今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

恵那峡の安宿チェーンに泊る

2021年03月30日 | 温泉

昨日、年度末の在学生ガインダス担当と複数の学生面談のため、新幹線で名古屋に戻った(4月10日まで有効の「青春18きっぷ」はすでに5回分すべて使い切った)
3月末の残り2日間は用事がないので、年度末の最終慰労、というより新年度を迎える英気を養うために、年に1度は利用する恵那峡(岐阜県恵那市)の温泉宿に泊る。

この宿は「湯快リゾート」という安宿チェーン※なのだが、
※1年中1泊1万円未満(4桁)で泊れる温泉宿チェーン(関東では大江戸温泉、伊藤園など)で、食事はたいてバイキング。
温泉の濃さが尋常でないほど濃く(同じ恵那峡でも他の宿はこの限りでない)、これは自慢できるレベルであることを温泉ソムリエにして計測マンの私が保証する。
すなわちじっくり濃い温泉※に浸かりたい時にここを選ぶ。
※:「濃い温泉」とは、泉質を構成している成分濃度が高い=浸透圧が高いということで、温泉成分が皮膚を通過してどんどん吸収されるということ。だから濃い分だけ効き目も高い。ここは「高張性」という日本でも有数(通常の濃度計では針が飛ぶ)レベルの濃さ。われわれが入るたいていの温泉は「低張性」で、一度入ったくらいでは皮膚の表面に成分が触れる程度。ちなみに温泉成分表で源泉の濃さはわかるが、私は実際の浴槽の湯の濃さを計測して評価している。

ただ安宿チェーンの例にもれず、廃業宿を買い取ったため、古い客室に難ありだったのだが、一部を改築して和洋室などの「ランクアップルーム」を新設し、その追加料金は2000円なのだが、メール会員だと半額の1000円ですむので、メール会員の私はランクアップルームが空いている時に限り予約する事にしている。

幸いランクアップルームが取れたので、晴天ながら黄砂で風景が黄色く霞む中、愛車を駆(か)って、満開の桜が点在する東濃路を抜けて恵那峡に達した。
思いのほか宿が混んでいないのは、春休みといっても平日のため、というより、宿が泊まり客の数を制限しているためだろう。
さらにバイキングの食事はもちろん、大浴場の利用も館内のエレベータも人数制限下においている。

このように店側も客側も、主体的に”三密”を避ける行動を取っていれば、行政の禁止令に依存する必要はないのだ※。
※:でも厚労省内部にもそれが守れない人がいたとは…。孔子様が、人々を、礼(マナー)によって自己制御できる「士」と、それが無理そうなので法(ルール)できっちり管理するしかない「庶」に分けざるを得なかったのは致し方ないようだ。

客室の広い窓から、満開の桜が木曽川の川辺に広がる恵那峡の公園(人影はない)を眺めながら、持参したノートパソコンで作業(仕事以外の情報処理を含む)をする。
夜になると川辺の桜並木がライトアップされ、客室から夜桜を眺めることができる(写真)。

さて、夕食はいつものバイキング。
他のバイキング宿と同じく、ビュッフェの料理を取る時は、各人マスクにビニール手袋をする。

毎度のことながら、この宿では”訳あり家族”に目がいく。
私の目の前のテーブルには、小学校低学年の男の子とその母親の30代女性が並んで座り、その向いにその女性の母親とみられる50代女性が座って、3人でバイキングを楽しんでいる。すなわち”父親・夫”の影がない。

安宿チェーンは、生活の余裕に乏しい”訳あり家族”にもこうして安価に家族の思い出を提供するという立派な社会的役割を果たしている(これよりランク上のリッチな宿だと、客はリア充の家族・カップルばかり)。
バイキングなので、好き嫌いが多い子も自分の好きなもばかり食べれて満足だろう(一応デザートも数種類あり)。
もっとも、訳ありというなら、その3人の隣りのテーブルに、たった一人でバイキングの皿を幾枚も重ねている※男客の方が”訳あり”度が高そうといえなくもない。
※:かようにバイキング(夕食と朝食)では腹いっぱい食べたが、糖質(炭水化物とスイーツ)はできるだけ避けるので、帰宅後体重計に乗ったらむしろ0.5kg減っていた。


文京の桜を見に行く2021

2021年03月27日 | 歳時

満開の桜に浮かれた心は簡単には鎮まらない。
3月末の晴天の土曜に家に篭っているわけにもいかず、今日は地元文京区の桜を見に行く。

文京の桜といえば、ネットでは”江戸の二大庭園”であった六義園(柳沢吉保の庭園)と小石川後楽園(水戸光圀の庭園)が紹介されているが、これらの名園にとっては、桜は植込の木の1つでしかなく、決して主役ではない(個人的には、六義園は紅葉、後楽園は梅が見所)。

区民にとっての”文京の桜”と言えば、「文京さくらまつり」の会場となる小石川の播磨坂(松平播磨守の屋敷跡)の桜並木。
天気がいいので、ここに歩いて向う。

途中、白山神社に立ち寄って「白山旗桜」という名木(江戸三名桜の1つで、現在はその後継木)を見る(写真:右下に人が立っている)。

さらに小石川植物園(五代将軍綱吉が幼い藩主時代の御殿で、その後御薬園となる。日本最初の植物園となり、もちろんここにも桜がある)の脇を抜けて、播磨坂の坂下側に出る。
ここから始まる桜並木は、「環三通り」(環状三号線の計画道路)と言われていた広い通りで、通りの中央部に歩道帯がある(名古屋の広すぎる道路にあるやつ)。
道路の両側と中央の歩道帯にいずれも桜並木になっているので、計3列の桜並木となる(写真)。

