駿河徳山~千頭

2012-01-12 01:00:00 |  大井川鐵道の旅
飲ませてもらったのと同じ茶葉を併設の物産館でお土産に買い、駿河徳山駅へと戻りました。
次に来た電車も南海車両。
大井川本線の終着駅、千頭までは3駅です。
あっという間に到着。

千頭駅のホームには先ほど見送った蒸気機関車が客車を繋ぎ、引き返し運転しようと出発を待っていました。
ここでも見れるとは予定外。
と言うか、時刻表のチェック不足。
止まったSLは撮り易し。
クリスマスでしたから、ヘッドマークにはメリークリスマスの文字が。
サンタさんも車中に乗り込み出発です。



ホームの前にいた私の横を通過する時、雨のように水滴が落ちてきました。
カメラに点々と付いた水滴を見て、心の中で悲鳴を上げました。
煙の煤が混じって茶色かったのです。
頭から全身に被ってしまいました。
服は汚れが目立たぬ色で良かったのですが、明るい色したザックとシューズには点々と汚れが残ってしまいました。
今後、汚れに気付く度、この旅を思い出す事でしょう。

今の大井川鐵道では煙の少ない石炭を使用しているそうですが、それでもこうなるので、SL全盛の時代は線路沿線の住民は大変だったでしょうね。
見た目を楽しむだけでなく、(少しだから?)負の側面にも触れられ良かったかな。

川根はお茶処

2012-01-09 23:21:29 |  大井川鐵道の旅
SLを見送ると次の電車までまた時間が開きます。
あらかじめ目を付けておいた道の駅が国道を少し行った所にあり、お茶する事が出来るらしいのでそこへ行く事にしました。
駿河徳山駅から歩いて10分くらいでしょうか、大井川を渡った向こうにあります。
「道の駅 フォーレなかかわね茶茗舘」と言う所。



お茶と言ってもコーヒーの事でなく、本当のお茶(煎茶でしょうか?)を飲ませてくれます。
その辺りは川根本町と言い、川根茶の産地でお茶のPR施設のようです。
お茶の淹れ方を教えてもらいつつ、自分で淹れて飲むのです。
受付で申し込むと、中庭が眺められるお座敷に上げられ、こんな一人用のお茶セットが目の前に。



施設の女性の方が、他にお客さんがいなかったからか対面で教えてくださいました。

では、教えていただいた美味しいお茶の淹れ方をご紹介。
右上の器(名前があったように思いますが忘れてしまいました。取り敢えずポットと呼びます。 )にお湯が入っています。
その左の器は湯冷ましに使います。
左上が急須。
お茶菓子の右が茶碗。

先ずは急須にお茶の葉を入れます。
一人分は大振りのスプーンに擦り切り一杯だそう。
まんべんなくお湯に浸るよう、急須に入れたお茶っ葉は平に均すよう注意。
ポットのお湯を湯冷ましに1/3程入れ(茶碗一杯分)、熱を取ります。
湯冷ましを手のひらに乗せられる熱さまで冷ますとそれで40~50度らしいので、これを急須に注ぎます。
蓋をして40秒蒸らします。

さっきの湯冷ましの時間と、この蒸らし待ちの時間が川根茶のPRタイムです。
講師の方のおっしゃるには、良いお茶に熱いお湯は注ぎませんが、それでも普通50~60度くらいで淹れるそうです。
でもこの辺りのお茶なら40~50度で淹れるのが最適です。
とのこと。
この「この辺りのお茶」とおっしゃるのを、淹れ方説明の間に三回聞かせていただきました。
後で物産館の方に、その年の全国品評会かなにかで1位~3位を川根の農家の方で独占したと聞きました。
特別なお茶処の自負をお持ちでした。

さて蒸らし終えたら茶碗に注ぎます。
この時、急須の口から落ちる最後の一滴までしっかりと落とします。
旨みが一番凝縮されてる滴だそうです。
二口くらいで飲んでしまう量ですが、香りも味も爽やかで、お茶っ葉の甘味のみがお湯に溶け出したかのよう。
へえ、お茶ってこんな風に飲めるのですね。
自慢されるだけあって、とても美味しかったです。

それが一煎目。
その後二煎目三煎目を淹れるのですが、淹れ方も味も記憶が薄れて来てます。
この後は話半分でお読みください。
二煎目は同量の湯を湯冷ましに入れ、さして冷ます事なく急須に注ぎ、すぐに茶碗に出します。
三煎目は湯冷ましに入れはしますが、熱いまま急須へ。
これもすぐに茶碗へ注ぎ、いただきます。
二煎目三煎目とお茶の渋みが増し、その味の移り変わりを楽しむのだそう。
お茶菓子は渋みが強くなる三煎目でいただきました。

