連日、関東では積乱雲が大暴れ。
下層の南からの湿った空気と上層の北からの寒気が関東で遭遇し、上下に激しい対流が発生し、空の暴れん坊・積乱雲が一列に発生する。
帰京して三日目、私も始めて関東の積乱雲の洗礼を受けた。
近所の建築中の新居を見学した帰り、雷鳴が轟き、空が暗くなった。
交差点で信号待ちしていると、大粒の雨がボタボタ落ちてくる。
青信号になる頃には、強い雨が本降りとなり、道路に白いしぶきが上る(強度20mm/h)。
真上の空は暗いが、南の空は青空。
問題は真上の積乱雲がどの方向から来て、どちらに向うかだ。
本来ならネット動画で確認すべきだが、今はそれは無理。
雲の動きを見ると、雲底近くのちぎれた積雲は南から北に向っている。
それなら、頭上の積乱雲は北に移動し、ここ付近は強雨域がかすれるだけだろう。
実際、ここ連日もこのあたりには積乱雲は来なかった。
そう判断して、今の強雨をしばらく見過ごそうと、店の軒下で傘を差して雨宿りをした。
周囲の人は傘がないので雨宿りをしている。
ところが雨は一向に弱くならず、かえって強くなる。
雨足の傾きを見ると、北風だ。
しまった、この積乱雲は南下していたのだ。
そして突風が吹き、私の折畳み傘が形を崩され、一面は白くなり、雨は轟雨となった(強度50mm/h以上)。
傘を壊すほどの風を伴った強雨なので、もう全身横からの雨ざらしで、雨宿りは無意味。
鞄内のパソコンと、手に持ったiPadminiを気遣いながらも、轟雨の中、家に向って走った。
都市部だったからこそ身に危険はなかったが、強度50mmは道路が冠水する強さ。
家にたどり着いた時は、服ごと大量に水あびしたばかりのような風体。
早速ネットで雨量強度を確認したら、近傍の「豊島」で10分間雨量が12mm、すなわちその10分間は強度72mm/hの「ひじょうに激しい雨」だった。
積乱雲の雲底が南風だったのは、積乱雲を移動させる風ではなく、成長する積乱雲が吸い上げる風だったのだ。
積乱雲を動かす風は、下層ではなく、中・上層なのを後から思い出した。