例年の「さくらまつり」なら出店も出るのだろうが、今年は道路脇の店だけで、歩道帯の見物客はマスクをしての漫(そぞ)ろ歩き。
といっても、なかにはベンチに腰掛けワイングラスを手にしているカップルや、道脇にシートを敷いて弁当を広げる家族連れがいる。

考えてみれば、道路脇の店内で食べるより、こうした方がまだ感染リスクが低い。
ここは遠方から人が来るような有名処ではなく、地元民だけで楽しむ所なので、密になることもない。

法治主義ではなく礼治主義者※の私にとっては、感染対策は、個々人が頭を使って実施すべきで(決して難しくはない)、無思考者を前提とした一律の禁止で縛る必要はない(店舗の営業もしかり)。
※:一律の法(ルール)ではなく、状況に応じた礼(マナー)で社会の安定を目指す儒教的理想主義。
少なくとも、地元限定の桜の名所はそれでいいと思う。

私自身は、桜は見て撮るだけでいいので、桜並木を通り抜けたら、そのまま茗荷谷の駅に向う。
昼時で空腹になったが、昨日のように店で食べる(そのため昨日は体重アップ)ほどではないので、駅前のスーパーで惣菜の焼そば(290円)を買い(レジで箸をもらい、レジ外のレンジで温めて)、店前のベンチに腰掛けて食べた。
体重コントロールを心がけると、かように食(費)も軽く済む(実際、体重が戻った)。

茗荷谷から地下鉄を乗り継いで、最寄の本駒込で降り、帰路につく途中に立ち寄った吉祥寺(曹洞宗の栴檀林:駒澤大学の前身だった)の境内の桜も、これまた地元の名所で、カメラを手にした人が集まっている。
まず山門を入った参道沿いの枝垂れ桜の枝垂れ具合が人間がすっぽり入るほど大きく、また文化財建築の経蔵をバックにした満開の桜もいい(写真)。

こういう名所だけでなく、近所の邸宅の庭から出て道路を覆っている区の保護木の桜や、児童公園内の年季の入った桜も、すなわち単独の木も、それぞれ思い切り満開なので見栄えがする。

”壮観”でなくていいなら、外出すればこうして至るところで桜を楽しめるのがこの時期の日本だ。


桜を見に行く2021

2021年03月26日 | 歳時

梅や紅葉などはその季節になっても「絶対見なくては」とまでは思わないが、桜だけは違う。
「開花」さらには「満開」の報に接すると、もう居ても立ってもいられなくなる。
しかも単独の木ではなく、桜の花がずらりと空間を占める状態を見たい。
桜は”壮観”でなくては。

と、日本人だれもが思っているから、並木状に植えられた桜の名所が各地にでき上がる。

わが東京宅の近所では、まずはソメイヨシノの発祥地の染井墓地(豊島区)、
そして江戸時代から桜の名所だった王子・飛鳥山公園(北区)がある。
もちろん都内第1の名所・上野公園(台東区)も遠くはない。
家から最も近い六義園(文京区)も名所に数えられるが、本数的に”壮観”ではないので私は選択外。

他にないかとネットで探していたら、「舎人(とねり)公園」(足立区)は桜が1000本もあるという(この数、都区内ではトップクラス)。
ここなら舎人ライナー1本で行ける。

土日は混むだろうから、晴天の金曜の昼前に、舎人ライナーに乗って舎人公園を目指した。
この自動運転の車両に乗ったら、座席にPASMOカードの忘れ物があった。
不埒な者の手に渡ると無断使用されるので、私が預かり、有人駅の西日暮里駅で駅員に預けた。
その時思ったのは、なくした場所はたいてい思い当るので、持ち主が自分の所有物と確認できるために、カードのナンバーを控えておくとよい、ということ。

さて舎人公園で降り、広い園内に入ると、桜が並木と点在の中間の密度で拡がっている(写真)。
ここは広い公園なので、密度的には低く、また木が若いので、本数の割りに”壮観”というほどではない。
ただ、密度がゆるいせいで、グループごとに木の下での場所を確保できる。
もちろん今は、通行のみでシートを敷いての滞在はダメという御触書きがあるのだが、木の下にシートを敷いている人たちがいる(備付けのベンチ・テーブルを使うのもNGか)。
客観的には三密にはなっていないため、私は目くじらをたてるつもりはないが、家族連れならまだしも、グループでの宴会はいかがなものか。
私自身は、昼間の酒宴には抵抗あるので、桜は花を見れれば満足。
この公園の線路を挟んだ反対側には、レーガン大統領夫人から寄贈されたワシントンの桜(元は日本から送られた木の二世)が「レーガン桜」の名で植えられていて、名所になっている。

以上で舎人公園の桜を堪能したので、舎人ライナーで西日暮里に戻り、駅近くの中華屋で定番の”五目焼そば”※を食べ、次の桜を見に諏訪台に上がって谷中に行く。
※:私が中華屋で食べるのは、もっぱら見た目も豪勢で栄養バランスのいい五目焼そば。ラーメンは食べない。
高台にある谷中霊園(台東区)は、中央の道路沿いのこじんまりした桜並木が"壮観”未満ながら”名所”に値し、周囲の寺と墓で和風の趣(おもむき)があるためか、着物姿の外国人女性が歩いている(写真)。
カメラを構えている人の数も舎人公園(あちらは宴会向き)より多く、私もその一人となり、貫録のある巨木(老木)に向ってシャッターを押す。
本来なら桜並木沿いに五重の塔が建っていて(心中の放火によって焼失)、それが残っていれば見事な桜の名所になっていたろう。
桜を見るだけでなく撮るなら、桜の周囲のたたずまいも大事で、壮観だけの公園よりは、石搭や木造建築がある寺や墓地の方が撮り甲斐がある。
なので、私のお気に入りの桜の名所は、近所のここ谷中霊園。