茶碗の上にあるかわいい小袋は、お茶の葉が入った匂い取りで、持って帰れます。
これで料金300円。
素晴らしい。

目の前の庭には水琴窟が設置されているそうで、散歩を薦められたので、歩いて行って聞いてみました。
カラリンコロリンと不思議な音色が響いていました。

SL撮影

2012-01-07 01:09:24 |  大井川鐵道の旅
まだかまだかと待っていると、遠くで甲高い汽笛が聞こえました。
やって来たようです。
走ってるSLを見るのは始めてではないかしらん。
わくわく。
ワクワク。
…と、なかなか来ません。
汽車の汽笛って遠くまで響き聞こえるのですねえ。

見えました。
来ました。
おー、煙吐いてますよ。
写真、写真。
始めてカメラの連写機能を使いました。
あっという間に通過~。







駅横の踏切で見ていたのですが、他にも撮影してる人がいらして早くから三脚設置したり、やはりSLは人気があるのですね。
私がシャッターを押すと同時に、すぐ背後でもシャッターの連写音が聞こえました。
汽車が来る直前まで誰もいなかったはずなのに?
と汽車を見送って振り返るとすでに誰もおらず、その向こうの道端にいつの間にか止められた車に乗り込み走り去る人がいました。
あの人はきっと車で汽車を追いかけて先回りし、いろんな場所で撮影してるんだろうな。
と、想像。
ゆっくり走る汽車ゆえに可能なのかも。
あわてて運転して事故を起こしませんように。

塩郷~駿河徳山

2012-01-06 01:21:12 |  大井川鐵道の旅
それでは大井川鐵道の旅の続きに戻りたいと思います。



塩郷駅で次にやって来た電車は南海電車車両でした。
京阪電車車両より時代を経たデザイン。
二つ窓にV字ラインが泣かせる。
大井川鐵道では他に近鉄車両も走っているらしいのですが、その週末見かけたのは朝の京阪車両とこの南海車両だけでした。
一番馴染み深い近鉄電車、楽しみにしてたのになあ。
残念。

さて、南海電車に乗り込みます。
おお、まず目を射るシートの列。
座席基部の薄緑とシートの赤紫の組み合わせが渋い。
シートは張り直しているのでしょう。
疲れた部分はありますが、擦り切れてはおらず、ビロード地?の毛足はしっかり立って、柔らかくお尻を包んでくれました。
プラスチックが少なく、シートの土台も背もたれの手すりも金属。
この使用感、なんて味があるのでしょう。
空いているのをいい事に、また車内を撮影して廻りました。



ほどなく駿河徳山駅に到着。
ここでお昼して、通過するSLを見る事にします。
駅前にある食堂で、慌ただしくラーメンをすすり、再び駅へ。
駿河徳山駅は駅舎もあり、すれ違い可能なホームを持つ大井川鐵道の中では大きめの駅(と思う)ですが、無人駅。
食堂で地元の方の会話を聞くと、無人駅になったのはつい最近のようです。
前はSL停車駅だったようですが、今のダイヤでは通過駅。
というか今のダイヤ、途中の停車駅は一駅だけです。
閑散期のダイヤなのでしょうか。
繁忙期には停車駅として復活するといいですね。




塩郷の吊橋

2011-12-29 08:43:22 |  大井川鐵道の旅
大井川にはたくさんの吊橋がかかっています。
塩郷には大井川最長220mの吊橋があるというので、どんななのか見に行く事に。
高所恐怖症なので渡れるかどうか疑問ですが、話の種に写真だけでもと思いちょっと冒険。

降り立った塩郷駅は大井川と県道に挟まれた無人駅。
駅のすぐ北にその吊橋が望めました。
県道横に建つ民家の裏手の山から、民家と県道と線路の上を跨ぎ、大井川の対岸へと渡されています。
ずいぶんと低い位置にあります。
県道を横断し、渡り口へと向かいました。

風はおだやか。
寒くはありましたが凍える程ではなし。
日差しがあるので助かるぅ。
出発前にチェックした川根本町の気温予想は、夜間マイナス5℃まで下がるとありました。
南アルプスの麓だからなあと不安だったのですが、茶畑の広がる土地がそんなに寒い訳はない。
静岡は温暖な気候という従来のイメージの方が正しかったようです。

さて、吊橋渡り口に到着。


少し歩いてみると意外にあまり揺れず。
歩く部分の木道は幅狭ですが、その横に鋼鉄線の張られたエリアがあり、橋の幅としては広いからでしょうか。
これなら渡れそうと、歩みを進めました。
足を降ろす度、ところどころ錆びた鉄線がキシキシと鳴り、それはそれで吊橋を渡っているのだなあと思わせ、よい塩梅な緊張感をもらたせてくれます。



いけない事を考えると脚がすくむので、何も考えないよう、何も考えないよう歩きます。
中程に差し掛かっても揺れ方は変わらず。
もう戻っても意味はありません。
そのまま対岸まで、さほど恐怖を感じることなく渡り切ってしまいました。
あー怖かった(あれっ )。
落とさないよう握りしめていたカメラが汗でびちょびちょでした。

