んで、水木しげるのアシスタントのバイトをしていた。
鬼太郎に出てくる幾つかのキャラ(女性)はつげ義春が描いたという(いつかそれを確認してみたい)。
今にも雨が降りそうな雲の下、つつじヶ丘駅行きのバスに乗って深大寺を後にした。
野川歩きの次回は、バスの便がいい、ここ深大寺から再開するつもり。
歩く前の腹ごしらえにまた深大寺そばを食べるから。 ☞「野川を歩く3」へ