居眠り中に椅子から落ちなかった訳

2021年03月25日 | 心理学

昨日、読書中に眠くなり、椅子の背もたれに寄りかかった状態で居眠りをした。
そうしたらバランスをくずして、椅子から落ちそうになったところでハッと目が覚め、いや目を覚まされ、反射的にバランスを取直して、落下から免れた。

目を覚まして我に返る、すなわち覚醒して作動する意識はシステム1※で、さらに自我が明確にこの状態を認識するのはシステム2である。

※心の多重過程モデル:”心”を以下のサブシステムからなる高次システムとみなすモデル
システム0:覚醒・自律神経などのほとんど生理的な活動。生きている間は常時作動
システム1:条件づけなどによる直感(無自覚)的反応。覚醒時に優先的に作動
システム2:思考・表象による意識活動。システム1で対処できない場合に作動
ここではシステム3以降は省略

言い換えれば、睡眠中の心は、システム1・2ともに作動停止状態(夢見ならシステム2は作動)で、作動しているのはシステム0だけとなる。

ということは、椅子からの落下を防ぐ反射行動をしたのはシステム0だ。
すなわち、システム0は意識のない睡眠中も、夜間警備員のように独力でチェックをし続け、そして必要があれば寝静まっていたシステム1・2を起こす。

自分自身が、意識下にあるこのシステム0(心の基底システム※)に見守られていることを実感した。
※:意識から独立して作動するシステム0を”心”の過程の1つと見なす根拠は、これが独自に情報処理をしているから(心=情報処理)。

日頃、”閉眼片足立ち”をして、システム0(体幹バランスの反射的制御)をトレーニングしているのも役立ったかもしれない。


6歳の姪と天覧山に登る

2021年03月24日 | 山歩き

幼稚園を卒園して4月から小学生となる姪(6歳)の春休みに、
我が家での卒園者恒例の”初登山”として、埼玉県飯能市にある天覧山(197m)に連れて行った。
恒例というのは、彼女の歳の離れた兄(甥)もその時分にこの山に連れて行き、
さらに姪・甥の父親である歳の離れたわが弟も、その時分に、この山に連れて行ったから。
ということで私にとっても、6歳児を連れての3度目の行事となる。

今回、今までと違うのは、私の方がどんどん年齢を増しているので、連れて行く相手が弟や子相当ではなく、”孫”相当になったのと、連れて行くのが女の子という点。

登る山は、ごく低山なので、私は問題はないが、地元では小学生が登る山なので、それに満たない6歳児ではちときつい。
6年間の人生の中で最大のハードワークであり、小学生になるために乗り越えるべき、でしゃばりの伯父が課した試練といっていい。

まず、飯能駅前でバスに乗り込むと、車内全部に「ヤマノススメ」のキャラのポスターが貼ってあるので、姪はそれに興味津々(残念ながら、私も詳しくは説明できない※〕。
※:主人公たちが最初に行った山が天覧山であることは知っている。

市役所前で降りて、道標に従い天覧山に向う。
最初は舗装道路だが、次第に山道になり、山頂直下は岩場になる。
山頂からの眺めはよく、足元の飯能市街はもとより、遠くは純白の富士から東京都心のビル群まで見える(今日はスカイツリーは見えなかった)。
実は天覧山だけだと、いくら6歳児でも軽すぎるので、奥に連なる多峯主山(とうのすやま:271m)にまで毎回足を伸ばす。
すなわち初登山がいきなり「縦走」となる。

天覧山頂から急な階段を下って、「マムシ注意」と看板のある広い谷地に下り立ち、「見返り坂」という単調な階段の登りとなり、一旦は平坦になるが、多峯主山直下は、天覧山の数倍ある露岩の急斜面で、鎖場もあり、未就学の子ではきつい(見守っていないと危険)。
でも弟も甥もこの斜面を登り、今回の姪も泣き言ひとつ言わず登りきった。

登りきった多峯主山頂(写真)は、標高が271mと高くしかも鋭峰なので、天覧山以上の眺めを得られるし、
テーブル・ベンチもあるので、昼食をとるにはこちらの方が適している。

2つあるテーブルの1つが幸いに空いたので、持参のソロ・ストーブ(商品名)で途中で調達した枯れ枝を燃料にして湯を沸かし、それぞれカップ麺を頬張る。
ソロ・ストーブでは燃やした木は炭を通り越して灰になるので、後始末が楽(ただしガスにくらべて燃焼に時間はかかる)。

下りは、林の中のゆるい本郷尾根の道を、6歳の姪とおしゃべりしながら歩く。
というより、この姪のおしゃべりは実母でさえ降参するほどだから、”女の子”としてではなく、この子の個性。
山を降りきって、姪もさすがに疲れをみせて、歩みが遅くなるが、おしゃべりは健在で、その調子で飯能駅まで歩く。
帰りの電車でも、眠ることなく(甥は眠った)、残ったお菓子を食べながら、会話が続いた。
私もそれなりに疲れた。


危険な活断層:6-16位

2021年03月22日 | 防災・安全

前回(危険な活断層:ワースト5)の続き。
ワースト5に次いで活動の危険性が高いグループ(上位5つの「いつ活動してもおかしくない」よりは一段低いレベル)で、30年発生確率が2.5%を超える11ヶ所をピックアップする。