次の電車が来るまでたっぷり時間があったので、少し上流にあるダムを渡って戻る事にしました。
茶畑を見下ろし揺れない道をてくてく。
決して吊橋を往復するのが嫌だからではありません。
念のため言っておきます。
かかか。


金谷~塩郷

2011-12-28 01:24:40 |  大井川鐵道の旅
12/24(土)朝。
ホテルを出ると良い天気。
でもこの三連休は極寒らしい。
どれだけ寒くなるのだろう、としっかり厚着しました。
JR島田駅から金谷駅へ一駅乗車。
大井川鐵道金谷駅はJR金谷駅に隣接して、小さなホームを並べていました。

駅舎の売店には「しずおか茶コーラ」なるものが。
その隣には「みかんサイダー」。
むふふ、購入欲をそそるなあ。
こういうのは、飲んでみればなんてことない味だったりしますが、ラベルを眺めるだけで楽しいものです。
最近ご当地限定の食べ物飲み物が多くなって、地方色が薄くなった日本の町を旅する者に、旅情を与えてくれてます。
でもここはそんなものが無くても、十分違う土地に来てると感じられる場所なのを、これからの二日間で思い知るのでした。


電車がやって来ました。
おおお、京阪電車車両です。
いきなりテンションアップぅ。
大井川鐵道は私鉄で昔活躍した車両を譲り受け、今なお現役で運用している拍手ものの、あんたはえらい的鉄道会社です。
地元のお客さんが結構沢山降車してきました。
ただの観光用鉄道で無いのもいい。
数名の鉄ちゃんに混じり、私も電車をパチパチと撮影。
おっと、ホームの向こうに富士山が。


金谷駅から塩郷駅まで、おけいはんの乗った?(ローカルですみません)京阪電車の旅。
車内にジュースの自販機がでんと立ってるのが目を引きました。
なはは、こんなの元はなかったはず。
利用者の少ない無人駅各駅に設置するより、乗客のいる車内にあるほうが需要が期待できますよね。
生活密着感があります。

旧車であり、線路も細く、カーブも多い。
ガタガタギシギシ揺れる乗り心地が素敵。
時々フラリと大きく揺れ、金属がこすれ合いきゅうきゅうと音がする。
今街で忙しく走る電車がこんなだったら、鉄道会社に文句を言いますが、1時間に1本なんてゆっくりしたダイヤの電車だと好ましい。

車内をいろいろ撮りまくり、ようやくふんわかしたシートに座ると、車窓からの眺めは町から山河へ移り変わっていました。
行く手左側には茶畑が、右手には大井川。
眺めていたら塩郷駅に到着。


ではまた、続く。


大井川鐵道へ

2011-12-27 00:55:11 |  大井川鐵道の旅
この三連休、師走も押し迫った忙しい時期にもかかわらず、旅に出てしまいました。
旅先は大井川鐵道(おおいがわてつどう)。
鉄ちゃんの聖地です。
SLが動態保存され、日本で唯一アプト式鉄道を持つ、知る人ぞ知る、あまりにも有名な鉄道。
ここを鉄道旅行するのが目的の旅です。

電車、汽車に乗り、写真を撮り、途中気になる見所があれば途中下車して見て廻る。
果たしてそんな旅が楽しいのか?
企画時の不安はまったく杞憂に終わり、無茶苦茶楽しめました。
しっかり鉄ちゃんに成り切る事が出来たのが良かったようで。
旅の様子をまた分割掲載して行きます。

では早速。
出発は何かとあって12/23(金)の夕刻。
大井川鐵道は静岡県は掛川の少し東、東海道本線の金谷駅を起点として、南アルプスの麓の井川駅まで、大井川に沿って線路を伸ばしています。
当然JRを利用して現地へ行く事に。

今回はSLに初乗車です。
新大阪駅にあるSLの動輪はなにやら意味ありげにたたずむ。
最初の被写体。



ホームに上がると、おおっ、これはさくら号か?
九州新幹線が止まっていました。
初チェックです。
これまでの700系と違って、先端が比較的平で連結器を内蔵しているよう。
かっこよし。
しかし最近の新幹線の車体は四角いなあ。
車内を広くするためのデザインなんだろうけど、私は500系みたいな丸い方がよりお好み。



掛川まではこだま号。
仕事を休めるかどうか分からなかったので指定席は取らず、自由席にしました。
座れるか心配したのですが、以外にも?自由席はがらがら。
こだま号は指定席車両が少なく、ほとんどが自由席車両。
指定席車両の方が乗車率が高かったようで、安くして空いた車両に乗れてラッキー。
途中、のぞみ号、ひかり号にがんがん抜かれ、ゆるゆると掛川まで。
この時は、ゆるゆると感じました。

ネットで予約可能な宿を金谷駅周辺に見つけられず、も一つ東隣の島田駅にあるビジネスホテルを予約してました。
その日はそこまで行って宿泊するだけの移動日となりました。


つづく。