今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

車内の二酸化炭素濃度を測る

2024年02月10日 | 計測

空気中の二酸化炭素(CO2)濃度は、おおむね500PPM以下が正常値(外気と同じ)で、1000PPMを超えると換気が必要とされ、2000PPMを超えると集中力の低下や眠気が発生し、さらに濃くなると、頭痛・めまいなどの症状が出て、ついに(10000PPM以上)は死に至るという。

そもそも人間本体が、酸素(O2)を消費して(体内で炭素をくっつけて)CO2を排出するのだから、人間(自分)がいる場所は必然的にCO2が濃くなる。

居住空間では、エアコンを使うシーズンは窓を閉じるのでCO2濃度が高くなる。
自覚症状が出る前にCO2濃度を知りたくて、測定器を買い、実測値を元に試行錯誤した結果、
窓を小さく開けるだけ(風を感じない程度)で、室内が500PPMに保てることがわかった。

次は自動車の車内だ。
長時間の運転中に車内のCO2が濃くなると、気づかぬうちに集中力が低下し、思わぬ運転ミスが発生するかもしれない(その結果自他に致命傷を与えるかも)。

9日の温泉宿からの帰路(距離60km)、測定器を車内の助手席に置いて運転中のCO2濃度を測定した。
ちなみに車はFIAT500Sの小型車で乗車人数は1人。

まずは車内が冷えているので、空調を「循環モード」にして暖房を入れ、窓を閉めた状態で運転すると、30分しないうちに1040PPMに達した
この状態のまま運転を続けると、CO2排出者がいる空間なので濃度は上がる一方だろう(乗車人数に比例して排出量も倍増する)。
要換気水準に達したため、暖房はそのままで空調を「換気モード」に切り替えると、700PPMまで下がった。
だが正常値にまで下がらない。

そこで、さらに運転席の窓を1cmほど開けた。
1cm程度だと外から風は入ってこない(寒くない)
が、主観的にも空気が新鮮になった感じがする。

実際、測定器も500PPM前半にまで下がり、それを維持する。

細かいことだが、赤信号で停止するとその間は濃度が上がる(外気が入ってこないため)。
長い下り坂だと、さらに濃度が下がる(外気の空気圧が上がるため)。
どこかに立ち寄って、車から出入りする(ドアを開閉する)だけでも濃度が下がる(適度な休憩を入れることは意味がある)。

一番はっきりしたのは、エアコン空気の「換気モード」にするか窓を少し開けるかのどちらか1つより、両方やった方がきちんと濃度が下がり、しかも運転中も上がらないこと。
それは当然で、2ヶ所開けることで車内に車外からの空気の出入り口(=流路)が形成されるためだ。
2ヶ所開けることに意味がある。


加湿器の置き場所は:追記

2023年12月10日 | 計測

冬季になると、室内が乾燥して、皮膚や呼吸器への悪影響、さらにはインフルエンザウイルスの活性化をもたらす。
なので、加湿器などで生活空間(室内)に水分を補給した方がいいが、その加湿器は室内のどこに置くのがいいか。
とりわけ、鉛直軸上の位置、すなわち床面からの高さが気になる。
はたして床面に近い方がいいのか、顔の高さあたりがいいのか、もっと上がいいのか。

加湿器から出るミスト(肉眼で見えるから水蒸気ではない)は、勢いよく上に噴出するが、よく見ると蒸発(気化)する高さ付近で、噴水のように下がり気味なのが見える
※:水滴が蒸発する瞬間、周囲から熱を奪って気温を下げる。夏に使う冷風扇はその原理を利用している。なので冷風扇を加湿器として使えないこともないが、効果が強すぎて暖房とバッティングする
これだけを見ると、上の方に置いた方がよさそう。

ただし、肝心なのはその後の見えなくなった水蒸気の挙動だ。
室内にふんだんに供給される水蒸気は、室内空間の上・下どちらに集まるのかわかりづらい。
肉眼で見えない水蒸気は、室温のように肌で感じることもできないから。

そこで物理的な計測である。

まずは湿度なら、手持ちの温湿度計で測れる。
ただし、そこで計測される相対湿度は、飽和水蒸気圧に対する空間の水蒸気圧の比(%)で、分母たる飽和水蒸気圧は気温の関数で、気温が高くなるほど高くなる。
たいていの室内は、特に暖房を入れている場合は、天井に近くなる程気温(室温)が高いので、水蒸気の量(圧)が同じでも温度が高く(=分母が大きく)なるにつれて湿度は下がってしまう
※:なので、逆に(相対)湿度だけを純粋に上げたいなら、室内空気を冷却すればいいだけ。
すなわち、湿度計が示す相対湿度は、水蒸気の量そのものを示してはいないのだ。

そこで、気象予報士にして計測マンである私は、海外製のハンディ気象計(Kestrel)で、単位空間当りの水蒸気量(絶対湿度)の指標とされる混合比(=水蒸気/乾燥空気1kg)を計測する。
幸い暖房を入れていない今、Kestrelを床面に置くと気温21.9℃で混合比が8.86g/kgと出た。
そして書棚の最上部(天井近く)では気温が22.0℃で混合比は9.24g/kgとなった。