6位: 3.68%  塩沢断層帯(山梨県、一部神奈川県) M6.8
山中湖周辺。ということは富士山のすぐそば。

7位: 3.66% 黒松内低地断層帯(北海道) M6.8
渡島半島北部を南北に縦断し長万部(おしゃまんべ)を通る。泊原発が近くにある。

8位: 3.51% 宍道(鹿島)断層(島根県)M6.6
宍道湖を挟んだ松江の対岸。

9位: 3.49% 境峠・神谷断層帯主部(長野県)M7.0
上高地から鳥居峠にかかる断層。山崩れのおそれ。

10位: 3.05%  奈良盆地東縁断層帯(奈良県) M6.9
東縁といっても、奈良市・天理市を縦断する。

11位: 2.99% 糸魚川-静岡構造線断層帯中南部(長野県) M6.8
第1位のフォッサマグナの続きで諏訪湖周辺。フォッサマグナは連動の可能性もある。

12位: 2.96% 雲仙断層群南東部(長崎県)M6.6
第5位に隣接。熊本の地震のように近接する活断層がともに活動することがある。

13位: 2.93% 周防灘断層帯(周防灘断層帯主部区間)(山口県) M7.0
海の活断層だと津波、しかも逃げる猶予のない突発的な津波の恐れがある(1993年北海道南西沖地震で奥尻島に16.8mの津波が押し寄せ、死者・不明者230人)。この断層は北西側に隆起※するというので、山口側に津波が来るだろう。
※:押し合う逆断層だと、海底の断層面が隆起するので、前兆となる引き波なしに突然津波が発生する。

14位: 2.89%  上町断層帯(大阪府) M7.0
豊中−大阪中心部−堺を縦断する恐ろしい断層。
単独での活動可能性は上記のように高くないが、もうじきやってくる「南海トラフ地震」の影響を受けるといわれている。
神戸を上回る大都市直下の最も警戒すべき活断層なので、政府がスルーしているはずがない。
平成19年度の内閣府・中央防災会議では、M7.6と想定しており、ここ単独で想定死者(冬5時、風速15m/s※)はなんと42000人。
※同基準での奈良盆地東縁断層帯の想定死者は3700人。
この数は(当時の内閣府が想定していなかった)東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の死者の2倍、想定している首都直下型地震(震央は都心部の外)の想定死者(その後対策強化により減少)の4倍なのだ。
大都市のど真ん中の真下でうごめきそうな活断層だからこの数になる。
だから、むしろ「東京より大阪の方が危ない」という認識が必要なのに、世間では無視され続けている(マスコミの東京中心主義だけでなく、大阪には地震は来ないという地元の誤った思い込みもあるようだ)。

15位: 2.87% 十日町断層帯西部(新潟県) M6.9
新潟の内陸部。実は番外の17位に十日町に隣接する断層帯(高田平野東縁断層帯,2.5%,M6.7)も入っている。 豪雪地帯だけに、積雪期に発生すれば、随所で雪崩を誘発する。

16位: 2.81% 安芸灘断層帯(広島〜山口県)M6.7
13位と同じ瀬戸内海西部の活断層。もちろん突発的な津波も警戒。この断層も北西側に隆起するというので、広島湾側に津波が来るだろう。
この順位以下の活断層は、最新活動時期の年数が平均発生周期に達していない(11位を除く)。

以上、前回の5つを含めた16の断層は、北海道から九州まで散らばっている(東北と四国にはなく、長野県に3つも入っているのはフォッサマグナのせい)。
警戒すべき地震(地域)は、南海トラフ3連動(静岡、愛知、三重、和歌山、徳島、高知、大分、宮崎)と首都直下型(東京、千葉)だけではないということを、まずは国民の共通理解としたいものだ。

ここに記した情報はすべて国の機関(国民の負託と税金で運営)からネット公開されている。
誰でもアクセス可能だが、目指す情報には簡単にたどり着けないのが欠点。
それを仲介して国民に知らしめる役割が、きちんと社会に機能していないのが残念だ。

関連記事→「直下に活断層がある都市は」
私のホンネメッセージ→「次の地震はそこでは起きない


危険な活断層:ワースト5

2021年03月21日 | 防災・安全

3月20日の宮城県沖地震(M6.9)は、広い意味で10年前の3.11「東北地方太平洋沖地震」(M9)の余震で、内陸に近いものの深度が深く、その意味ではプレート境界型の地震。
ただ震源が大深度なので、マグニチュードは高いが地上の震度(被害)は大きくないのが幸い。

このように、地震というと、「南海トラフ」などのプレート境界型の地震のイメージが強いが、直下型となる陸側のプレート内型=活断層型の地震も忘れてはならない。
こちらの地震は、深度が浅いため、逆にマグニチュードの割りに、地上の震度(被害)が大きい。
たとえば阪神淡路大震災をもたらした「兵庫県南部地震」(M7.3)や、取りざたされている「首都直下型地震」も活断層型の地震だ。

ただ、その「取りざたされている」とは、”マスコミで喧伝されている”、であって「公式に危険性が指摘されている」とイコールでないのが問題。

その一番の理由は、全国のマスコミの元締めである在京マスコミが、自分たちのいる東京の地震しか関心を示さないためだ※。
※:阪神淡路震災が起きた当日夕方、名古屋宅で見た全国ネットのテレビ特番のタイトルが「神戸で直下型大地震、東京は今後大丈夫か!」みたいな見出しで、神戸の震災の番組を名古屋で観る者として、唖然とした記憶がある。

だから、首都直下型地震だけが全国的に有名となって、まるで東京だけが危ないような印象が全国に拡散されていく。
その結果、東京は真剣に防災対策を進め、首都直下型地震の想定死者数を減少させた一方、東京と「南海トラフ」から遠い地域では、自分たちは関係ないという誤った安心感が広まり、防災がおろそかになり、いざという時、被害を大きくしてしまう(神戸も熊本も、住民にとっては虚を突かれた思いだったろう)。

