昨日、年度末の在学生ガインダス担当と複数の学生面談のため、新幹線で名古屋に戻った(4月10日まで有効の「青春18きっぷ」はすでに5回分すべて使い切った)。
3月末の残り2日間は用事がないので、年度末の最終慰労、というより新年度を迎える英気を養うために、年に1度は利用する恵那峡(岐阜県恵那市)の温泉宿に泊る。
この宿は「湯快リゾート」という安宿チェーン※なのだが、
※1年中1泊1万円未満(4桁)で泊れる温泉宿チェーン(関東では大江戸温泉、伊藤園など)で、食事はたいてバイキング。
温泉の濃さが尋常でないほど濃く(同じ恵那峡でも他の宿はこの限りでない)、これは自慢できるレベルであることを温泉ソムリエにして計測マンの私が保証する。
すなわちじっくり濃い温泉※に浸かりたい時にここを選ぶ。
※:「濃い温泉」とは、泉質を構成している成分濃度が高い=浸透圧が高いということで、温泉成分が皮膚を通過してどんどん吸収されるということ。だから濃い分だけ効き目も高い。ここは「高張性」という日本でも有数(通常の濃度計では針が飛ぶ)レベルの濃さ。われわれが入るたいていの温泉は「低張性」で、一度入ったくらいでは皮膚の表面に成分が触れる程度。ちなみに温泉成分表で源泉の濃さはわかるが、私は実際の浴槽の湯の濃さを計測して評価している。
ただ安宿チェーンの例にもれず、廃業宿を買い取ったため、古い客室に難ありだったのだが、一部を改築して和洋室などの「ランクアップルーム」を新設し、その追加料金は2000円なのだが、メール会員だと半額の1000円ですむので、メール会員の私はランクアップルームが空いている時に限り予約する事にしている。
幸いランクアップルームが取れたので、晴天ながら黄砂で風景が黄色く霞む中、愛車を駆(か)って、満開の桜が点在する東濃路を抜けて恵那峡に達した。
思いのほか宿が混んでいないのは、春休みといっても平日のため、というより、宿が泊まり客の数を制限しているためだろう。
さらにバイキングの食事はもちろん、大浴場の利用も館内のエレベータも人数制限下においている。
このように店側も客側も、主体的に”三密”を避ける行動を取っていれば、行政の禁止令に依存する必要はないのだ※。
※:でも厚労省内部にもそれが守れない人がいたとは…。孔子様が、人々を、礼(マナー)によって自己制御できる「士」と、それが無理そうなので法(ルール)できっちり管理するしかない「庶」に分けざるを得なかったのは致し方ないようだ。
客室の広い窓から、満開の桜が木曽川の川辺に広がる恵那峡の公園(人影はない)を眺めながら、持参したノートパソコンで作業(仕事以外の情報処理を含む)をする。
夜になると川辺の桜並木がライトアップされ、客室から夜桜を眺めることができる(写真)。
さて、夕食はいつものバイキング。
他のバイキング宿と同じく、ビュッフェの料理を取る時は、各人マスクにビニール手袋をする。
毎度のことながら、この宿では”訳あり家族”に目がいく。
私の目の前のテーブルには、小学校低学年の男の子とその母親の30代女性が並んで座り、その向いにその女性の母親とみられる50代女性が座って、3人でバイキングを楽しんでいる。すなわち”父親・夫”の影がない。
安宿チェーンは、生活の余裕に乏しい”訳あり家族”にもこうして安価に家族の思い出を提供するという立派な社会的役割を果たしている(これよりランク上のリッチな宿だと、客はリア充の家族・カップルばかり)。
バイキングなので、好き嫌いが多い子も自分の好きなもばかり食べれて満足だろう(一応デザートも数種類あり)。
もっとも、訳ありというなら、その3人の隣りのテーブルに、たった一人でバイキングの皿を幾枚も重ねている※男客の方が”訳あり”度が高そうといえなくもない。
※:かようにバイキング(夕食と朝食)では腹いっぱい食べたが、糖質(炭水化物とスイーツ)はできるだけ避けるので、帰宅後体重計に乗ったらむしろ0.5kg減っていた。