明らかに床面より天井近くの方が混合比が高い(混合比のほかに私が好きな露点温度を測っても、同じ傾向だった)。
ということは、水蒸気の室内分布は、上層ほど水蒸気が多いということだ
※:厳密にいうと混合比も露点温度も気圧の影響を受けるが、室内の床と天井との2mほどの気圧差は無視できる。

これは、0.1℃の気温差でも分かるとおり、暖房を入れていない状態でも、室内は微妙な温度成層が形成されていて、それを実現するためのゆるい上昇流が存在するといえる。
※;その論拠は、曲がりなりにも質量が0でない水蒸気が下層より上層に多いことによる。

水滴から蒸発した水蒸気は、水滴ほどに重くないため自重で下降しない(水蒸気が上昇してできる雲を見てわかる通り、水蒸気は空気中で簡単に上昇する)。

ということで、室内の水蒸気は上に集まるので、人間の身体を水蒸気に晒すためには、加湿器は床面に置いておくとよいことがわかる。
ただし、冷風扇のように冷却効果が強い場合は、下降流となるので、高所に置いた方がよい。
ちなみに、水蒸気は空気を入れ替えない限り、空間内で保存される。

追記:「みはりん坊W」という製品は、珍しくも(容積)絶対湿度(g/m3)を測定し、インフルエンザウイルスが活性化する乾燥状態になると警告を発してくれる国産の製品で、これを所持していたことに気づいた。
※定価3200円と家庭用温湿度計に比べると高価だが、ここに示すように計測器としてのレベルが高い。

その説明書には、インフルエンザウイルスの活性の推定も、相対湿度ではなく絶対湿度による方が正確という学術的根拠が示されている。
言い換えると、世間の相対湿度による温湿度計は、その活性についての不正確な情報しか提供できない。

実際、この「みはりん坊」による絶対湿度(製品では「乾燥指数」と称している)でも、部屋の床面が低く、天井近くは高かった。
それにしても、東京宅の室内は、加湿器を使わないと常に警告状態(7.0g/m3以下。基準は生気象学会に基づく)だ。

ちなみに、この「みはりん坊」は熱中症の指数(WBGT)も測ってこちらも警告を出してくれるので、夏も使える。
※:定義上は黒球温度と湿球温度と気温に基づいて計算される。ただしこの製品はかさばる黒球を使わないで生気象学会のデータに準拠して指数を算出。

私からすると、インフルエンザ感染と熱中症の予防のために、一家に一台あっていい製品だ(「みはりん坊ミニ」はもっと安い)。


室内の二酸化炭素濃度を測る

2023年02月01日 | 計測

 CO2削減は、地球だけでなく、狭い居住環境においても、頭脳労働の作業効率上必要なようだ。

適正な値は外気と等しい400ppm程度だが、締め切った室内に人がいて酸素を吸って CO2を出し続けているとどんどん濃くなる。

そうなると作業効率が濃度に反比例して落ち、眠気や頭痛が発生し、2000ppmを超えると健康被害が発生し、10000ppmくらいに達すると死亡するという。

ということで、”計測マン”の新たな装備としてハンディな二酸化炭素濃度計(アラーム付き)を購入した。

新築時に24時間換気システムを導入している東京宅の自室でも500ppmを超える(一応正常範囲内)。

そのような装置のない勤務先の研究室(鉄筋の個室)では、換気扇を常時回していても、机上で1000ppmを超えた(要換気アラームが作動)。

さらに木造の名古屋宅では、1200ppmを超えた。
暖房はエアコンでこの値だから、燃焼系の暖房を使っていたらもっと高くなっていたろう。

値を下げるには換気しかない。
冬なので窓を最小限に開けると、600ppmまで下がった(すなわち半減)。

換気は、電気を使う換気扇よりも、窓を開けて外気を入れた方が効率的なことがわかる。
ただ、これ以上窓を開けると暖房効果がなくなる。
600ppmはギリギリ正常範囲なのでこれで妥協しよう。

追記:翌日、同様な対応をしてみて、部屋の暖房に影響を与えない程度に窓をほんの小さく開けるだけで、室内の二酸化炭素濃度は平常値に下がることがわかった。これで問題解決!


”消磁マン”見参!

2022年05月29日 | 計測

下界は30℃の夏日を迎えたようだが、私は愛知県の屋根・茶臼山高原(標高1300m)に赴いた。
芝桜で賑わう愛知県側を避け、長野県側のカエル館に直行。

カエル館では、私はかなり前から”計測マン”として、磁力を始めとして館内外の”パワー”の計測にいそしんできたが、今回は違う。

なんとカエル館が誇るその磁力を消す、”消磁マンという新たな顔での見参だ!