国全体の防災・減災を願う者としては、「公式に危険性が指摘されている」地域について、マスコミ以外のルート(微力ながらこのブログ)で広めていくしかない。

そこで、国内の活動危険性が高い活断層※について、
※過去に活動=地震の痕跡があり、そのマグニチュードが6以上だった活断層に限定
国立研究開発法人・防災科学技術研究所がネット公開している「地震ハザードステーション」(J-SHIS)の活断層マップから、30年間の発生確率が高い活断層滞を抜出して紹介する。

まずは、発生確率が高い上位5つを、下位から、順位、30年発生確率、断層名(所在県)、マグニチュードの並びで紹介し、解説を加える。


5位:4.36% 雲仙断層群北部(長崎県) M6.8  
2016年に活動した熊本地震の震源地(活断層)から島原湾を隔てた対岸に、この危険な活断層がある。
言い換えれば、すぐ近くの熊本の活断層が2つも活動したのだから、それに刺激されてもおかしくない。この活断層はすぐ北にある雲仙岳の火山活動にも影響を与える可能性がある。
M6.8は2004年の中越地震(死者・不明者68名)と同じ。
この活断層の平均活動周期は2500年で、前回の活動が2500年前だという。
なのでここで紹介する5位以上の活断層は、今後いつ活動してもおかしくない。
発生確率の値は、このように理解してほしい。


4位: 4.77% 森本・富樫断層帯(石川県)  M6.7  
金沢平野東縁の山地にあり、市街地からいくぶん離れているが、金沢市も影響を受けることは確実。また山地が震源となるので、山崩れなどの災害が発生する。
大規模な土砂災害が発生した北海道胆振東部地震(2018年)もM6.7だった。


3位:8.39% 三浦半島断層群主部武山断層帯(神奈川県) M6.5  
ここで発生確率が2倍に跳ね上がる。
これは少なくとも首都圏では危険性が取りざたされている要注意の活断層。
三浦半島東側の横須賀市の真下にあるので、横須賀一帯が直下型地震に見舞われる。
北に隣接する300万都市・横浜市も無事では済まないだろう。
都市部の直下型だと、M6.1(2018年大阪北部地震)でも死者が6名でた(震度6弱)。
活断層が不明瞭な東京湾北部の首都直下型より先に活動するかもしれない。


2位:8.45% 阿寺断層帯主部北部(岐阜県) M6.4  
阿寺断層は、噴火活動中の木曽御岳の南側(裏木曽街道)を走る長い断層で、過去幾度もの活動で断層を横断する川の流路を変えてきた。
そう活断層は”地形”を変えるほどの破壊力があるのだ。
中津川市の鉱物博物館に模型による阿寺断層の説明があり、市内坂下町にこの断層の露頭(地上露出面)がある。
「北部」は、高山線が走る谷沿いの飛騨萩原(下呂の北)付近。
ここも山崩れ(高山線に被害)の恐れがある。

 

そして堂々の1位は…


1位: 22.1% 糸魚川-静岡構造線断層帯中北部(長野県) M7.0   
地形を変える活断層というなら、本州を東西に分断する大断層・フォッサマグナ(糸魚川-静岡構造線)に勝るものはない。
なにしろ、日本アルプスを標高3000mにまで押し上げ、大地溝滞に諏訪湖・八ヶ岳・富士を作ってきたのだ(諏訪湖は中央構造線、富士はフィリピン海プレートも関与)。
このフォッサマグナが貫録の1位を獲得。
「中北部」というのは、松本盆地を含む明科〜茅野の区間で中信の中枢部(松本,塩尻、岡谷,上諏訪)を占める。
平均発生間隔が700年なのに、1019年活動していないので、確率も群を抜いて高い。
「すでに発生したはず」というレベルだ。
しかもM(マグニチュード)が7とワースト5の中で最大。
直下型のM7は兵庫県南部地震クラスの揺れで、揺れの加速度(ガル)が重力加速度を超えて、あらゆる物が宙に浮く。
耐震性の弱い建物は鉄筋のビルを含めて倒壊し、阪神淡路大震災クラスの被害をもたらす。
これくらいの大きい活断層は、プレート境界型地震の影響も受け、東北地方太平洋沖地震後に、隣接する「北部」がすでに活動した(今も上高地付近で群発地震)。

以上、いずれも「南海トラフ」などのプレート境界から離れた地域だ。
日本の国土は、幾重もの地震と火山と洪水で作られてきたことをお忘れなく。
本来は”恵み”でもあるこれらと、共に生きていく術(すべ)=防災力を身につけよう。

危険な活断層6位〜


開閉会式の演出に、なぜあんなアイデアが出たのか

2021年03月20日 | 時事

今回の東京五輪開閉会式の演出案の騒動について、私からも一言。

そもそも、アイデア出しの企画会議って、部外秘のはずなのに、それが1年後になって(このタイミングに)、外部に漏れ出ることに、違和感(悪意)を感じる。

ただ世間の人は、それ以前に、なぜ、あのようなひどいことをアイデアとして出したのか、出すべきではなかった、と思うかもしれない。

本人がそれを出した理由は、アイデア出しの基本テクニックである「ブレイン・ストーミング」(脳の嵐、以下、ブレスト)を実行したつもりだからだろう。
電通のクリエイティブ・ディレクターという肩書きと年齢から、「アイデア出しならブレストで」という長年の習慣が身に付いていたはず。

アイデア量産技法としてのブレストとは、思いついたことを、すべて吐き出すもので、これはまずいと自己判断して、出すのを躊躇してはいけないのがルール。
だから、顰蹙(ひんしゅく)を買う内容であっても出したのだ。
それがブレストだから。