そう、私は”消磁器”という新たな武器を手にしたのだ(消磁器はAC電源(コンセント)を使うので、ポータブル電源も持参)

尤も、カエル館にとっての貴重な”磁気スポット”には手を出さない。
その他のどうでもいい場所で磁化したポイントを消磁してみる。

館内のあちこちに締めてある木ネジ(木材に締めてある鉄製のネジ)は、電動ドリルドライバーで締められた時に着磁したようだ。
これらの木ネジの磁気は、計測器(テスラメーター)には反応するが、磁界はごく狭いため、生体には影響しない。

これらの木ネジの磁気は私の消磁器で簡単に陥落した。

消磁の原理は、NまたはSの極性に整列してしまった電子に、強い交流電磁波=磁気(mTレベル)を印加して減衰し、電子の極性の並びをもとに戻すこと(へんな比喩を使うと、ゾンビを元の全うな人間に戻すようなもの)。

ところが、屋外のコンクリート面に顔を出している磁化した鉄筋や、歩道沿いの白い鉄筒(磁化しているのはその蓋部分)になると、磁化した度合いあるいか面積か体積が大き過ぎるためか、幾度やっても消磁ができなかった。

一方、建物の外壁を構成するトタン(亜鉛鉄板)の磁化した(たとえば極性が逆転している)部分は消磁できたので、面積があっても厚さが薄ければOKなようだ。

このように試行錯誤しつつ、今後はあちこちで”消磁”していきたい。


地磁気の正しい測り方

2021年11月13日 | 計測

パワースポットの指標の1つである地磁気(磁というパワー)を、各地で計測している私からみると、磁気を正しく理解せずに間違った方法で計測し、その値を盲信して”ゼロ磁場※”や”磁場逆転”だと誤解しているフシがあるようだ。
※:磁気が分布している空間を磁場あるいは磁界という。
そこで、正しい地磁気の測り方を示すことにする。

まず、地磁気は、磁南極から磁北極(以下北極)に向って流れる惑星規模の磁気で、磁気なので強さと方向(極性)をもつベクトルである。

ご存知のように磁気の同極側は反発し、異極同士で引き合う。
この理屈で、方位磁石のN極側が北極方向に向いているわけだから、北極自体はS極※である。
※:違和感があるが、歴史的に磁極よりも先に方位磁石が発見され、北を向く磁針がまずはN極とされたため。
そもそも磁気はN→Sの方向のベクトル。現在の地球では南極にN極があり、北極にS極があるが、長い地球の歴史では両地の極性は幾度も入れ替わっている

磁場の中心地に近いほど磁力は強くなるので、地磁気の磁力は、緯度に比例して強くなる。
逆にいえば緯度が0の赤道付近は磁場が0となるので、「ゼロ磁場」は地球上では広範囲に分布している。

地磁気は3次元空間での特定方向をもつベクトルなので、経度面での水平角度の違いはもちろんだが、緯度に従って磁気ベクトルの鉛直面での角度が異なる。
北半球では地中に入りこむ俯角であり、その角度は赤道付近が0°で、北極が90°、すなわち緯度=磁気ベクトルの俯角となる(赤道上で地磁気が0となるのも、磁気ベクトルが地面と平行になるため)
だから北半球では、空中にある磁針のN極は北を指すだけでなく、下向きになる。

ちなみに、磁気は電気とともに電磁波を構成するから、電気があるところに磁気もある。
我々が使っている電気製品の電磁波を測る場合は、電気が交流だから磁気も交流となる。
それに対して地磁気は、直流といっていい(厳密には24時間という大周期の交流だが、ほとんど変化がないので直流とみなせる)。
なので、交流(AC)専門の電磁波計では地磁気は測れない(交流の電磁波計で測定される磁気は、電気製品の交流磁気)。
交直両用の電磁波計ならスイッチを直流(DC)にして測る。

直流の地磁気を測る時は、地磁気のベクトルに合わせて測らなくてはならない。
これをきちんとやらないと正しい数値を得られない。

地磁気を測る場合、極性情報が必要なのだが、安い電磁波計やスマホのアプリにはこれがない。
その場合は、方位磁石で北極の正しい方位を確認し、その方向に計器のセンサーを向けること。
私が使う計器は極性も出るので、計器のセンサーを北方向にゆっくり水平回転をして、S極への磁気が最大となる方角(=北)で回転を止める。
その方角でセンサーの水平軸の向きを固定した状態で、今度はセンサーをゆっくり下向きにする。
その向きが磁力の俯角と合った時が、磁気の最大値となり、その値(全磁力)がその地の地磁気の値とみなせる。

すなわち、方位と俯角を正しく合わせて初めてその地の正しい地磁気がわかる。
私が、分杭峠は”ゼロ磁場”ではなく磁気は正常値※だと断言し、一方で茶臼山カエル館は磁気異常だと明言するのも以上の計測結果による。
※:地磁気の等磁力線は緯度に沿って平行に分布しているので、その緯度でのおよその正常値がわかる。日本の地磁気分布図は国土地理院で作成されている☞地理院磁気図
その図で、異常を示す場所は愛知県の東栄町など☞磁気異常地帯を訪れる

いいかえれば、正しい磁気ベクトル(磁力線)から外れると計器の値はそれより小さくなる。
たとえば、正しい磁気ベクトルの球面上の正反対(方位も角度も180°逆)方向にセンサーを向けると、極性は逆になり、磁力の数値はマイナスの同値となる。
ということは、正しい磁気ベクトルの球面上の正反対の中間値(方位も角度も90°ずらす)にセンサーを向けると計器の磁力は極性なしの0(μT)を示す。

このような磁気の特性とそれを理解した計測法を知らない人は、ある場所で計器を適当な方向に向け、それが0を示したら”ゼロ磁場”だと騒ぎ、値がマイナスになったら”逆転磁場だ”と騒ぎそう。
なので私は、素人さんの磁気計測報告は、そのまま鵜呑みにしない。


月瀬の大杉での静電位異常

2020年11月02日 | 計測

長野県根羽村月ヶ瀬にある大杉は、県内第一の巨樹(天然記念物)で、一見の価値がある(写真)。
国道沿いにトイレ付きの駐車場があり、そこから歩道の吊り橋を渡って行ける。

私は幾度も訪れているのだが、以前、この大杉に立ち入らないよう取り囲む縄張りの静電位が異常に高いことがあった。
今回(昨日)、再び測ったら、縄張りの大杉に近い南半分(駐車場から行った場合左半周。写真の杭が映っている部分)の上下2本平行に張ってある上の方の縄の静電位が異常にマイナス側に高かった(イオンバランスを見ると、電荷のほとんどがマイナス)。
普通、屋外の空気中の静電位はほぼ0(kV)で、水が落ちる流れの近くだと若干マイナス側にブレる程度。
測器を縄の上から大杉に近づけると0に近づいたので、縄そのものが静電位をもっているのがわかる(下の縄も0)。
材質上静電位をもっても不思議ではないが、発生した原因がわからないし、また縄張りの残り半分の静電位は0に近い(これが正常値)ので、一部だけ静電位が高いのが不思議。
大杉に近づきたい見学者の服が擦れたのかなぁ。

大杉そのものの値でないので、大杉のパワーとはいえないが、このように物理的パワーが偏っている場所であることは伝えておく。


空気微粒子の計測開始

2019年03月25日 | 計測

私こと”計測マン”の進歩は留まるところを知らない。

計測マンの計測対象に、今春から、空気微粒子が加わった。
すなわち、PM2.5,PM10,PM1それにホルムアルデヒド(HCHO),
さらにHCHOを含む総揮発性有機化合物(TVOC)である。
PM系は大気中のエアロゾルで、2.5 は硫酸塩、10は花粉が含まれる。

計器は日本製のairmon と中国製のAir Detecotr。

前者は、スマホ連動で、PM2.5とPM10を計測しスマホ画面上で評価してくれる。
データはスマホに蓄積される。
定点観測的な用途だが、防水でないので、屋外に置きっぱなしにはできない。 

後者は、上に挙げた5項目を計測する。
シックハウス症候群の原因物質・ホルムアルデヒドなどが中心で、屋内のあちこちを測るもの。
HCHOもTVOCの値が一定値を越ええるとアラームが鳴る。
屋外だとHCHOもTVOCも値が正しく0になる。
30分で自動的に電源が切れる。

両者が共通するPM2.5とPM10を同じ場所において同時に測ってみると、
微妙に計測値が異なる(桁までは違わない)。
いずれも2,3千円台程の安物なので、 数値にこだわるより、おおざっぱな判断の参考にする程度だ。

一番気になるPM2.5もPM10も、屋外でもともに1桁のμg/m3なので空気は清浄といえる
(25-50μg/m3以上だと問題)。


アーシングしてみた

2017年11月05日 | 計測

茶臼山カエル館の強い磁場をパワースポットと認定している私だから、”電磁波”を忌避していない。

ただ”計測マン”として我が身の体内電圧を測りたい流れで、
「アーシング」(電気を地面にアースすること)に接近し、確かに不要に帯電する必要はないと思ったので、3千円代のアーシングマットを購入した。

これはアースコンセント(日本の家には1,2ヶ所しかない)にアースコードをつないだマットを足に敷き、裸足で乗って体表(≠体内)の帯電を0にするというものだ。

幸い、東京の我が書斎空間内にアースコンセントがあったので、難なく設置できた
(たいていの家屋は洗濯機近くとキッチン、あと最近はトイレあるが、リビングにはない)。

直流電圧を測るため、テスターの黒コードをアースマットに付け、
赤コードを手に持ってスイッチを入れると、ある程度の値になるのだが、
両手はそのままで裸足の足をアースマットにつけた途端、値が0になった。

更に、書斎周囲はパソコンや卓上照明などの電気製品があちこち稼働中で、そこに電磁波計(テスラメーター)を近づけると、電場も磁場も一挙に高まる。
そしてアースマットに足をつけた私が、それら器具に手を触れた途端、電場も磁場も0になった。
そう、私自身がアース線(の延長)になったのだ!