そもそも、ブレストは、フロイトの精神分析療法における「自由連想法」が起源。
患者が自由連想を進めていくと、普段の意識レベルでは思いもつかない、無意識の内容が出てくる。
連想は、①言葉の発音の類似性、②意味の対応性、あるいは③表象イメージの類似性によって進行する。
だから、オリンピック→①→ピッグ→②→豚→③→あの人、と連想が進行したわけだ(この連想のレベルの低さは責めるなかれ。連想とは所詮このレベルなのだから。そして”没”になったものを事後にあげつらうのも、なんだかなぁ)

意識によって抑圧された無意識とは、たとえばフロイト理論では、異性親に対する性的関心や、同性親に対する憎悪など、社会的に許されない内容だったりする。
なので、ブレストが進むと、そのような常識に反する内容のアイデアが出ておかしくない(むしろ常識の壁を突破したい)。
しかも、その場合、自己判断してそれを抑制してはならないのだ。
もちろん、いろんな意味で”使えない”アイデアは、ブレストが終った後の選別段階で没にすればいい。

精神分析の治療関係では、当然ながら守秘義務があり、患者の連想内容が(本人が同定される状態で)公開されることは絶対にない。
ふつうの企画会議でもそのはずなんだが(それがマナー)。

今回の教訓
気心の知れない人間が集まった会議の場では、ブレストを本気ではやらない方がいい。

上の当事者のような特定世代の人には”ブレスト信仰”があるのだが、
経験上、ブレスト(特に集団ブレスト)って、ゴミしか出てこない。
それは連想のみに頼るからで、
真に素晴らしいアイデアは、連想による思いつきではなく、しっかり考え抜かれることによって生まれる(ニュートンが、リンゴが木から落ちるのを見て、万有引力の法則を思いついたのは、それまでそれについて考え抜いていたからであって、偶然の連想でポッと出たのではない)
今回の案も、人を傷つける内容以前に、実際ゴミのようなレベルだったでしょ。
集団ブレストをやるくらいなら、個人ブレストを各自でやって、その選別結果を集団で持ち寄った方がましだと思う(個人ブレストなら、顰蹙を買うアイデアも他人に知らせる前に自分で没にできるし)。


湯河原温泉に泊る

2021年03月19日 | 温泉

東京の緊急事態宣言が解除される直前で、土日連休の前日ながら、部屋に空きがあったのを幸いと、湯河原温泉に宿をとった。
そう3月恒例の、年度末の慰労の温泉宿。

湯河原温泉は、東京からだと熱海の1駅手前なので、名のある”温泉地帯”の中では東京から一番近い所といえる(厳密にいうと小田原の奥の箱根湯本の方が東京に近いが、泉質で評価すると、あちらは単純泉(≒高温の白湯)で、こちらは成分が豊富な療養泉:泉質はナトリウム・カルシウム塩化物硫酸塩泉なので、温泉としてはこちらが上)。

ただし谷沿いに並ぶ温泉街のほかには、観光名所といえるものはなく(作ってはいるが)、宿の周囲に訪問先がないのが欠点(背後の箱根とセットならOK)。

私がその湯河原の宿としているのは、いかにも文人に愛されそうな風情漂う木造の高級旅館(伊藤屋、藤田屋)と、ゴージャスな”エクシブ湯河原離宮”のホテルに挟まれた、平凡な造りの”私学共済”の宿。

そういうロケーション・造りの宿なので、一般観光客で混み合うこともなく、そして共済組合員として割引価格で利用できるのでありがたい。

なにしろ宿の温泉は自家源泉で、塩素消毒なしの掛け流し(湯河原はこれが多いのがいい)。
ただし私の浴槽の計測でTDS(全溶存物質)は400-600ppmなので、温泉成分が濃くはない(源泉が熱すぎるため加水しているせいでもある)。

観光地でない純粋な療養地と割り切って、ひたすら湯に浸かり、料理に舌鼓を打って、つかぬまの慰労にいそしみたい。、


スカイツリーに行ってきた

2021年03月18日 | 東京周辺

東京スカイツリーは、建設中に、その異様な高層建築を見に行ったが、
完成・オープンしてからは、混雑で待つのを嫌がって、ちっとも行く気になれなかった(その代わりに、閑散とした東京タワーの方に行った→「東京タワーに行く」)。

どうせ行くなら、空いていて、しかも眺めがいいタイミングに行きたい。

ならば、私にとって春休みで東京宅にいて、緊急事態宣言が解除されようとする直前の平日で晴天の今日をおいてほかにない。

ただ、晴天といっても春霞(実は黄砂)の時期、日中に行っても遠望は期待できない。
それを期待できる日の入りを見計らって行こう。
ということで、家をゆっくり16時前に出て、地下鉄・東武線と乗り継いで「とうきょうスカイツリー」駅で降りた。

さっそく、駅のどの出口から出たらいいかわからない。
直線距離が近い方の出口から出たら、チケット売り場はあちら側という矢印。
そちらに大回りして、タワー下のビルのエスカレーターに乗り、動線に沿って進むと、タワーではなく水族館前で出て、あやうく水族館のチケットを買いそうになった。
目を皿のようにして案内を探し、ようやくスカイツリーのチケット売り場にたどり着けた。
21世紀の東京を代表する観光地がこれでいいのだろうか。

チケット売り場は、間隔を空けた行列になっていて、長くはないが、売り場担当が2人しかいないこともあって、15分並んだ。
さらに、タワーに上がるエレベータに乗る前に、簡単な荷物検査を受ける。

エレベータ乗場では、係員のこなれた説明を受けて、このあとはスムース。
私は、精巧な高度計を持参して(事前に高度調整済み)、エレベータ内で高度がどんどん上がるのを確認する。
高度計が正しく350mを示した所で、扉が開くと、目の前に大東京の俯瞰風景が広がる。