というわけで、この製品きちんとアースが効くことがわかった。

ただ、だからといって身体が今までになく快調になることはない。
この製品のネットのコメントでは、いかにもプラシーボ効果といえそうな内容に満ちているが、
自分の身体状態にしても客観的な計測値で評価すべき。
私なら、体温、血圧、心拍変動、唾液アミラーゼ、加速度脈波、脳波、表皮温度(サーモグラフィ)、
それに尿糖などで計測できるが、そもそも主観レベルで変化がないので、測る気にならない
(体内電圧を測りたい!)。

なにしろアースされるのは体表電圧だから、金属を触ってビリってこない程度しか期待していない。
人間は、地面からつっ立っているだけで電位差を得ているし、
そもそも人間は細胞・神経レベルで電動式なのだ
(脳波や心電位を含む体内電圧が0になることは死を意味する)。

かくなる電動人間の一人として、私はもとから電磁波を忌避しない。 


チバニアン(地磁場逆転層)を測る

2017年06月18日 | 計測

先週の日曜は、愛知・長野県境の茶臼山での計測をし、帰京した今週の日曜は、千葉県市原市の養老渓谷の手前にある地磁場逆転層のチバニアン(まだこの名称は使えないのだが※)に、その磁場の逆転具合を測りに行った。
※2020年1月、この名称が正式決定した!おめでとう!

約77万年前から12万年前までの地質年代名が「チバニアン(千葉時代)」に決まったら、この地は世界的名所になって、その露頭(地層が出ている所)に近づくことすら困難になるだろう(保護と混雑によって)。

なので露頭に直接触れることができる今のうちに訪れておきたい。

この地へは、東京からだと総武線・内房線と乗り継いで、五井駅で小湊(コミナト)鉄道に乗換える。

小湊鉄道はディーゼルのローカル線で、便は2時間に1本ほどなので事前確認を怠りなく(上総牛久〜養老渓谷間は、 小型SLが牽引するトロッコ列車も走る)。

房総半島の山は標高300m程度と低いものの、養老渓谷付近は半島の中央部で一番山深い。
その里山の雰囲気を味わいながら、無人の月崎(ツキザキ)駅で降りる。
無人ながら駅前にトイレがあり、向いの一軒屋がコンビニになっている。
またレンタサイクルが1台だけある(100円を箱に入れる)。
本当なら自転車で付近を回るのが効率的なのだが、あいにく駅に着いたら雨になっていた。
これから雨足が強くなったら、雨具なしの自転車だとかえってつらいので、傘を差して歩くことにした(片道2km程度)。

途中、永昌寺トンネルという手掘りの隧道(現在も使用中)を見る。
この付近には手掘りトンネルが多い。 

雨の養老川にかかる橋を渡り(この付近はまったく自然の風景)、田淵の公民館を示す細い道路を右折して、その公民館前に達してはじめてチバニアンへの案内板が出る(ここに駐車できる)。
それによると、ここの地磁場逆転層の正式名称は「松山逆磁極期の地層」というもので、その松山逆磁極期(地球の磁場が南北逆転していた時期)は今から240万〜70万年前だという。
その先に、詳しい説明板がある。
それによると逆転している地層はもとは深海層で、それとは別に現在の富士山の基盤となっている古御岳※の噴火(説明板では「長野県の古御岳」とあって木曽御岳と勘違いしているようだ※。木曽御岳の噴火は10万年前)による堆積物が凝固した凝灰岩層もあり、火山の恐ろしさを伝えている。
ここからいよいよ河原に降りる一本道になる。 

※こう書いたが、やはり木曽御岳で正しかった〔2020年6月)。

雨の河原に降り立つと、先客と目が合い、挨拶をする(現在の段階では、互いに一般観光客というより同好の篤志家という認識)。
岩畳の河原を左に進むと、垂直になった岩壁の露頭が現れる(写真)。

その壁面に赤い杭が上下に連続して打ってある所が逆転層を示しているようで、そこに向かうが岩がつるつるで滑りやすい。
ここはまだ観光地でないので、安全策がとられておらず、転倒・滑落は自己責任(との立て札がある)。

さて私は、ここで計測マンに変身し、バッグから磁力計を取り出し、スイッチを入れ、プローブ(棒状センサー)の先を露頭に近づける。
この露頭はおおざっぱにいうと南に面しているので、磁力計の極性はNを示す。
赤い杭に沿って上から下にゆっくりプローブを移動すると、 Nの磁力の値がどんどん下り、ついに負の値すなわちSとなり極性が逆転する(写真)。
ここが逆転層なのだ。
逆転層を示す赤い札が壁面上部に打ち付けてあるが、そこは高すぎて届かない。

ただ下部の逆転層は磁力そのものの値が低いため、極性は逆転しても、手持ちの方位コンパスは反応しなかった。
またスマホアプリのテスラメータ(磁力計)は空間解像度が粗いためか、逆転層に近づけても通常値のままだ。

雨の中、私の他に2組の客がいる。
その中の1組(熟年夫婦)がスマホアプリの方位コンパスをかざしていたので、私はお節介にも、それではだめで、私のコレでないと確認できませんと教え、私の磁力計の液晶画面に注目させ、プローブを移動して極性ががNからSに変わる瞬間を見せる。
それを見ていたもう1組の母娘は計器を何も持っていないようで(手ぶらでは何もわからない)、私の所にやってくる。
もちろん私は得意になって計測を再演する。 

2組の客は、偶然居合わせた私によって、磁極逆転の境界を数値として目にすることができたわけだ。
言い換えれば、素人衆が手ぶらで(コンパスやスマホのアプリを持って)ここに来ても、ここに逆転層があるという看板以上の情報・体験は得られない。

客らが帰った後、こっそりダウジング・ロッドを取り出し、露頭に向けてかざしたら、右回転の円運動をした。 

ここで、訪問予定者のために、注意事項を記す。
まず河原自体が平な露岩で滑りやすい。
「長靴が必要」と言われているが、確かに普通の靴では危ない。
私は川に入ってもOKなアウトドア用のサンダルで来たが、底の凹凸が乏しいので、雨の中の岩壁の登降で滑らないよう気を使った。
あいにく雨が本降りになったものの、傘があれば見学には支障がない。
だが雨後の増水期になると河原が水没するので、見学は不可となる。

帰りの鉄道便には時間があるので、ちょっと遠方の月崎トンネル(永昌寺トンネルより大規模な手掘り)を見に行こうと思ったが、雨足が強くなったので途中で引き返した。

無人の駅舎で雨宿りをするしかない。
樹木が多いため、雨の中の鉄路も味がある(写真)。

さて、このチバニアンの計測結果だが、先週にコンパスがぐるぐる回るほどの磁気異常の茶臼山カエル館に行ってきただけに、計測値レベルでは正直インパクトに乏しかった。
もちろん、こちらは天然自然の異常値で、特定期の露頭として地質学的価値があるのだから、それを計測で確認できたことはいい体験だ。
雨の中だったので、傘に片手を使われ、滑りやすいこともあって、充分計測に費やせなかった。
養老渓谷と合せて、もう一度来てもいいかも。


室内壁面の温度分布がまだらに

2017年02月11日 | 計測

名古屋宅内の壁面をサーモグラフィ画面で覗いてみたら、温度分布がまだら模様になっている(写真:左下の赤い(最高温)部分は窓、斜めの暗い線(最低温)から上が天井、その間が壁面)。
まだらの濃い部分は低温部(18.2℃)で、薄い部分と約1℃の温度差がある。
この壁面の外側は建物の外壁だ(私の部屋は、アパートの端)。
濃い部分を叩くと硬い音がし、薄い部分は大きく響く。
硬い部分は高密度のコンクリに相当し、薄い部分は低密度の断熱材部分なのだろう(まだらの濃淡が逆だと、壁内の構造が理解しやすいのだが…)。
同様にベランダに面した内壁もまだら模様になった。 

一方、隣室との間の内壁はこのような強いまだらにはならない。

つまり外壁に面した室内の壁は断熱材が使えない部分が混在するため、その分、外気の温度が壁に伝導するのだ。
 ちなみに、測定時の外気温は3℃。
室内はもちろんエアコンで暖房中(エアコンはこの写真の右外にある)で、私が座っている空間(この平面の下)の室温は17.0℃なので濃い部分の温度に近い。 

集合住宅の両端の部屋は、間の部屋よりも外気の影響を受けることが確認された。
たぶん夏は、逆の温度分布のまだらになるんだろう。 


蛍光灯の電磁波

2016年06月13日 | 計測

蛍光灯から可視光より波長の短い電磁波(紫外線とガンマ線)が出ていることは、専門家の間では知られている(確か、日焼けサロンでも専用の蛍光管が使われているらしい)。

実際に測ってみた。

電球色の蛍光灯の電球に紫外線計を接触するほどに近づけると、100μW/cm2ほどに上る。
キッチンの頭上にある昔ながらの細長い白色蛍光管も似たような値。
いずれも、電球から30cmほど離れると値は0になる。
我々の生活空間で、太陽光以外の紫外線は蛍光灯だけだろう。 

ついでにガイガーカウンターを近づけると、ガンマ線が空気中で80nSv/hほどだったのが130nSv/hほどに上る(正確には5回測って平均値を出す)。

電場は当然ながら点灯すると値がでるが、キッチンの蛍光管だけは、点灯すると磁場も高くなり、顔の位置でも磁場の値はそれなりにあった(消灯すると0になる)。

天井のカバー付き蛍光灯ではカバーの外からは紫外線は0だった。

室内のあちこちの蛍光灯をLEDに置き換えつつあるが(いずれも電球色→電球色)、LEDではこれらの電磁波はすべて計測されなかった(通電しているのに電場すら0のまま)。