まず、生まれて初めて、東京タワー(333m)を見下ろす(写真中央の尖塔)。
周囲を高層ビル群に囲まれた東京タワーのなんと平凡な姿か。
まるで名古屋・栄のテレビ塔のように存在感がない。
東京タワーは、近くの地上から見上げるに限る。

同じく、新宿の高層ビル群も見下ろされる。
残念ながら見上げるべき山々は見えず、展望は都内と江戸川沿いの千葉、荒川沿いの埼玉に限られる。

さらに上(450m〕の天望回廊に向う。
エレベータの天井からタワーの内部が見える(写真)。
スカイツリーの最上階に達すると、眺められる東京タワーや高層ビル群はいちだんと低くなる。
持参した8倍の双眼鏡を使うと、ディズニーランドの「山」や、羽田空港の旅客機も確認できる。
双眼鏡から自宅の方を探すと(自宅からスカイツリーは見えない)、最寄り駅のビルや、近くの病院の建物を確認できた。

日没方向はあいにく雲がかかって富士山などの山々のシルエットは見えなかった。
日没を過ぎると、だんだん街の灯が点灯し出す。
行き交う車もライトを点け、車と街灯が灯りの列を作る。
夜景はそれなりにきれいだが、場所の確認はしにくくなる。
むしろスカイツリーは夜景の一部として見られる側に入れたい。

という所で満足して、降りるエレベータに乗った。
最後は5階に出て、正面が土産物売り場、その横から駅に出る2階までエレベータに乗り、2階のスーパー食品売り場の中を抜けると、駅から直線距離が近い口に出た。
こっちからでも行けたのか?
それとも買い物(土産と夕食の総菜)を誘発する一方通行の見事な動線となっているのか?
次回は、冬に来て、東京・関東を囲む山々を眺めてみたい。


コロナ禍での卒業式

2021年03月15日 | お仕事

昨年は卒業式が中止となったが、今年はなんとか卒業式を実施できた。

ただしいつもの国際会議場の大ホールではなく、大学構内で遠隔での実施。
すなわち学長らと各学部代表(各1名)が執り行う本部会議室での儀式を、それぞれの学部学生が学部の大教室でリアルタイム画面を見ながら進行するというもの。
校歌斉唱(強い吐息)もまずいので、録音の歌声を聴くだけ。

しかもうちの学部だけ別キャンパスなので、うちの学部代表の学位記(卒業証書)授与の場面は、学部長が教室の演台でスクリーン画面の学長に合せて学部代表に手渡す(うちの学部代表は本部にいかない)。
私は大学院の研究科長として、大学院の修了式に上と同じ方法で、修了生代表に修士の学位記を手渡した。

本部での式典が終わると、学部ごとに教室で卒業生一人一人に学位記を手渡す。

以上、確かに変則的だが、最後の卒業の日を、学んできたキャンパスの教室で迎えられるのは、むしろいいことに思えた。

それに今日だけは、特別に着飾った学生たちが大勢集まる華やかなキャンパスだった。


私流、青春18きっぷの電車旅

2021年03月14日 | 

ずっと東京と名古屋を往き来する生活をしているが、「青春18きっぷ」のシーズンと重なる8月前後と3月は、丁度名古屋での勤務が(授業がなくなって)緩くなるので、鈍行でのんびり往き来できる。
18きっぷを使えば交通費が1/4以下になるのがうれしい。
こういう使い方は私ならではだろうな。
このパターンをずっと続けていて、夏と春は18きっぷ5回分を毎回フルに使い切るので(年に10回使用)、もうヘビーユーザーといってもいい。

鈍行を乗り継ぐので所要時間は3倍以上になるが、無限に必要な読書時間に充てれば問題ない。
時間がたっぷりあるので分厚い本を集中して読めるのがいい(小説では過去に「ドグラマグラ」,「死霊」,「カラマーゾフの兄弟」など読んだ)

ひたすら読書にいそしむのもいいが、使い慣れて精神的に余裕がでてきたので、
東京—名古屋間をいつも素通りするのももったいないと思い、
途中下車して駅近所の名所などを巡ることにした(18きっぷは途中下車自由)。
東海道線だと便が頻繁にあるので、たいした時間ロスにならないからこれが可能。

前回の記事で、早川駅で降りて寺巡りしたのも、実はこれの第1弾でもあった。

今日は、東京から名古屋往き。
そうそう、もう1つの楽しみ方として、駅弁を買って食べるというのもある。
普通のロングシートだと車内で食事はできないが、東京—熱海間はグリーン車があるので、グリーン料金を払って(車内ではなくホームで購入すべし)、ゆったりしたシートに身を沈めて車窓の景色を楽しみながら駅弁を頬張る(今回は上野駅で買った福井のカニ尽くしの弁当)。
グリーン車がない、たとえば名古屋寄りの場合は、1便遅らせてホームのベンチで食べる(浜松駅の鰻弁当)。

さて、今日は、興津駅で降りて名刹・清見寺に行こうかと思っていたが、雨上がりの晴天で純白の富士がとてもきれいなので、予定変更して吉原駅で降り、「富士と港の見える公園」に立寄ることにした。

吉原駅は田子ノ浦港にほど近く、しかも富士山が真正面。
富士の他に南アルプスの塩見岳(3047m)※もよく見える。
※山名の由来として、海(潮)が見えるからという説があるものの、南アルプスのど真ん中からそれは信じ難いという論評を目にしたが、こうして駿河湾の港から塩見岳がはっきり見えるのだ。

公園にはらせん階段のある展望台、仏舎利塔と阿字神社(どう考えても元は仏教系)それに見付跡がある。

あと住宅地に「鈴川の富士塚」というのがあるので行ってみた。
まさに富士を遥拝する浅間神社の富士塚で、塚の上に上がると本物の富士山とご対面(写真)。
ただ、もともと付近一帯から富士山を拝めるのだが。
小一時間の散策で駅に戻り、再び18きっぷの乗客となった。

途中下車して近所を歩くことで、旅気分も高まり、座り詰めから解放されて、気分転換にも軽い運動にもなる。


震災10年目の日に18きっぷで帰京

2021年03月11日 | 東日本大震災関連

本日、18きっぷで帰京。
例年3月11日は、仕事がない日が多く※、昨年も今年も東海道線の旅客(18きっぱー)となっていた。

※2011年3月11日のあの時も、東京宅近くのビデオショップにいた(ビデオが床一面に散乱)。

いや休みなのは私だけでないようで、車内にはがっしりしたスーツケースを引きずる若者の姿が目立った(ただし静岡空港の最寄り駅では降りずに、東京行きの車両に乗っていく)。

言い換えると私も東京に帰るのが精いっぱいで、東北にまで足をのばす余裕がない。

東海道線の片浜−沼津間の車中で迎えた14時46分。
ロングシートの座席に座ったまま手を合わせて1分間黙祷した。

それだけでは足りないので、早川(小田原の1つ手前)で途中下車して、駅から見える高台にある東善院の大きな魚籃観音と、線路沿いの早川観音(真福寺)を参拝し、早川観音では本堂の本尊(聖観音)の前に正座して、犠牲者の冥福を祈った。

なぜ私が、こうするのか。
それは私にとっても最大の心の傷だから。

本当なら、全線開通している常磐線に乗って、福島第1原発近くに行きたいが、コロナ禍もあってなんか行きにくい。
いっそ各地の震災伝承館(いわき、双葉、気仙沼、陸前高田)をぐるっと巡りたい。


『茶臼山パワースポットの謎』

2021年03月10日 | 茶臼山カエル館計測

愛知・長野両県にまたがる茶臼山(1416m))にある正真正銘パワースポット「カエル館」(長野県根羽村)の本が、表題のタイトルで出版された(出版元は一兎社)。

副題に「”計測マン”教授の挑戦」とあるのは、もちろん”計測マン”を名乗る私のこと。
そう私が活躍するのだ。

著者は私ではなく、山口真一というライターなのだが、私のブログ記事がふんだんに引用されているため、私も「監修」になっている。

ただし、長野県の支援金事業による出版なので、利益を得ることができないため非売品であり、一般に流通されない(主に長野県内の図書館等に寄贈されるのだろう)。

もっとも、本ブログの読者の皆さんは、引用元のオリジナルの記事がここですべて読めるので(「茶臼山」で検索)、私の記述部分に関しては不都合はない。

この本の前編(正編)となる『ワンと鳴くカエル 信州根羽村「カエル館」物語』はAmazonで電子書籍も購入できる。

ちなみに、私の”挑戦”は今後も続く。


給与生活者として確定申告:追記あり

2021年03月05日 | 生活

昨年3月で長年やってきた個人事業を廃業し※、以来、はじめて純粋な給与生活者となった(つまり減収)。
※:廃業しなければ、給付金を受けられたのに!

なので個人事業主としてやってきた確定申告から解放されてもいいのだが、昨年は母の両膝手術などで医療費がかさんだので、給与生活者(収入源が1ヶ所)ながら、あえて確定申告をした(義務ではない)。

今年から若干やり方が変更され、医療費などは(膨大な)明細書群を提出せず、計算リスト表を提出し、源泉徴収票も提出しなくてよい(いずれも5年保管)。
ただしこれ以外の生命保険や寄付金の証明書については従来通り添付して提出。

これらのデータをもとに国税庁のサイトで入力すると、あとは自動計算され、それをプリンタで印刷して税務署に提出(郵送可)すればよい(マイナンバーカードを所持してのe-Taxだともっと簡単のようだ)。

半日あればできるが、未経験者には心理的に敷居が高いだろうな。
でも還付される(余分に払った税金が戻ってくる)可能性があるなら、文字通り、やって”損はない”。
今年は締切りが4月15日と1ヶ月遅いので、こういう時こそトライしやすい。

私は個人事業主でなくなったので必要経費は算出できないが、扶養控除に今年格段に増えた医療費控除(扶養家族分を含めて計10万円以上で発生)、あと生命保険控除(こちらはいくら高額な保険に入っていても上限5万円)、寄付金控除(私の場合は小額なので所得控除には反映されないが、税額控除に反映)もあり、以上を合わせた結果、6桁の還付金となった(過去最高額)。

4月にこの額が私の指定口座に振込まれるのだ

”還付金”とは、以上の手続(確定申告)によってのみ得られる。
たとえば、税務所を名乗るところから電話がきて、「還付金がありますので、ATMに行って、こちらからの指示に従って…」というのは明らかに詐欺行為でしかない
ほんものの税務署からの電話は、確定申告した者に「申告額がおかしい」というドキッとする内容ばかりだから。

追記1:昨年までは、個人事業所のある名古屋宅近くの名東区役所に徒歩で提出したが、今年から自宅の東京での提出となったものの、税務署が遠く、しかも受け付けで待ちそうなので郵送することにした。
郵送の場合、印刷される「控え」分もすべて送付し、また返信用の封筒(角形2号)に切手(120円)を貼り、自分宛にしておいて角形2号封筒に同封する。郵送の切手代は140円。
受理されれば、数日後「控え」が返送される。

追記2:4月5日に還付金が振込まれたというハガキサイズの国税還付金振込通知書が来た。
もちろん申告書の満額が振込まれていた。本物の”還付”はこのようになされる。
医療費をたくさん使った母に半額渡した。