蛍光灯の電磁波は値的にはたいしたことないが、気になるならLEDに置き換えることをお勧めする(ただし白色はブルーライトが強いので、電球色がお勧め)。


電気製品の非稼働時の電磁波チェック

2016年06月11日 | 計測

家の電気製品は、電源を入れて使っていれば、電磁波を発生するものだが、
モノによっては、電源を入れていなくても、コンセントに挿し込んでいるだけで本体から電磁波を発生させている(機器の外に漏れている)場合がある。

わが名古屋宅でみると、
まず稼働していないのに磁場が出ているのは、電子レンジ、洗濯機、電磁調理器のヒーターの真上、トイレ洗浄器。
電子レンジの値はけっこう高い(ただし、値は正確に測りにくいので例示しない)。
冷蔵庫はもちろん稼働中なので、モーターのある後ろ側から出ている。 
電子レンジはスイッチを入れるとさらに10倍ほど高くなる(スイッチボタン近くが高い)。
なので、使用中は近くにいない方がいい(中で照射されているマイクロ波は目にもよくない)。

電磁調理器もスイッチを入れると、出力に比例してとどんどん高くなるので、私はできるだけ小出力で使っている(使用中は距離をとれないので)。
トイレ洗浄器は操作パネルの本体部分から出ているのだが、近いので座面にまで達している。 

稼働していないのに電場が出ているのは、電子レンジ、洗濯機、扇風機、多機能プリンタ、珈琲メーカー、トイレ洗浄器、そして玄関用のインターホン(カメラ付き)である。
冷蔵庫の電場は前の扉側から出ている。
パソコンに繋げて使っている液晶モニタはけっこう遠く(手元)まで届いているので、私の手は電場にさらされていることになる(値は低い)。

いいかえると、それ以外の電気製品とは距離があるので、それらの電場の外になっている(普通は30cmも離れれば0になる)。 
機器だけでなく、プラグが挿し込んであるコンセントからも電場が出ているので、身体を遠ざけるにこしたことはない。  

ちなみにエアコンは、稼働していなければ電場・磁場ともに0。
稼働すると、室内機底面中央付近からわずかに磁場が出る程度
(もちろん本体でなく、コンセント部から電場は出ている)。
消費電力が高い割に優秀だ(室外機からも出ていない)。 


電磁波の身体的感度の確認

2016年06月09日 | 計測

いわゆる「電磁波過敏症」といわれる人たちは、他の人ではなんでもない電磁波に身体的に反応してしまう。

外的刺激に対する感度の個人差は、アレルギー反応がそうであるように、紫外線(実はこれも電磁波)やアルコール飲料、あるい気象病のような気圧変化においても見られるわけで、ありうることである。

ただ、電磁波という物理的力が(アレルギー反応のように)直接身体に影響しているのか、それとも心理過程を媒介しているのかはきちんと区別しなくてはならない。

これを区別するには、電磁波が発生していてその認識がない場合でも身体が反応するかどうかである。

認識の有無で身体反応が変わるなら、実は心理的暗示(placebo)反応である可能性が高い。

電磁波に対して事前に恐怖心(あるは期待感)もっていると、それだけで暗示反応が起こりやすいのである。

そして純粋に電磁波による身体反応であるといえる場合、より詳細な検討段階に入る。

まず、身体が反応するのは、電場に対してか磁場に対してか、たとえば磁気装置など磁場だけが強い場合はどうか。

電場は身体に対して熱作用しか認められないので、他の反応があるとすればおそらく磁場である。

では反応をもたらす電磁波(磁場)は交流か直流(地磁気)か。

地磁気なら、緯度に相関しているので、地球規模での南北移動(あるいは客観的に磁場が変動している”パワースポット”)によって反応が変化しうる。

交流なら反応をもたらす周波数帯域を絞る必要がある。
家電製品なら取説で周波数帯が確認できる場合がある。 
そうでないなら、低周波用・高周波用など計測帯域が異なる測定器で測り比べる。 
たいていの民生用電磁波測定器(電場と磁場の両方を測る)は 、家電の周波数帯(電子レンジのマイクロ波を含む)を覆っているので、それで何とかなるだろう。

ちなみに私個人は磁気ネックレスの愛用者で、ギリシャ時代から認められている磁場の血行促進効果を堪能している。


道路からの反射紫外線量を測る

2016年06月01日 | 計測

”計測マン”の進化は留まることをしらない

今回、紫外線量を直接計る計器が追加された。
今までは気象の定点観測としてのUV計とやはり携帯のUV計しかなかったが、
そのUVIndex計算の元となる物理量としての紫外線量(測定帯域250-390nm)が測れることとなった(単位はmW/cm2)。

計器はマザーツール社のSP-2UV。
上の帯域は UV-A(320-400),UV-B(290-320)を網羅している。

世間では、紫外線は太陽からの直射だけでなく、雲や道路から浴びる量も無視できないと言われている。
ただしこれを強調するのは、UVケア商品の販売と結びついている側なので、盲信しない方がよい
(水素の効果を喧伝するのが、水素水販売側であるのと同じ)。

そこで計測マンとして、それらが実際どのくらいの紫外線を放っているか定量的に確認してみる。

本日、12:30以降の外で測った。
当時の雲量は5程度で、晴れ間と青空があるが、巻雲と巻層雲もだいぶある状態で、日射は時たまさえぎられる。

まず太陽からの直達紫外線は、4.1mW/cm2(以下、同単位)。
この値は、経験上UVIndexとして読み替えることができ、「中程度」の評価に相当。

さてほぼ同時刻の太陽以外の空はおよそ3mW台(もちろん太陽方向に近いほど値が高く、とおいほど低い)。
これは紫外線の直達と大気への散乱の割合による。 
同じ空でも日陰で測ると0.5に減る。 
つまり直達がまったくない純粋な散乱量はこれぐらい。 

一方、足下のアスファルトの道路(日なた)では0.13。
白い壁面(垂直面)は0.11
ちなみに、車にかぶせた銀色の反射カバーは0.3 とやや高い。

ついでながら、UVカットの我が眼鏡のレンズを通すと、4あった太陽直達量が0.5に下がり、
0.13の地上の日なたの道路の反射は0になる。

以上から、われわれが浴びる紫外線量は、直達>散乱>反射 の順であり、
地上での反射は、強くても空の1/10以下であることがわかる。
ということは、直達紫外線を防御する以外には、
空全体からの散乱に留意すべきであって、地上からの反射はほとんど無視していい。
地上からの反射は、UVIndexに置き換えると1未満なので「安心して戸外ですごせる」レベルだからだ。 

むしろ皮膚に悪影響を与えないレベルの紫外線には、殺菌作用とビタミンD合成作用を期待したい
(すなわち、紫外線の完全遮へいはかえって体に悪い)。 

「紫外線が0でなく、少しでもあると危険」という発想は、定性的な善玉悪玉論であって(「マイナスイオン」発生器にも使われている論理)、科学(定量)的ではない。
”紫外線悪玉論”に洗脳され、”黒色”で紫外線を完全防御しているご婦人をときたま見かけるが(可視光による光線過敏症の防御と異なる)、”骨粗鬆症への道”を突き進んでいるとしか思えない。 


iOSで血管年齢を測る

2016年03月26日 | 計測

血糖値以外の3/4メタボに該当する私は動脈硬化予備軍である。
ならば”計測マン”を自称する者として、動脈硬化の状態を測ろうと、 

iOSにつなげるiHeartという装置を買って、わがiPadminiで自分の血管年齢を測っている。
装置を買ってから勉強したのだが、 血管年齢(血管壁の硬度)の医学的な測定法には、「加速度脈波」(AGP)と「脈波伝播速度」(PWV)がある。
AGPは日本で使われているが、国際的に年齢や寿命と強い相関があると認められているのはPWV 。
ついでに、最も簡単に動脈硬化を推定する方法は、脈圧(拡張期血圧−収縮期血圧)で、これが60以上なら要注意。

iHeartは指尖脈波を測っているようなので、てっきりAGPを測っているのかと思った。一方PWVは上腕や大腿などで測る。
ただAGPだと脈波を2階微分して、すなわち1階微分で速度を出し、さらにもう1階微分で加速度を出すのだが、iHaertだと3階微分をしている。 

そこで販売元にメールで何を測っているのか質問してみた。

すると、翌日、なんと開発者のGoodman医学博士から、直々に回答をもらった。
私のメールが先方で英訳され、それに対して博士が英語で回答してくれたのだ。
さらにお礼のメールを日本語で出すと、それについても返信が返ってきた。
さすが、名前通り”良い人”。 

それらによってわかったのはiHeartは指先の動脈波から、大動脈の伝播速度を割り出して計算するアルゴリズムだということだ。
すなわちAGPではなくPWVなのだ。
PWVだと血圧や飲食、ストレスの影響を受けるので、継続的に測定する必要がある。

3階微分はiHeart固有の方法らしく、日本のPWVの論文には見当たらない。
G博士によればアルゴリズムの妥当性・信頼性(すなわちiHeartの指標が大動脈の血管壁硬度をほぼ正しく示すこと)は確かなようだが、それを保証する研究論文にはお目にかかっていない。
でも測定方法がAGPより大掛かりなPWVが、まさにAGPと同じく指先で測れるとしたら画期的だ。
そのような画期的な,すなわち専門的計測のスマホ対応化はアメリカやドイツでどんどん進んでいる。
こういう安価な民生化が日本でなかなか進まないのは、医療分野では利権の問題が大きいのかもしれないが、電磁波や水質、それに放射線など環境計測分野でも同様なので、バカ高い製品にあぐらをかいているメーカーと、自分で計測しようとしない国民の知性レベルの問題の方が大きいようだ(たとえば、放射線について定量的な評価ができない。例外的に体重計だけ、やたら測定項目が進化している…)。

ただ、ウォークマンを出したソニーがiPod(CDを不要にした)を作れなかったのは、技術的問題ではなく、CD利権を握っていたためだ。

いずれにせよ、既存の利権・発想にとらわれている日本(の企業)からはAppleもGoogleも生れそうもなく、かくして計測マンの装備は外国製ばかりとなる。